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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『おむすび』第18回 その中太ちぢれ麺!

『おむすび』第18回 その黄色い中太ちぢれ麺はなんなんだ! という話はもういいとして

橋本環奈

 天神で、アユ(仲里依紗)と古い知り合いのギャルがラーメンの大食い対決をするシーンがあるんですが、ここで供されるラーメンの替え玉が黄色い中太ちぢれ麺なんですよね。札幌ラーメンとかで使われるやつ。スープは白濁の豚骨で、刻んだキクラゲとか紅ショウガとか博多ラーメンっぽい感じなんですが、麺がぜんぜん博多じゃない。細くて白いストレート麺でしょうよ、ここは。

『おむすび』というドラマは栄養士さんの話で、「おいしいものを食べると元気になる」というテーマで、当然、食べ物にかかわる描写は慎重かつ魅力的であるべきなんですが、ここで黄色い中太ちぢれ麺が登場してしまうことに、やっぱりどうしても不安を感じてしまうんだよな。ちゃんとやってんの? って思っちゃう。前回のセーラームーンに変身する女の子のくだりで「メイクアップ!」じゃなく「セーラームーンに変身だ!」って叫ばせちゃってたのと同様に、作りの粗さに目が行ってしまうところです。

 と、今回は文句を先に言っておきます。いよいよ結ちゃん(橋本環奈)がポジティブに動き始めてくれたので、ここらへんで見る側としてもいったんリセットしておきたいところで。

 振り返りましょう。

■「最初からギャルじゃない」

 せっかくアユが帰還したにもかかわらず、そのアユから「ハギャレンなんてダサすぎる」「ギャルなんてやめろ」と断じられてしまったルーリー(みりちゃむ)たち現役組と、そのアユの発言にブチ切れた結ちゃん。海辺でひとしきり泣いたり、神戸での懐かしい日々を思い出したりしているところに現れたハギャレンの4人は「もうハギャレンやめる」と言うし、何もいいことがありません。

 家に帰っても部屋に閉じこもって、晩ごはんも食べなかった様子。見かねたおばあちゃんがおむすびを3つ作って結ちゃんの部屋をノックし「おいしいものを食べて元気出せ」的なことを言うと、あっさり3つ平らげて元気になり、ハギャレンと撮ったプリクラを眺めながら、何やら思いにふけっています。

 一方、結ちゃんに怒鳴られて意気消沈し、荷物をまとめて糸島の実家をあとにしたアユは天神で遭遇した敵対組織「天神乙女会」の元メンバーとラーメン大食い対決へ。決着がつくと昔話に花を咲かせますが、当時はアユに憧れていたという乙女会メンバーに対し、アユがわりと衝撃的な発言をします。

「私、最初からギャルなんかじゃなかったから」

 カリスマとしてギャル界に君臨していたアユ、ハギャレンの初代総代が「最初からギャルじゃなかった」というなら、だいぶ話が変わってきます。何しろ結ちゃんは、アユがギャルになって好き勝手なことをやって家族に迷惑と心配をかけたことがトラウマになって「平穏な生活」を夢見るようになった女の子ですので、そのアユがギャルだったことが本意じゃないなら、いろいろ事情が変わってきそうです。

 この一言で、だいぶドラマに奥行きが生まれたように思うんです。なんか、ドラマ全体から漂っていたギャル文化に対するそこはかとない興味のなさ、視線の冷たさ、関心の薄さ、リスペクトのなさが、それはギャルに限らず文化を描くうえでいいことではないのだけれど、逆に腑に落ちた気がした。

 そうしておいて、結ちゃんにギャル文字メールでハギャレンを呼び出させて、「ハギャレンはダサくない」ことを糸島の祭りで見せつけてやろうと説得させるくだりは、なかなかダイナミックでありました。

■結果、よしとしましょう

 いずれにしろ、このドラマで初めて結ちゃんがポジティブ方向の意思表示をしてくれたことで、だいぶ見やすくなるように思います。

 ここまでの結ちゃんの心の動きについては時間ばかりかけて、決して丁寧でもスムーズでもなかったとは思うけど(特に、仲良くなるために急にルーリーをメンヘラ化させて夜の街を徘徊させるくだりはどうかと思う)、まあ結果、前を向いたのでよしとしましょう。

 アユの「最初からギャルじゃなかった」という発言は、額面通り受け取れば大きなミステリー要素になります。ようやく、ちょっと続きが楽しみだと思えるようになった『おむすび』。よかったよかった。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

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最終更新:2024/10/23 16:00
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