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『NHK紅白歌合戦』視聴率復活のカギは司会・有吉弘行の“巻き返し”、そして“不安要素”

『NHK紅白歌合戦』視聴率復活のカギは司会・有吉弘行の巻き返し、そして不安要素の画像1
有吉弘行(GettyImages)

 大みそかに放送される『NHK紅白歌合戦』の司会者が発表され、今年はお笑いタレント・有吉弘行と女優・橋本環奈、伊藤沙莉、同局の鈴木奈穂子アナが務めることが明らかになった。

 有吉は2019年からNHKで『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』のMCを務めており、紅白の司会は昨年に引き続き2回目。橋本は、放送中のNHK朝の連続テレビ小説『おむすび』の主人公を演じており、紅白の司会は3回目、伊藤は今年放送された朝ドラ『虎に翼』でヒロインを演じ、鈴木アナとともに紅白の司会は今回が初めてとなる。

 有吉は、「正直、一回きりだろうなと思っていたので、ビックリしたのと同時にすごくうれしかったです」と喜びをあらわにし、「去年は初めての司会でメチャメチャ緊張してしまい、『こうやればよかった』とか後悔も色々ありました。今回こそリラックスして楽しめるように心がけたい……と言いながらすでに緊張しています」などとコメントしている。

 そんな紅白といえば、昨年は第一部の平均世帯視聴率が29.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と初めて30%を割り込み、第二部も31.9%と二部制となった1989年以降で史上最低視聴率を更新した。

 そうした中での有吉の“続投”に違和感をおぼえる視聴者も多そうだが、NHK関係者はその裏事情を明かす。

「有吉さん本人は『1回きりだろうなと思っていた』と話していますが、2年連続での司会起用は既定路線でしょう。直近では内村光良さん、大泉洋さんがそれぞれ3年ずつ司会を務めていますし、“有吉さんだけ1年というのは失礼”という空気がNHKサイドにもある。有吉さんの年末のスケジュール調整にも配慮して、かなり前から内定していたようです」

 もっとも、有吉の2年連続の司会起用を受けてインターネット上では「去年の進行はつまらなかった」「アドリブで気の利いたことも言えていなかった」などといった厳しい意見も見受けられる。レギュラー約10本を持つ超売れっ子で、純愛を貫いた夏目三久さんとの結婚以降は好感度の高さでも知られる有吉にいったい何があったのか?

「確かに昨年の紅白での有吉さんは、持ち味の毒舌も発揮できないまま“無難な回し”に終始している印象でした。それに加えて、今年8月のフワちゃんの騒動の影響もあるのでしょう。有吉さんは可愛がっていたフワちゃんがやす子さんへの“死んでください”発言で大炎上した際に擁護することもなく、番組で名前を出してイジった程度の反応しか見せなかった。この“我関せず”の態度を見て世間は冷たいイメージを持ち、株を下げることになりました」(芸能記者)

 フワちゃん騒動の余波を受けて、にわかに逆風が吹き荒れている有吉。司会の大役を務める今年の紅白の成功は、今後の芸能活動を占う意味でも大きなターニングポイントとなりそうだが、ここに来て追い風も吹きはじめているという。

「昨年の惨敗に加えて、今年5月に成立した改正放送法に伴う『ネット受信料』の件もあり、NHKも今年の紅白には例年以上に力を入れるはず。“国民から愛される人気番組を作っている”という錦の御旗を掲げて“ネット受信料”の徴収を国民に受け入れさせるためにも紅白の視聴率30%超えは必達目標でしょう。実際、NHKが実質出禁を解いたことで、昨年は出演ゼロだった旧ジャニーズ勢の“復活”が確実視されていますし、大物アーティストの投入も取り沙汰されています」(放送作家)

 こうした背景もあり、今年の紅白は視聴率を巻き返すのではないかと見る向きも業界内には多いというが、芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。

「昨年の紅白の惨敗については、旧ジャニーズ勢の不在や長らく続いたコロナ禍がようやく収束して年末に外出する人が多かったことなどさまざまな要因があげられますし、司会の有吉さんばかりを戦犯扱いするのはさすがに不憫ですよね。前年に続き、かつての猿岩石時代のヒット曲『白い雲のように』を熱唱するなど、それなりに番組の盛り上げにも貢献していましたし。肝心の司会ぶりに関しても今年は慣れも見込めるでしょうから、昨年以上には持ち味を発揮するのではないでしょうか」

 いずれにせよ、今年の「紅白」では有吉のMCとしての真価が問われそうである。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2024/10/23 09:00
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