『おむすび』第14回 クソつまんなそうな顔の橋本環奈、それは「慎み」のつもりなのか
#おむすび
本日、NHK大阪局で定例会見があって、『おむすび』制作統括の方が「様々なご意見をこの3週でいただいています」「連続テレビ小説ということで、20週以上をかけて描いていく人生なんだ、ということで、焦らずにいきたい」と語っていたそうです。
なんだかここ数日、イヤなところばかりが目に付いたのでのイヤなことばかり書いてきたこのレビューですが、焦らずにいきたいと思います。
第14回、振り返りましょう。
■通らぬ、いや、通そう
今日も今日とて天神のゲーセンで行われているハギャレンの会合に出席中の結ちゃん(橋本環奈)。あいかわらずクソつまんなそうな顔をしていますが、ギャルはみんな心が広いので特に気にした様子もありません。
今回は、そんなハギャレンに警官たちが声をかけてきたところからスタート。何やら派手目な女性集団がサラリーマンを恐喝する事件が多発しているんだそうです。
「うちらを疑ってんの?」と半ギレのハギャレンですが、紛らわしい服装でこのへんをウロチョロすんな、ということのようです。犯人扱いされたわけではありませんでしたが、ギャルの服を着ているという理由だけで天神のゲーセンや公園は事実上の出入り禁止に。公権力の横暴をまざまざと見せつけられます。
そんなわけでパラパラの練習場所を失ってしまったハギャレン御一行様、カラオケボックスは狭いし、広いスペース借りるのはお金がかかるし、ということで、結ちゃんが糸島の自宅にハギャレン4人をお招きする流れとなります。
正直、それは通らねえだろと思ったんです。ずっと嫌々な顔で参加してたし、家に呼ぶってどんだけの心変わりだよ、いつだよと思ったんだけど、焦らずにいきたいところなので一旦通してみますと、ルーリー(みりちゃむ)の深夜徘徊の一件で、結ちゃんはホントにハギャレンに心を許していたのかもしれないという景色が見えてきます。
それ以降もハギャレンと一緒にいて笑ったり、楽しそうにしていた場面なんてひとつもなかったけど、家に呼ぶってそういうことだもんな。実際、家に呼んでみんなでママ(麻生久美子)とおばあちゃん(宮崎美子)の前でパラパラ踊ってみたら、結ちゃんけっこう踊れるようになってたもんな。
あ、それで思い出したんですが、結ちゃんがギャルとパラパラすることになったことを知ったママが、パラパラのパラパラマンガ(振り付けのイラスト)を結ちゃんに描いてあげるシーンがあったんですが、ここで結ちゃんうれしそうに「ありがとう」って言ってたんですよね。昨日、リサポンに同じのをもらったときは「へえ」だけだったのに。このへんで、またひとつこのドラマの思想が見えたような気がしたんです。
■それは「慎み」なのかもしれない
ハギャレンと一緒にいても、一向に楽しそうにしていなかった結ちゃん。今回、家に呼んだことでパラパラをやる気があることはわかりました。
だったら、なんでもっと積極的に参加の意向を示すシーンがなかったんだろうと考えたんです。もう一度言うけど、家に呼ぶことになるまで結ちゃんから「パラパラも楽しそうだ」という気持ちを察することは一度もなかった。
で、結ちゃんパパ(北村有起哉)は最近、糸島のお祭りの実行委員になってるんですけど、この会合で「ハギャレンにいる結ちゃん」とまったく同様にクソつまんなそうな顔をしてるんですよね。自分はここにいるべき人間じゃない、本当は床屋なのに嫌々農家をやっている、という顔をしている。
その割に、会合から帰ってきたら「みんな糸島のことを真剣に考えてる」みたいな、ちょっと感動したようなことを言っている。
パパも結ちゃんも、思ったことを顔に出さないという共通点があったんです。
これ、もしかしたらこのドラマは「慎み深い人」として描いてるのかもしれないと思ったんです。感情を表したり自分の意見を声高に主張したりすることは不躾な行為だと思ってるのかもしれない。だから、結ちゃんはパラパラに、パパは実行委員に、「つまんなそうに」かつ「積極的に」参加しようとしている。
そう解釈すると結ちゃんがハギャレンを家に呼んだプロセスにもようやく納得がいくんですけど、そうだとするとパラパラマンガの件ね、家族には不躾でもいいから笑顔で「ありがとう」を言うけど、リサポンにお礼を言わないのは、率直に感謝を述べるのは不躾であるという非常に間違った考え方を持っていることになっちゃって、また矛盾が生じてしまう。困る。困った。
というか、そもそもそこまで察しなきゃいけないんだとすれば、これはやっぱりかなり不親切な作劇だと思いますし、そのうち付き合ってらんなくなるよ、と思います。焦らずいきたいところですが!
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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