トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 中川淳一郎が語る“病名”を知りたがる人たち

中川淳一郎氏が語る「“具体的な病名”を知りたがる人たち」の背景にある“モヤモヤ”と知りたい“答え”

中川淳一郎氏が語る「具体的な病名を知りたがる人たち」の背景にあるモヤモヤと知りたい答えの画像1
(写真/Getty Imagesより)

 スポーツ中継の実況として活躍したテレビ朝日・三上大樹アナウンサーが10月5日に亡くなったことが8日、報じられた(享年38)。死因についてテレビ朝日は「病死ですが、詳細については差し控えさせていただきます」と答えるにとどめたが、SNSでは哀悼の意を示す声が上がる一方で、「具体的な病名は何なのか」と、死因が明確にされていないことにモヤモヤするコメントも多数書き込まれた。

「ご遺族の意向ですから仕方ないことですが 何か腑に落ちない気持ちはあります。特に三上アナの実況に慣れ親しんできた視聴者として本当のことが知りたい人は多いと思います」

「プライバシーに関わることだから、病名を明かす義務はないけれど、38歳とまだ若いのに短期間で死に至る病気が何だったのかすごく知りたいです」

 芸能人が亡くなったり病気を患ったりした時、病名を知りたがる書き込みは急増する。そうした“知りたい欲”に応えるかのように、これまでにも「自殺」「急逝した」「突然亡くなった」「体調不良」などといった報道があると、必ず“原因は何?”といったまとめ記事が量産され、アクセスを稼いできた。

 また「病名が明らかではないからたくさんの人がモヤモヤした」最近の例としては、2023年7月、「体調不良」を理由に休養するとそのまま長期化し、今年8月に退社した元フジテレビの渡邊渚アナ(27)がいる。

 渡邊アナは今年10月になってPTSD( 心的外傷後ストレス障害)だったことを明かしているものの、休養後はベッドに横たわり、げっそりとやせている写真が投稿されるばかりで、昨年11月のインスタグラムのストーリーでは「人生のリセットボタンがあるならば、私はすがるように押しただろうに」と後悔の念を述べ、ファンを心配させた。

 もちろん本人および近親者が言いたくないのであれば、それが最大限に尊重されるべきだが、SNS上にはモヤモヤが広がり続ける。ネットの炎上やユーザーの感情について長らく分析してきたネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、こうした”モヤモヤ“を抱える側の心理として「どう受け止めていいかわからないからでは」と考察する。

「心配しようにもどう心配していいかわからない。もし自分がよい情報や経験をもっていたら助言もできるのに……という歯がゆさもある。そのうえ、病気ならばSNSから離れて治療に専念すればいいのに、という思いも大きいと思います」

なぜ、SNSは「死因」や「病名」をはっきりさせたいのか

 それではなぜ、SNSユーザーは死因や病名を執拗に知りたがるのか。中川氏が続ける。

「もともとネットがない時代も、有名人でなくても誰かが亡くなったり病気になったりすると、『あの家の◯◯さんはガンでね……』などと噂話が広がったり、ちょっとした時の話のきっかけになったものです。その意味では、誰かの死因・病名は、 “知りたい欲”として、人がもともと持っているものですよね。

 ただそれがSNSによって可視化され、知らない人同士でも広く長く話題にできるようになりました。さらには、投稿に映るものや投稿日時などにより、“病気なのであればこの投稿時間にここにいるのはおかしい”など、探偵まがいのことも可能で、ある種ゲーム化できてしまう。本来、本人を知らない人にとっては“どうでもいい話”が、良くも悪くもSNSにより風化しなくなり、『答え』を突き止めないと気が済まない心理を増幅させているきらいはあるでしょう」

 また中川氏は、“新型コロナ以降”、一部でますますその傾向が顕著になっていることも指摘する。

「未知なるウイルスだったため、詳細が明かされない病気や体調不良の原因として、コロナ、あるいはワクチンが原因なのではないかという疑念をもつ人たちが登場しました。何か本人たち当事者側に隠すべき不都合があるのでは……というわけです」

 人間、未知なるものは怖い。同様に、知らされないのも“怖い”ため、何とか自分たちなりに『答え』を見つけて、納得したいという気持ちが“モヤモヤ”となり、ネット上に蔓延するのである。

日刊サイゾー

芸能・政治・社会・カルチャーなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト。

Twitter:@cyzo

サイト:日刊サイゾー

にっかんさいぞー

最終更新:2024/10/19 13:00
ページ上部へ戻る

配給映画