『おむすび』第7回 待望のパラパラ登場も、主人公・結に「愛すべき要素」が見いだせない
#おむすび
平成ギャルといえばパラパラなわけですが、NHK連続テレビ小説『おむすび』第7回では、いよいよパラパラが登場しました。ムスビンこと主人公・結ちゃん(橋本環奈)とパラパラとの初邂逅。振り返りましょう。
■あゆ、あゆ、あゆ
書道部のイケメン風見先輩(松本怜生)へのほのかな恋心をきっかけに、すっかり書道の楽しみを覚えた結ちゃん。どんどん上達していますし、なんだか書をしたためていると心が落ち着くような気もしてきました。
そんな書道部に大事なお仕事が舞い込みます。野球部の予選が始まるので、恒例の横断幕作りをすることになったのです。大きな横断幕に文字を書くのは、もちろん風見先輩。結ちゃんたちは、みんなで白い布を縫い合わせて横断幕の下地を作ります。
「みんなでひとつのことやるのって楽しい。もしかして、これが青春ってやつなのかも」
ゴキゲンな結ちゃんでしたが、家に帰ってナス味噌炒めなどを頬張っていると「友達」が訪ねてきます。おばあちゃんやママの様子からすると結ちゃんに訪問者があることは珍しいようですが、その友達はハギャレンの1人でクラスメートのリサポン(田村芽実)でした。いや、リサポンなんだけどリサポンじゃない。すっぴんで地味服の柚木さんとして、結ちゃんを迎えに来たのでした。そう、今日は糸島で開かれるお祭りのためにパラパラを練習する日。バックれる気満々だった結ちゃんでしたが、天神まで連れていかれることになりました。
結ちゃんの家でカリスマギャル・あゆの部屋を目の当たりにした(ドアだけ)リサポンは興奮気味。天神に向かう道すがら、結ちゃんに「あゆってどんな人なの?」「ヤンキーギャル50人を倒したって」「難しいパラパラ一発で覚えたって」と都市伝説を披露。さっそく結ちゃんをゲンナリさせます。
天神に着くと、今度はハギャレンのタマッチ(谷藤海咲)が「あゆの妹ならパラパラ見てすぐ覚えられるだろ」などと因縁をつけてきます。どうやらタマッチ、結ちゃんのことを全然認めてないみたい。
ダンサーだというタマッチとルーリー(みりちゃむ)、スズリン(岡本夏美)が踊るパラパラを、なんとも微妙な表情で見ている結ちゃん。当然、覚えられるわけはありませんが、気に食わないタマッチはどこかへ行ってしまいます。
わざわざ連れ出しといていったいなんなんだという気分で糸島に戻ってくると、今度は駅前でパパ(北村有起哉)が待っています。「心配だったから」「あゆは朝帰りとかしてたから」穏やかな表情で軽トラの荷台に自転車を乗せるよう促すパパでしたが、もう嫌になっちゃった結ちゃんはヘルメットをかぶり、パパをほっといて自転車で帰るのでした。
どいつもこいつも、あゆあゆあゆあゆ、のどかな田園風景に、結ちゃんのむせび泣く声だけが響きます。で、次回へ。
■自転車で整う
『おむすび』では、ひんぱんに結ちゃんの自転車シーンが描かれます。ひとりで自転車に乗って家に帰る畦道が、結ちゃんにとって唯一、感情を解放できる時間のようです。
イケメン先輩といい感じになった日はニヘラニヘラと笑っていますし、ギャルたちと何かあったら怒ったり泣いたり。その回の結ちゃんの感情のダイジェストとして、自転車シーンが配置されているわけです。
今回、正直言って結ちゃんがどういう気分でリサポンに言われるがまま天神に付いていったのか、よくわからなかったんです。パラパラを見て何を感じたのかも、あゆと比較されて何が嫌だったのかもよくわからない。結ちゃんここまで「ギャル大嫌い、お姉ちゃん大嫌い」とセリフでは言ってますが、何がそんなに嫌いだったのかよくわからない。ギャルと打ち解けた日にはお姉ちゃんの部屋で鏡の前に立ってひまわり付けてたりもしたし、そんなに嫌がってる感じがしなかった。
それが、この自転車シーンでの嗚咽によって、ああ、すごく嫌だったんだなとようやくわかった感じ。
もう2週目ですし言っちゃうけど、結ちゃんに愛すべき要素を見出すのがけっこう難しくなってる気がします。流されて書道部、流されてギャル活動、たまに発作的に人助け。むしろ今回は結ちゃんにイラついているタマッチのほうに共感してしまうくらいでした。
これ、ちゃんとおもしろくなるのかな。いよいよ不安が頭をもたげてきましたよ……。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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