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『おむすび』第6回 へこたれないギャル・ルーリー(みりちゃむ)の異物感

橋本環奈

 NHK連続テレビ小説『おむすび』も第2週。サブタイトルは「ギャルって何なん?」ということで、今週は“ムスビン”なるギャルネームを頂戴した結ちゃん(橋本環奈)がギャルについてお勉強していく週になりそうです。

 ハギャレン(博多ギャル連合)総代への誘いはなんとか断ったものの、ギャル4人とお友達になった結ちゃん、今回は、先週展覧会デートをすっぽかした書道部のイケメン・風見先輩(松本怜生)への謝罪からスタートです。

 振り返りましょう。

■やっぱり怪しい風見先輩

 先週末、天神で開かれていた展覧会に誘われ、結果的に2人きりでのデートとなった結ちゃんでしたが、道中、そこらへんにぶっ倒れているギャル・スズリン(岡本夏美)を発見。困っている人がいたら助けずにはいられない結ちゃんですので、先輩をその場にほっぽらかしてスズリンの救助に駆け付けました。

 別に「知り合いが倒れてたから助けに行く」って先輩に言えばいいところですが、ギャルと知り合いだと思われたくない結ちゃん、黙ってその場からいなくなってしまいました。

 後日、そのことを風見先輩に謝罪しますが、風見先輩はイケメン風を吹かせながら「その人が無事ならよかった。展覧会なんかいつでも行けるけん、また機会あったら行こ」とにっこり。結ちゃんは、ますます風見先輩の虜になっていくのでした。

 穏やかで優しくて、気遣いができて、顔面が美しい風見先輩。これ、今のところどういう人物か把握しづらいんです。ドラマが「完全無欠のイケメンってこういう人だろ」と言いたいのか、何か裏があるのか。いやたぶん裏はないんだろうけど、それにしちゃ不自然に穏やかすぎるんだよな。宗教とかDVとか変な性癖とか、風見先輩を見ているとそういう言葉が勝手に頭に浮かんできちゃう。朝ドラだし、そういうことはないんだろうけど。

 それはさておき、結ちゃんのケータイにルーリー(みりちゃむ)から「緊急招集」のメールが届きます。緊急の招集ですから、何か大変なことが起こったと1時間近くかけて天神のいつものゲーセンに駆け付ける結ちゃん。しかし、相手はギャルなのでただ招集をかけただけでした。ギャルの間には「仲間が呼んだらすぐ駆け付ける」という掟があるんだそうで、図らずも結ちゃん、その掟を守ってしまいました。ちなみにそのほか、「他人の目は気にしない、自分が好きなことは貫け」「ダサいことだけは死んでもするな」というのがあるんだそう。結ちゃんは心中「しょーもな」と吐き捨て、ギャルたちに対して「友達になるのはいいけど、絶対に誰にも言わないでください」と念を押します。仲間だと思われたくないみたい。

 けっこうな言い草ですし、ギャルたちも一瞬「はぁ?」となりますが、ルーリーは即座に切り替えて「とりあえずプリ撮ろう~♪」とアゲ~な提案。すぐに空気をとりなして見せます。

 ルーリーがこういうタフさを見せるのは、今回が2回目です。第4回、結ちゃんに面と向かって「みんなどうせ悩みなんてないやろ」と暴言を吐かれた際にも、その言葉を否定することなく、アゲ~なテンションで乗り切っていました。

 その後、平日は書道部、週末はギャル活動をすることになった結ちゃん。書道のほうはイケメンのご指導もあって楽しさを理解し始めますが、ギャルにはやっぱりどうにも馴染めません。

 そんな折、結ちゃんの地元・糸島でお祭りが開かれることになり、ハギャレンがその場でパラパラを披露することになったといいます。しかも、そのお祭りにはテレビの生放送が入るという。当然、参加を固辞する結ちゃんですが「ギャルメイクすればバレない」と説得されたうえ、ルーリーに「家にギャルプリを送り付ける」と脅されてしまって、次回へ。

 家ではパパ(北村有起哉)が心配してるし、パパとおじいちゃん(松平健)は険悪だし、なんだかいろいろめんどくさい感じです。

■みりちゃむが浮いてる

 やっぱり発声とか、セリフ回しという面で、俳優経験のないルーリー役のみりちゃむが浮いて見えます。NHKの朝ドラという世界観に、ひとりだけ溶け込んでないように見える。

 この溶け込んでなさが、むちゃくちゃ効果的な演出になっているように思うんですよね。そもそもギャル以外にとって、ギャルというのは異物なわけです。その異物感に、なんともいえないリアリティが現れているように見える。

 上記、ルーリーがパッと切り替えてアゲ~♪になった2つのシーン、結ちゃんの物言いがあまりにひどくて、画面に緊張感が走るわけです。ほかの3人の役者がやってるギャルは、やっぱりそれなりのリアクションをしている。そういう中で、ルーリーが「アゲ~♪」とやると、そこに緊張と緩和が生まれるんです。

 今はギャルと結ちゃんとしか接点がないルーリーというキャラクターを、いろんな人に合わせてみたくなるんですよ。ギャル嫌いのパパとか、理解がありそうなおじいちゃんとか、別世界の住人である風見先輩とか。

 いろんな人とのシーンが楽しみになるっていうのは、そのキャラクターがめちゃくちゃ魅力的であるということですからね。みりちゃむ、この調子でがんば!

(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2024/10/07 17:00
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