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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『おむすび』第4回「真剣にギャル」の意味

『おむすび』第4回 「真剣にギャルやってる」という言葉の意味と「野球と書道」との対比

橋本環奈

 さて、第3回が終わったところで世論は「中身がない」の大合唱のようです、今期のNHK連続テレビ小説『おむすび』。主人公の結ちゃんこと米田結(橋本環奈)が今のところ、「書道部に誘われたけど、気が進まない」「ギャルサーに誘われたけど、気が進まない」と「気が進まない」ことについてのお気持ちを表明するばかりで、あとはイケメンのパイセンに流し目されてポヤーンとするくらいですから、まあ気長にやっていきましょう。

 振り返ります。

■「真剣にギャルやってる」

 天神で開かれていた書道の展覧会が全然おもしろくないので、部員の面々たちから早々に離脱した結ちゃん。たまたまそこにいたルーリー(みりちゃむ)たちハギャレンに捕獲され、連れ込まれたゲーセンで再び「総代になってよ」と熱烈勧誘を受けています。

 すると、結ちゃんが不良に拉致されて恐喝されていると勘違いしたおじさんの通報によって警察官が到着。おじさんはギャルたちに「社会のクズ」と言い放つなど興奮気味ですが、ギャルたちは取り乱す様子はありません。

 こうした偏見にさらされることには慣れているのでしょう。うんざりした顔で結ちゃんを解放すると、その場を去っていきます。ハギャレンメンバーの1人で、お菓子ばっかり食べてるスズリン(岡本夏美)はどこか体調が悪そうで、結ちゃんもちょっと心配な様子。

 展覧会もおもしろくなかったし、やっぱり書道部に入るのはやめようと思っていた結ちゃんでしたが、翌日、またしてもイケメン風見先輩(松本怜生)に流し目を食らってしまい、ポヤーン。ニッコニコで帰路につきます。

 すると、またしてもハギャレンの4人組が登場。しかも今回は、黒髪ギャルのタマッチ(谷藤海咲)がどうやら結ちゃんにキレているようです。

「うち、あんたの言ったことが許せんのやけど。言ったよねえ、しょうもないって。うちら真剣にギャルやってんのやけど」

 そう結ちゃんに迫るタマッチの表情は、まさしく真剣です。

 これまで、ハギャレン総代への勧誘を曖昧に受け流してきた結ちゃんでしたが、このタマッチの態度にはいよいよカチンと来てしまいました。

「真剣にやるって、何をやるんですか。だらだら集まって、どうでもいい話して」

「そりゃ毎日楽しいでしょうね、みんなどうせ、悩みなんてないんやろ」

 要するに結ちゃんは、「おまえたちは中身がない」と言っているわけです。自分は何がやりたいわけでもなく、イケメンとお近づきになるために書道部に入るかどうかしか目下の悩み事がないわけで、それにしちゃずいぶん他人の生き方に上から目線で意見をたれる結ちゃんでしたが、現リーダーのルーリーはそんな結ちゃんの言葉をあえて否定せず、「ハギャレンを守りたいだけ、うちらここにしか居場所がないから」とだけ語ります。

「だから一緒にギャルやって、超アゲ~になろうよ妹ちゃ~ん♪」

 そこらへんのおじさんに否定されても、カリスマギャルの妹ちゃんに面罵されても、あくまでルーリーは自分らしさを貫きます。

「真剣にギャルやってる」というタマッチの言葉にウソはありませんでした。結ちゃん同様、ギャルたちが何を真剣にやってるのかはよくわかりませんが、何かを真剣にやってることだけは間違いなさそうです。とにかくそんなギャルたちに「ギャル大嫌い、カリスマギャルだったお姉ちゃんも大嫌い」とだけ言い残して、結ちゃんは自転車をこぎ出すのでした。

■恋のお相手たちも真剣です

 結ちゃんの恋のお相手になりそうなのは、言うまでもなく書道部の風見先輩。書道の全国大会で何度も優勝しているそうで、実に真剣に書道に取り組んでいます。

 もうひとり、茨城から越境入学で福岡に来ている「鬼怒川のカッパ」こと四ツ木くん(佐野勇斗)。わざわざ北関東から福岡の強豪校に入学してきたわけですし、いつでもどこでもユニフォーム姿ですから、真剣に野球に取り組んでいることは間違いないでしょう。

 風見先輩は真剣に書道やってる。カッパは真剣に野球やってる。それは誰の目にも明らかだし、とてもわかりやすい価値観です。書道にも野球にも大して興味のない結ちゃんも、彼らに対して「だらだら集まって、どうでもいい文字書いて」とか「だらだら集まって、どうでもいいボール追っかけて」とか言いません。

「そりゃ毎日楽しいでしょうね」

「悩みなんてないんやろ」

 そんなことは言いませんし、思ってもいません。

 書道や野球には価値があって、ギャル活動には価値がない。そういう結ちゃんの価値観が明確に描かれた回となりました。

 それに並行して、農家である結ちゃんの家での規格外の野菜についてのエピソードが語られました。散髪屋から震災を機に実家の農家に転じた父(北村有起哉)は、曲がったり変形してたりという規格外の野菜は「クズ」だと言い価値をつけようとしません。一方、生粋の農家である祖父(松平健)は規格外の野菜を「宝物」だと言い、街角で売りさばくことで価値をつけていきます。

 規格外の野菜だって、めちゃくちゃ美味しいし栄養もあることは結ちゃんも知っている。まずは結ちゃんが、ハギャレンの言う「真剣にギャルやってる」という言葉の意味をどう理解していくのかというところに注目していきましょう。何やってんのか知らんけど、たぶん「真剣」であることは本当だからね。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

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最終更新:2024/10/03 18:00
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