人気沸騰中『極悪女王』で主人公の“敵役”だったクラッシュ・ギャルズの気になるその後
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ヒールレスラーとして一世を風靡したダンプ松本の半生にスポットを当てたNetflixのオリジナルドラマ『極悪女王』が話題となっている。
ダンプの生き様とともに、当時絶大な人気を集めた長与千種とライオネス飛鳥による人気タッグチーム、クラッシュ・ギャルズなど1980年代の全日本女子プロレス(全女)の内幕を描いた同作は、9月19日に配信がスタート。同じく話題作となっていたオリジナルドラマ『地面師たち』を抜いて、Netflixの「今日のTV番組TOP10(日本)」でトップに躍り出た。
芸能ジャーナリストの平田昇二氏は語る。
「ダンプさんの壮絶な半生に関しては過去にも書籍や『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)などでも取り上げられていましたが、今回は企画、脚本を人気放送作家の鈴木おさむさんが、監督を映画『凶悪』(2013年)や『日本で一番悪い奴ら』(16年)などの作品で知られる白石和彌さんが務めて見事に映像作品化されました。配役に関してもダンプ役に人気お笑い芸人のゆりやんレトリィバァさんを起用。『クラッシュ・ギャルズ』の2人を、20年にオスカープロモーションから独立した剛力彩芽さん、同年に東出昌大さんとの不倫騒動で世間を騒がせた唐田えりかさんが演じるということでクランクインの時から話題となっていましたが、3人の体を張った熱演も高い評価を受けています」
もっとも、作品が公開されるまでの間には紆余曲折もあったようだ。
「スーパーバイザーを務める長与さんの指導のもと、ゆりやんをはじめとするレスラーのキャスト陣は撮影に向けて2年近くもの間、女子プロレス団体『Marvelous』の道場に“入門”してプロレスを基礎から学びました。その結果、劇中ではほぼノースタントで臨場感あふれる試合シーンの再現に成功しているわけですが、22年10月にはゆりやんの負傷で撮影が一時ストップしたことが明らかに。当初予定されていた、クラッシュ・ギャルズの40周年にあわせた昨年から少し遅れての配信となりました」(映画担当記者)
とはいえ、現在の作品を取り巻く盛り上がりを見るに、配信の多少の遅れはほとんど影響がなかったといってもよさそうだ。
そんな『極悪女王』は、1988年2月にダンプの引退試合として行われたダンプ・大森ゆかり組vsクラッシュ・ギャルズのタッグマッチがクライマックスになっている。
史実ではその後、翌89年に長与が、90年に飛鳥がそれぞれ引退したことでクラッシュ・ギャルズは解散となる。解散後、「全女」はブル中野やアジャ・コング、北斗晶らレジェンド級のレスラーを輩出したが、その一方で歌手活動も行い発売する曲がヒットするなど、プロレスの枠を超えてトップアイドル並みの人気を博したクラッシュ・ギャルズの人気を凌駕するほどのスターは輩出できなかった。
「80年代、『全女』は会社の上層部の方針で『25歳定年制』を敷いていました。それに、稼ぎに見合うほどの給料をもらえなかったこともあり、ダンプ、長与、飛鳥とスター選手が相次いで引退します。その後、3人とも生活のためにプロレス界に復帰するのですが、『全女』ではない別の団体を主戦場にしたことで、女子プロレス界が多団体時代に突入していきます」(プロレスライター)
クラッシュ・ギャルズに関しては99年、飛鳥は長与が旗揚げした団体「GAEA JAPAN」のマットに登場し、翌00年5月、同団体の5周年興行で「クラッシュ2000」として復活し、往年のファンを歓喜させた。そして、05年4月3日、神奈川・横浜文化体育館(現・横浜BUNTAI)で行われたファイナルマッチ&ライオネス飛鳥の引退試合により、「クラッシュ2000」を永久封印することとなる。
「『GAEA JAPAN』では“プロレスの天才”と呼ばれた長与が新弟子を一から育て上げて英才教育を施していました。そのため、『新たなスターが誕生するのでは?』と期待されましたが、残念ながらかつてのクラッシュ・ギャルズのような業界の枠を超えるスター選手は育たず、徐々に集客にも苦戦するようになり、やがて解散。長与は『“クラッシュ”が復活する時は“GAEA”がつぶれる時』と弟子たちに発破をかけて成長を期待していましたが、結果的に飛鳥の引退試合の数日後、『GAEA JAPAN』は解散してしまいましたね」(同プロレスライター)
昨年10月に開催され、『極悪女王』で長与役を唐田、飛鳥役を剛力が演じることも発表された『CRUSH GALS 40TH ANNIVERSARY SPECIAL LIVE- THE TOP-』では、久々に揃い踏みを果たしたクラッシュ・ギャルズの2人。
今回の『極悪女王』のヒットを受けて、ダンプとともにその注目度が高まる中、プロレス界に新たな旋風を巻き起こしてほしいものだ。
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