角田夏実、出口クリスタ…パリ五輪の柔道メダリストたちが地上波で活躍できる本当の理由
#パリ五輪 #角田夏実 #出口クリスタ
パリオリンピックが閉幕してから約1カ月あまりが経過し、地上波テレビでは、メダリストたちがさまざまな番組に登場してお茶の間を楽しませている。そんななか、メディア露出が目立っているのが柔道勢だ。
バラエティー番組への出演が特に多いのは、柔道女子48kg級で金メダルを獲得した角田夏実だ。『有吉ゼミ』(日本テレビ系)、『今夜はナゾトレ』(フジテレビ系)、『究極の2択SHOW! THE ハイ&ロー』(TBS系)、『ぽかぽか』(フジテレビ系)、『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)などに出演。メダリストとして五輪の裏側をトークするだけでなく、クイズ番組などにも登場し、その活躍はもはやバラエティータレントだ。
そのほかにも、カナダ代表として女子57kg級に出場し金メダルを獲得した出口クリスタも『ぽかぽか』(フジテレビ系)、『今夜はナゾトレ』(フジテレビ系)などに出演。10月1日放送の『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)では、角田と出口が揃って出演となった。
数多くのメダリストがいるなか、柔道選手のテレビ番組出演が多いのは、どういった事情があるのだろうか。
「まず、柔道がチーム競技ではなく、個人競技であることが大きいですね。練習に時間を割くのか、メディア活動に時間を割くのか、そのあたりの判断を選手個人で下せるのが柔道。自分が練習しなくても他の選手に迷惑がかかるようなこともないので、メディアでの活動に力を注ぐことができるというわけです」(スポーツライター)
一方、角田や出口と同様に、テレビ番組への出演が多い柔道男子100kg級のウルフ・アロンは、2025年6月の全日本実業団体対抗大会をもって現役を引退することを明らかにしている。
「ウルフ・アロンは、引退後を見据えてメディア出演を増やしているということもあるでしょう。また、出口についてもパリ五輪を区切りとして、当面休養すると発表していますし、メディアに出やすい状況にあるのも事実です。さらに、角田については現在32歳で、現役の選手としてはそろそろピークを過ぎるところ。第2のキャリアを念頭に置きつつ、メディアに進出している側面もあるでしょう」(同)
角田や出口が2028年のロス五輪を目指すか否かは不明だが、いまメディアでの活動を優先していたとしても、4年後には余裕で間に合う事情もあるという。
「柔道における五輪出場選手の選考は、大会の2年前くらいから大会直前までの予選期間における世界ランキングで決まります。つまり五輪出場を目標とするなら、前回大会が終わってからしばらくは休むことも可能です。たとえば東京五輪で金メダルを獲得したウルフ・アロンは、大会後メディア出演を増やした一方で、柔道に対するモチベーションが下がり、試合で結果が出ない時期がありました。しかし、パリ五輪出場を目標として予選期間で調子を戻し、100kg級の代表に選ばれたという経緯もあります。角田や出口が今後どのような道に進んでいくかはわかりませんが、これから1年ほどメディア活動に力を入れて、選手としての活動のペースを落としていたとしても、代表選考の予選期間に調子を上げれば問題ない。そういったことも、柔道選手がテレビ番組に出やすい理由となっています」(同)
柔道界全体に対しても、メダリストがメディアで活躍するメリットは大きい。
「日本の柔道は世界トップクラスであることは言うまでもないのですが、日本国内で柔道が国民的スポーツになっているかと言われると、それほどでもない。パリ五輪の柔道団体で優勝したフランスの方が、国民からの人気は高いと言われてしまうほどです。日本柔道界にとっては、打倒フランスという目標もありますし、いまよりももっと日本国内での柔道人気を高めて、全体のレベルを上げていきたいという狙いがある。そういったなかでメダリストが地上波テレビで活躍すれば、競技の認知度が高まるというポジティブな効果が見込めるわけです。角田や出口、そしてウルフといった選手はトークも上手く、キャラクターも親しみやすく、柔道の“広報”担当としては適任でしょう」(同)
角田や出口はインスタグラムへの投稿が話題になることも多く、アスリートとしてだけでなく、等身大の女性としても支持され始めている。今後も、才能豊かな柔道家たちが、メディアで大活躍し続けることとなりそうだ。
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