トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『スオミの話をしよう』の辛辣評価

長澤まさみ『スオミの話をしよう』がヒットするも映画賞での評価が厳しそうなワケ

長澤まさみ『スオミの話をしよう』がヒットも映画賞での評価が厳しそうなワケの画像1
長澤まさみ

 女優・長澤まさみが主演を務める三谷幸喜氏脚本、監督の映画『スオミの話をしよう』が好調ぶりをキープしている。

 9月13日から15日の「国内映画ランキング」(興行通信社提供)では、初日から3日間で動員31万3000人、興収4億3900万円をあげて初登場1位に。月曜日の祝日を含む公開4日間の累計成績でも動員43万1000人、興収5億9700万円とこちらも快調だ。

 同映画は著名な詩人の妻・スオミが行方不明となり、詩人の豪邸にスオミの過去を知る元たちが集まるミステリーコメディー。現夫を坂東彌十郎が、4人の元夫を西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一、小林隆がそれぞれ演じている。

 同映画がスタートダッシュに成功した背景について、芸能ジャーナリストの竹下光氏は語る。

「これまで映画でも実績のある三谷氏の作品ということに加えて、製作・配給は業界大手の東宝で371館の大規模公開。さらに、過去の三谷作品と同様にフジテレビも出資しており、映画の公開のタイミングで三谷氏の本格的なドラマデビュー作である『振り返れば奴がいる』を同局が放送し、話題を呼ぶなどバックアップ体制も万全でした。おまけに、三谷氏が報道番組『情報7daysニュースキャスター』にレギュラー出演している縁で、TBSも映画の宣伝に協力していましたし、公開を控えたタイミングでの派手な宣伝活動も功を奏している印象です」

 そんな同映画だが、“数字”の良さの一方で作品に対する評価はインターネット上でも賛否の分かれるものとなっている。「めちゃ笑った笑。期待を裏切らない面白さ」や「ラストまでめっちゃ声出して爆笑してました」といった高評価はごく少数。

「映画じゃなくても良いような…苦笑はあるが爆笑はなし」や「多分これは舞台でやったら面白かったんじゃないかと思います」といった手厳しい声が目立った。

 中には、「長澤まさみのPVだった」「これまでの作品のようなユーモアは全く感じず、ただただ監督の自己満足で終始」といったかなり辛辣なものもある。

 映画ライターもこう話す。

「劇中でなかなか長澤が出て来ないので“出る出る詐欺”ではないかと思いました(苦笑)。いざ出て来たら、長澤の魅力がいかに観客に伝わるかを意識した場面ばかりで、夫と元夫役はまるで“添え物”のような感じ。最後になってようやくタイトルの意味や伏線が回収されるのですが、それまでの展開が退屈で、終盤のミュージカルも謎でした」

 近年は人気ドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジ系)シリーズが話題を集めた長澤だが、映画女優としても2020年公開の映画『MOTHER マザー』では自堕落な母親役を演じて新境地を開拓して日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞に輝き、19年公開の『キングダム』でも最優秀助演女優賞を受賞するなど存在感を放っている。

 となると、今作での映画賞獲得も期待が持てそうだが、実際のところはかなり厳しそうだという。

「現状、今年公開の作品を対象とした各映画賞の主演女優賞の有力候補となっているのは、大ヒット公開中の『ラストマイル』の満島ひかり、『あんのこと』、『ナミビアの砂漠』の河合優実です。それに、主演にもかかわらず出番が極端に少なかった『スオミの話をしよう』の長澤に関しては映画賞の候補にすらあがらないでしょうし、そもそも各映画賞はこれまで三谷作品をあまり評価してこなかったですからね」(同映画ライター)

 三谷氏といえば、映画の公開前の宣伝の際にはやたらと自身の“長澤まさみ愛”を強調していたが、今作に関してはあふれんばかりの愛情が裏目に出てしまった部分もあったのかもしれない。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2024/09/30 09:00
ページ上部へ戻る

配給映画