『バズ・ライトイヤー』興行的に低迷し、『SHOGUN』で巻き返し図るディズニー
#Shogun #バズ・ライトイヤー
自社のことしか考えなくなったディズニー
映画業界は大きく変わりつつあります。つい最近まではレンタルビデオ店に行けば、ディズニー&ピクサーの新作アニメがずらりと並べられていました。しかし、『バズ・ライトイヤー』をはじめとする新作が、レンタルビデオ店に並ぶことは少なくなりました。
音楽業界がCD制作をやめて配信のみに切り替えているように、ディズニーも映像のソフト化をやめる方向に向かっています。日本でのソフト製造と販売は、今年からハピネットファントム・スタジオへ外部委託しています。採算が合わないようなら、ソフト化されない作品も出てくるでしょう。
DVDやブルーレイでディズニーやピクサーの作品を観ることができなくなったら、どうすればいいのか? ディズニーのネット配信「ディズニープラス」に加入するしかなさそうです。また、最近のディズニーは、劇場公開よりもディズニープラスでの配信により力を注いでいます。劇場側と入場料を折半するよりも、ディズニープラスでの配信のほうが丸々儲けになるからです。
マーベル制作、ディズニー配給のスカーレット・ヨハンソン主演映画『ブラック・ウィドウ』(2021年)がコロナ禍で公開された際、ディズニーは劇場公開と同時に配信にも踏み切りました。しかも、通常料金にプラス30ドルという強気の料金設定でした。
これまでディズニーに長年にわたって協力してきた映画館やレンタルビデオ店は、ディズニーの自社のことしか考えない方針には反発を覚えています。
エミー賞独占の『SHOGUN』は、低調な配信業務の起爆剤
真田広之が主演&プロデュースした大型時代劇『SHOGUN 将軍』が、エミー賞最多18部門を制したことが大きなニュースになりました。SNS上には「日本の誇りだ」と称賛する声が溢れましたが、肝心の『SHOGUN』を日本で視聴するには、ディズニープラスに加入するしかありません。米国では有料チャンネルのFXで放映された『SHOGUN』ですが、FXもディズニーが買収したグループ会社のひとつです。
1話につき10億円近い制作費が投じられたという超ゴージャスな『SHOGUN』ですが、ディズニープラスの加入者がなかなか増えない日本マーケットにおける抜群のプロモーションになったのは確かでしょう。プロモーション込みで考えれば、莫大な制作費もそう高いものではないのかもしれません。
2023年10月から、日本では「東京ディズニーリゾート」の大人の入園料が時期によっては1万円以上に値上がりしました。そのこともあって、若い世代の「ディズニー離れ」が起きつつあるといわれています。ディズニーが独占支配体制を今後いっそう強めれば、ディズニー離れはますます加速するのではないでしょうか。
ディズニープラスに加入しないと視聴できないディズニー作品も、高い入場料を払うディズニーランドも、下流市民の手には届かないものになりつつあるようです。
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