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真田広之『SHOGUN』大快挙の裏にある、かつて出演したハリウッド大作での“無念”

真田広之『SHOGUN』大快挙の裏にある、かつて出演したハリウッド大作での無念の画像1
真田広之(写真/Getty Imagesより)

 米テレビ界最高の栄誉とされる「第76回エミー賞」の発表、授賞式が9月15日(日本時間16日)にロサンゼルスで開催され、真田広之が主演し、プロデュースも手掛けたドラマシリーズ『SHOGUN 将軍』が作品賞や真田の主演男優賞など18冠を獲得した。

日本の戦国時代を舞台にした同作は、関ケ原の戦い前夜の武将らの人間ドラマを描き、真田は徳川家康がモデルの武将・吉井虎永を、主演女優賞を受賞したアンナ・サワイは虎永の家臣となった英国人航海士・按針の通訳を担った鞠子を演じた。

 受賞のスピーチで真田は、「とても難しいプロジェクトでしたが、全員が一致団結しました。私たちは全員で奇跡を作ることができました。そして我々はともにより良い未来を作ることができます。本当にありがとう!」と英語で喜びをあらわにした。

 日本のメディアの取材に対しては、「次の世代には、私たちのノミネートや受賞に多くの意味を見出してほしいです。そして、世界と本当に通じ合えるような日本の時代劇シリーズを作り上げたという事実を理解してくれることを願っています」と業界の後輩たちの奮起に期待を寄せた。

 映画業界関係者は明かす。

「『SHOGUN』は今年2月にディズニープラスにて世界配信がスタートしたときからかなり好調だった。製作のウォルト・ディズニー・カンパニーは同ドラマの第2、第3シーズンを製作し、主演である真田を続投させることを早くも5月の時点で発表。事前に開催された『クリエイティブ・アーツ・エミー賞』での14冠とあわせて計18部門で受賞を果たし、『エミー賞』史上最多記録の18冠という快挙を達成。おそらく、続編の製作費は増額されてキャストは豪華に、ロケはさらに大規模なものになるのではないか」

 真田は故・千葉真一さんの愛弟子として知られ、「ジャパンアクションクラブ(JAC/現ジャパンアクションエンタープライズ)」でアクションのスキルを磨き、数々の映画、ドラマに出演して俳優として日本国内で確固たる地位を築いた。

 芸能ジャーナリストの平田昇二氏は語る。

「真田さんはスカウトがキッカケで子役としてデビュー。その後。千葉さんと出会い、中学入学と同時に『JAC』に入団し、アクションなどの英才教育を受けます。ヴィジュアルの良さと『JAC』仕込みのアクションや日本舞踊で培った体さばきを活かし、『柳生一族の陰謀』や『忍者武芸帖 百地三太夫』、『魔界転生』、『里見八犬伝』など数々の映画で活躍。『影の軍団』シリーズや『こんな恋のはなし』や『非婚家族』(ここまで全てフジテレビ系)、『高校教師』(TBS系)などドラマ作品でも存在感を放ち、1991年放送のNHK大河ドラマ『太平記』では主演を務めています」

 他方、早くから師匠である千葉同様に世界進出を目指し、2003年公開のトム・クルーズ主演のハリウッド映画『ラスト サムライ』に出演。ロサンゼルスに拠点を移して主に米国映画に出演してきたが、同作が大きな転機となるとともに、将来に向けての奮起に繋がった。

「ハリウッドでは大スターのトム・クルーズだが、日本独自のアクションの経験に乏しく、殺陣、所作、乗馬などから学ぶ必要がありました。それを手取り足取り指導したのが真田さんでした。もっとも、同作で日本人として脚光を浴びたのは体格に恵まれ、スキンヘッドの髪形が印象的だった渡辺謙さんの方でした。おまけに、真田さんには当初トムよりも目立つ殺陣シーンなども用意されていたのですが、それもバッサリとカットされてしまった。真田さんは、その時の悔しさをかみしめながら、『いつか、自分の好きなようにやってみたい』と話していたのだとか。21年の時を経て、その思いがついに開花した格好です」(ベテラン映画記者)

 今回の快挙により、真田はその名を一躍世界にとどろかせることとなったが、今後の活躍に注目が集まる。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2024/09/21 12:00
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