伊藤健太郎、『静かなるドン2』主演も「原作読まない主義」発言の正論とブーイング
#伊藤健太郎 #静かなるドン
「最初は原作も読まなかったです。ある程度、自分の中で静也をつかめたタイミングで1、2話を読んだくらいです。自分が静也をやらせてもらう意味をもたせ、令和時代の『静かなるドン』を作りたかったんです。他の作品を意識してしまったら、違ったものになってしまうと思ったんです」
映画『静かなるドン2』(前編9月13日、後編9月27日公開)で主演を務める俳優・伊藤健太郎がウェブメディアで語った冒頭の発言が物議を醸している。
『静かなるドン』(実業之日本社)は累計発行部数4600万部を超える新田たつお氏の同名人気コミックが原作だ。昼は下着会社の社員デザイナー、夜は広域暴力団・新鮮組の総長という2つの顔を持つ近藤静也(伊藤)が、ヤクザの抗争終結に向けて奮闘する物語で、過去には1994~95年に中山秀征主演でドラマ化、2000年に香川照之主演で映画化もされている。
映画ライターは明かす。
「伊藤は香川版の映画も観ておらず、自身の当たり役となったドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)も原作コミックは読まずに臨んでいたことを明かしています。原作に対してのリスペクトは大事にしたいと前置きしつつも、『生身の人間がやるなら、いい意味で原作を超える部分を作っていかないと』と、あえて原作を読まない主義を貫いているようです」
だが、伊藤のこの発言を受けてインターネット上ではブーイングの嵐。
「誰もうれしくない発言」「原作者が『じゃあ、やるなよ』と思うはず」など、不快感を示す声も多い。
もっとも、“原作を読む、読まない問題”は俳優間でも意見が割れるようだ。
「コミック原作の実写作品の出演が多い鈴木砂羽は『世界観を壊さないようにすごく緊張するし、ファンの方の期待に応えたいと努力する』と語り、ベテラン俳優の上川隆也も『原作ありきの役に臨むときは作品へのリスペクトを忘れない』との姿勢です。その一方で、妻夫木聡は『原作に近づくかってことが、実写化においてそんなに重要なことなのか』と俳優視点で疑問を投げかけ、真木よう子も『(原作を)読んでしまうと、どうしても脚本にケチを付けたくなる』と原作を読まない主義であることを公言しています」と語るのは前出の映画ライターだ。
そのうえで、こう続ける。
「映画『実写版 テニスの王子様』(2006年)や『キングダム』(19年)など数多くの実写化作品に出演している本郷奏多は外見だけでなくしゃべり方や表情、笑い方、所作など原作を意識した徹底した役作りで原作ファンからとくに厚い信頼を得ています。コミックの実写化を巡っては原作との乖離(かいり)を生んだドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系)騒動も記憶に新しいですし、やはり“原作に寄せつつ自分を出す”が役者のスタンスとして王道のような気がしますね」
近年は何かと話題に上がる人気漫画や映画の実写化だが、芸能ジャーナリストの平田昇二氏はこう語る。
「人気原作の実写化作品は是非は別としてスポンサーがつきやすく、話題性もあり、原作ファンの存在など、ある程度の売上や利益が見込めるといった商業的なメリットから映画業界やドラマ業界では重宝されています。制作の前提として原作に寄せた作品にすることを求められているわけで、“演じる前からイメージに囚われないように過去の実写化作品は観ない”というのならまだしも、少なからず原作に関しては勉強した方がいいと思いますけどね」
そもそも、『静かなるドン2』に関しては、主人公の近藤静也役におよそ原作の風貌のイメージとは似つかわしくない長身でスタイリッシュなイケメンの伊藤をキャスティングしている時点で、制作サイドからは原作リスペクトよりもビジネス的な匂いも感じられるが、果たしてヒットを飛ばすことができるのだろうか。
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