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『金ロー』を独自視点でチェック!【8】

『トイ・ストーリー3』大人も楽しめる感動作、これで終われば完璧な三部作だったが…

『トイ・ストーリー3』大人も楽しめる感動作、これで終われば完璧な三部作だったが…の画像1
『トイ・ストーリー4』のパネル(写真/Getty Imagesより)

 おもちゃの世界を通して、人間社会の実相を描いてみせたのが、ピクサー・アニメーション・スタジオ制作のCGアニメ『トイ・ストーリー』シリーズです。第1作『トイ・ストーリー』(1995年)では、自分は唯一無二の存在だと思い込んでいたアクション人形のバズ・ライトイヤーが、工場で大量生産された商品のひとつに過ぎないと知り、ショックを受けます。家族のもとを離れ、社会人デビューした際に、誰もが似たような体験を味わったのではないでしょうか。

 大人が観ても充分に楽しめる『トイ・ストーリー』シリーズの中でも、『トイ・ストーリー3』(2010年)は感動作として有名です。日本国内だけでも興収108億円の大ヒットを記録しました。9月20日(金)の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では、『トイ・ストーリー3』を放映します。『となりのトトロ』(88年)のトトロがゲスト出演し、マーゴット・ロビー主演作『バービー』(23年)として実写化されるバービー人形の活躍も見ものです。

 SF映画『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(80年)など、名作映画のパロディがふんだんに盛り込まれた前作『トイ・ストーリー2』(99年)から、約10年。カウボーイ人形のウッディ、スペースレンジャーのバズ・ライトイヤーたちは、おもちゃなのでそのままの姿ですが、彼らの持ち主であるアンディ少年は、17歳の若者に成長しています。大学進学に伴い、実家を離れることも決まっています。おもちゃで遊ぶことはすっかりなくなりました。

 おもちゃたちは自分らがこれからどうなるか心配でなりません。不用品として処分されるのか、それとも屋根裏部屋へと追いやられるのか。いずれにしろ、子どものイマジネーションの世界で一緒に遊ぶことを生きがいとしている彼らにとっては、寂しい未来しか待っていません。

 結局、アンディのお気に入りのウッディだけは大学に連れて行かれることになり、バズやカウガール人形のジェシーたちは、屋根裏部屋送りとなります。運がよければ、アンディに子どもができた際に、また遊んでもらえるはずです。そう納得するしかありません。

 ところが、アンディの母親の勘違いで、バズたちは廃棄物扱いされてしまいます。ウッディも窮地に陥った仲間たちを見捨てられず、共に近所の保育園・サニーサイドへ逃げ延びることを選びます。ここなら、子どもたちと永遠に遊び続けることができるはず。おもちゃたちにとっての「理想の楽園」のように感じる、バズたちでした。

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