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【夏ドラマ】『ブラックペアン2』最終回目前で天城と渡海の“ボタンの掛け違い”は修正できるのか

【夏ドラマ】『ブラックペアン2』最終回目前で天城と渡海のボタンの掛け違いは修正できるのかの画像1
二宮和也

 日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)の第8話が9月1日に放送された。これまでの華麗かつ痛快な天城(二宮和也)の独壇場から一転、まさかの絶体絶命の事態に。救世主として現れたのは、姿をくらませていたあの“悪魔”だった。

 大金を見返りに医療ミスを帳消しにする天才医師・渡海(二宮和也)の生き様を描いた日曜劇場『ブラックペアン』(2018年)の続編にあたる同作。新たな主人公は、“神に愛された悪魔”の異名をもつ天才医師・天城。天城と渡海には共通点が多く、ルックスは瓜二つで世界最高峰の手術スキルをもち、金へのこだわりが強い。だが、2人の関係性はいまだ謎となっていた。天城は東城大学医学部付属病院の新病院「スリジエハートセンター」のセンター長になるべく来日し、天城のみが扱える心臓冠動脈バイパス術「ダイレクト・アナストモーシス」を駆使して高難易度手術を次々に成功させていく。「スリジエハートセンター」設立が現実味を帯びるなか、天城は秘密裏に東城大に保管される『医療事故調査報告書』を調べる。天城が東城大に来た“真の目的”は新病院の設立ではないのか。そして、天城と渡海の関係とは……。

 第8話で明らかになったのは天城と渡海の関係で、実は双子だったのだ。天城は兄、渡海は弟。しかし、渡海は心臓の冠動脈疾患を抱えており、渡海が3歳の時に手術を受けるも難航。苦肉の策として、健康体として生まれた天城の内胸動脈を渡海に移植したのだ。この移植は違法行為であり、その秘密を守り通すために意図的に家族と引き離された天城。そんな天城も渡海と同じ冠動脈疾患を発症し、30年以上たった今も完治せず、病は着実に天城をむしばんでいた。これまで飄々と振る舞っていた天城だが、壮絶な人生を歩んでいたことになる。“神に愛された悪魔”の陽の一面と陰の一面を演じ分けた俳優・二宮和也の演技力に圧倒された。

 そんな天城の病を治す方法は、「ダイレクト・アナストモーシス」のみ。天城の専売特許である心臓冠動脈バイパス術を天城に施すために立ち上がったのは、東城大学医学部付属病院の院長・佐伯(内野聖陽)、最新医療AI「エルカノ2」だけではなかった。そう、天城の弟であり“もう一人の天才医師”渡海も緊急参戦。天城の心機能が低下するなか、渡海は手術を成功させるためにやってきたのだ。しかし、渡海は「ダイレクト・アナストモーシス」ができるかを問われると、「やりませんよ、あんなギャンブルみたいなもの」とバッサリ。そうなると、渡海をもってしても天城を救うことはできないのか。はたまた、渡海は「ダイレクト・アナストモーシス」に代わる新たな心臓冠動脈バイパス術を行えるのだろうか。次回第9話は冒頭から緊迫感あふれる展開になりそうだ。

 最終話が迫るなか、『ブラックペアン シーズン2』には回収されていない謎は多い。天城が運を重視する理由、「ダイレクト・アナストモーシス」誕生のエピソード、天城が東城大の『医療事故調査報告書』を調べていた理由……。最終話に向けて第9話では謎が次々と明らかになることを期待したい。

 そして、視聴者が最も気になるのは天城と渡海の今後だろう。常に目の異変を気にしていた佐伯だが、状態は悪化している。東城大学医学部付属病院の院長職を佐伯から渡海が引き継ぎ、「スリジエハートセンター」センター長の天城との“天才兄弟コンビ”で東城大を支えていくとなれば胸アツの展開となるのかもしれない。ただ、ハッピーエンドの前には、幼くして家族と離れ離れとなり病を抱えることになった天城と、天城からもらった内胸動脈のおかげで生き長らえた渡海の壮大なボタンの掛け違いを修正する必要があるだけに、濃厚な人間模様が描かれるであろう第9話は見逃せない。

■番組情報

日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』
TBS系毎週日曜21時~

出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな、キム・ムジュン、田中みな実、石坂浩二、趣里、段田安則、小泉孝太郎、内野聖陽 ほか

原作:海堂尊「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」(講談社文庫)
脚本:槌谷健、守口悠介 ほか
音楽:木村秀彬
主題歌:小田和正「その先にあるもの」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監修:山岸俊介(イムス東京葛飾総合病院)
プロデュース:伊與田英徳、武藤淳、佐久間晃嗣
演出:西浦正記、加藤亜季子、伊東祥宏
製作著作:TBS

公式サイト:https://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2024/09/08 09:00
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