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『24時間テレビ』チャリティーマラソン完走のやす子、日テレの救世主が今後目指す「生存戦略」

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日本テレビ

 迷走台風が直撃するトラブルに見舞われながら、やす子が見事、大仕事をやり遂げた――。

 8月31日から9月1日に放送された『24時間テレビ』(日本テレビ系)で、やす子は番組恒例のチャリティーマラソンに挑戦。台風の接近により、予定されていた市民ランナーの参加は中止となったものの、やす子は一人で日産スタジアムのトラックをグルグル周り続けた後、スタジアムを出て日本武道館に向かい、放送時間内にゴールした。

「毎回、高視聴率を獲得する『24時間テレビ』ですが、今回は番組終了の危機にさらされた上での放送でした。昨年11月、系列地方局の社員が寄付金を長年にわたり着服していたことが発覚。完全に終わりかと思われましたが、日テレは丁寧に番組の意義を説き、番組タイトルも『愛は地球を救う』から『愛は地球を救うのか?』に変えて番組継続を決めました。結果は寄付金が4億円を超え、やす子がゴールした後の視聴率は25%を突破。日テレの人間はホッと胸をなでおろしたことでしょう」(キー局関係者)

『24時間テレビ』については、これまでも「感動ポルノ」「偽善」といった批判は多かったが、寄付金の着服という最悪の不祥事を経ても、世は『24時間テレビ』を“許した”ということになる。勝因は、マラソンランナーの人選が絶妙だったということに尽きる。

「過去のチャリティーマラソンのランナーは、常に『なぜこの人が?』という疑問がありました。一応その時に旬な芸能人であるとか、日テレの番組のレギュラーであるといった理由で選ばれていましたが、見ている側にしてみれば、スポーツに関して素人の人間が無理やり走っているだけ。その点が番組への不信感を呼んできた一因でしたが、やす子は児童養護施設出身で、今回は寄付金が施設のために使われると明確にすることで、不透明さを払拭した形です」(同上)

 かくして日テレの救世主となったやす子。ともすれば“一発屋”の雰囲気も漂う彼女だが、これで芸能生活は当分安泰だ。

「日テレにとって『24時間テレビ』は『箱根駅伝』と並ぶ2大看板番組。その1つが終わるピンチを1人で救ったやす子の功績は計り知れません。もともと日テレはお気に入りのタレントを囲い込むのが得意で、歴代のマラソンランナーにもエド・はるみ、イモトアヤコ、みやぞん、ブルゾンちえみ(現・藤原しおり)など、日テレの番組から人気が出た人物を起用してきましたが、やす子は『ぐるナイおもしろ荘』(日本テレビ系)でブレイクのきっかけをつかんだ生粋の“日テレっ子”。これまでも出演番組は8割方が日テレでしたが、いよいよ囲い込みは激しくなりそうです」(広告代理店関係者)

 今回のマラソンで好感度がいよいよ爆上がりしたやす子。しかし、「はい~~」という決めフレーズと“良い人”というキャラだけで芸能界という大海を泳いでいけるのか?

「ヒントになるのは、結果的にフワちゃんの大炎上を招いた『オリンピック 生きてるだけで偉いので皆 優勝でーす』というSNSへの投稿です。恵まれない境遇で育ち、見るからに純朴なやす子は、常に前向きなメッセージを発信し続けることで多くの人に支持されてきました。松岡修造やティモンディのようなポジティブキャラは、芸能界では意外と数が少ない。彼女の場合、そのキャラに嘘は無さそうで、これは絶対的な強みです。過去のマラソンランナーを見ると、参考になりそうなのは林家たい平。たい平は2004年に『笑点』のレギュラーになり、2016年に100kmマラソンに挑戦して一気に人気と知名度を上げましたが、ブログに不平不満が飛び出すことは滅多になく、感謝の言葉やポジティブなメッセージばかり発信し続けています。正直、面白みには欠けますが、ネガティブな情報に一切触れたくないという人は非常に多い。炎上リスクが無いのはスポンサーもウェルカムですから、やす子には今後、CMやイメージキャラなどの仕事が次々と舞い込むことでしょう」(同上)

 放送後、マラソンのギャラについてXで「1銭もいただいてないですよ!」と明言したやす子。つらいマラソンを乗り切ったご褒美は、今後しっかり手にすることになりそうだ。

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2024/09/04 09:00
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