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『24時間テレビ』やす子、自らの申し出でノーギャラと明かすも…「通常はギャラあり」明確化で物議

日本テレビ

 先日放送された日本テレビ系チャリティー特番『24時間テレビ』でチャリティーランナーを務めたピン芸人・やす子が、ネット上で流布された「ギャラ1000万円」説を否定。自らの申し出でノーギャラで走ったことを明かしたが、これにより「通常は出演者にギャラが支払われている」という事実が浮き彫りになり物議を醸している。

 やす子は高校生のころに児童養護施設で暮らしていた過去があり、施設のことを少しでも知ってもらうためにチャリティーマラソンに挑戦。台風の影響で日産スタジアムのトラックを75周回ってから両国・国技館へ向かうという異例のコースとなったが、2日間で合計80キロ超を走破し、募金総額4億3801万4800円が集まった。これは全額が児童養護施設のために使われる。

 感動的なフィナーレとなったが、放送後にSNS上で「やす子のギャラは1000万円」とする投稿が拡散された。過去に「チャリティーマラソンのランナーはギャラ1000万円」と週刊誌で報じられたことがあり、それを基にした投稿ではないかと思われる。

 これに対して、やす子は2日付のX(旧Twitter)で「チャリティーマラソンのギャラ1000万円ってデマが飛び交ってるけど、一銭もいただいてないですよ!」と完全否定。「憶測やデマをすぐ信じちゃうのやめたほうがいいですよ」と呼びかけた。

 『24時間テレビ』でテレビ局が企業からスポンサー料を得ているのは周知の事実であるため、やす子がノーギャラだった場合、局は「タレントのギャラ分が丸儲け」という構図になりそうだ。

 これはこれで批判がありそうに思えたが、やす子は「自分の申し出なので、番組ひどい!と叩かないで…」と訴えた。自らの意思でノーギャラにしたことを明言したといえるが、これは言い換えると「通常はランナーにギャラが出る」と読み取ることができる。

 『24時間テレビ』のギャラをめぐっては、2013年に嵐がメインパーソナリティーを務めた際に「5人でギャラ5000万円」と一部週刊誌で報じられ、日テレが「嵐のメンバーにはチャリTシャツのデザインを含め、24時間テレビのメインパーソナリティーを今年もボランティアで務めて頂いております」と否定している。

 ただ日テレは2000年に放送倫理・番組向上機構で、出演料について「基本的にボランティアでお願いしております。しかし、拘束時間の長い方など、場合によっては謝礼という形でいくらかのお支払いをしております」と回答しており、ボランティアであっても「謝礼」という形でギャラが支払われている可能性が示唆されていた。

 過去には、2004年にチャリティーランナーを務めた杉田かおるが「思ったより少なかった」と冗談めかしながらもギャラの存在をほのめかしたことがあり、1991年に司会を務めた帰国子女の西田ひかるが「日本のチャリティー番組は出演料が出るの?」と驚いたというエピソードも業界で有名だ。しかし、ギャラについては詳細が公式に明かされることはなく、ある意味で「ブラックボックス」化していた。

 だが、今回のやす子の発言で通常はランナーにギャラがあることが明確化したともいえる。となれば、当然ランナーだけでなく、司会やゲストなどにも相応のギャラが支払われていると考えるのが自然だろう。

 『24時間テレビ』の出演料については、ネット上で「チャリティー番組だろうと、労働の対価としてギャラが出るのは当たり前」「ノーギャラだったら有名なタレントが集まらず、募金額が減ってしまう」「ボランティア=無償ではないし、タダでやってたら続かない」と擁護する声もある。

 しかし、欧米などでは出演者のギャラやCMスポンサー料も含め、すべて寄付に回すというスタンスが主流。そのため、SNS上では「チャリティー番組でテレビ局が利益を出すのはおかしい」「アメリカのチャリティー番組でタレントがギャラもらったらスキャンダルになる」「テレビ局は広告料で稼ぎ、タレントはギャラをもらって、お金を出すのは視聴者だけかよ」といった批判の声のほうが目立っている。

 今回のやす子の発言をきっかけとして、改めて日本におけるチャリティー番組の在り方についての議論が過熱しそうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/09/03 14:00
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