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『水ダウ』コロナ対策、令和ロマンの『しくじり』、ダウ園田『座王』……【週末お笑い雑話】

今週あったお笑い界隈の話題をピックアップ! ライター・新越谷ノリヲと担当編集Sが勝手にしゃべります。お聞き流しのほどを~。

■『水ダウ』コロナ対策

編集S 良くも悪くも話題を振りまく『水曜日のダウンタウン』ですが、今週は「過剰なコロナ対策」企画。けっこう批判も飛び交ってますね。

新越谷 茶化すな、という。

編集S 確かに、まだ収まったわけではないですから、医療現場の方々が忸怩たる思いになるのもわかります。

新越谷 そうですね。過去のものとして扱うのは違うだろ、と思いますよね。そういう仕事の人からすると。

編集S どう思いました? バラエティ大好き、『水ダウ』大好きという立場から。

新越谷 そういう立場なんだ。まず感想としては、今までのいわゆる“神回”みたいなおもしろさはなかったというのが正直なところで。後半は企画としては振り切ってるけど、思想として振り切ってない感じはありました。

編集S 思想として振り切ってない。

新越谷 例えば同じはっしーはっぴーの旅館が空っぽのドッキリとか、めちゃくちゃ振り切ってたと思うんです。餌食にしてやろうという。今回のコロナ企画は、どこか自虐を含んでる。

編集S 自虐。

新越谷 結局、作り手側としても正解があってやってたわけじゃないし、出演者に押し付けていたことや、実際に放送したものが正解だったとも思ってないわけじゃないですか。バラエティってコミュニケーションを見せるものなわけで、そのコミュニケーションの手段がコロナによって壊れたわけですよね。その中で、仕事をまっとうするしかないとなったとき、こうするしかなかったんだという「ベストなものをお送りできませんでした」という自虐ですよね。

編集S はい。

新越谷 コロナ明けを象徴したな、って夜があったんです。『ゴッドタン』で、佐久間さんがずっとラジオで「コロナが明けたらやりたい」って言ってた「西野vsひとり」があって、裏のTBSで『後夜祭』で藤井さんが「66人相撲」やって、テレ朝では加地さんが『霜バラ』で「せいやvs熊プロ」やって、コミュニケーションの権化みたいな企画が同じ夜に放送された日があった。あの夜の祝祭ムードって今でも覚えてるんですよね。

編集S それ、今関係あります?

新越谷 だから、バラエティ的にはあの日に「コロナが終わった」と思ったわけです。逆説的だけど、今回の『水ダウ』は世の中に「終わってないよ」という声を噴出させたじゃないですか。それは、やらないよりやったほうがいい企画だったってことなんだと思うわけですよ。昔みたいにテレビから視聴者への一方通行でしか情報が届かない時代だったらちょっと違うけど、今は『水ダウ』の内容とSNSでの意見を比較して、無関心層への「届き方」には遜色ないわけです。『水ダウ』が自らサンドバッグになりにいった企画だとは思わないけど、役割は果たしたんじゃないですかね。

■令和ロマンの『しくじり』

編集S 『水ダウ』では、タレントって完膚なきまでに「やらされる側」なんだということも明示されました。

新越谷 その意味で、今回の『しくじり』の令和ロマンの回とつながってるなと思ったんですよね。「テレビに出ない」という選択が云々という話。

編集S 確かに、令和ロマンがアクリル仕切りに変なマスクつけて食レポやってる姿は、あんまり想像できない。

新越谷 ほんの数年、時代がズレただけともいえるし、くるまは何度も自分の芸人キャリアにおけるコロナ期の影響について語っていますので、今の令和ロマンはコロナがなかったら全然違う形だったかもしれないとも思うわけです。

編集S どう思いました? 今回の『しくじり』。

新越谷 まず思ったのは、ケムリの声と滑舌がえぐいなと思って。

編集S そこ?

新越谷 あれ天才でしょう。あんまり声張って仕切ってるところ見たことなかったけど、制圧感すごかった。吉村澤部を向こうに回してあんな感じになるのかと。

編集S それはいいとして、内容的にはどうです?

新越谷 ウソ言ってないなと思ったんですよね。くるまが、ウソ言ってない。あと澤部のチョイスに緊張感があってよかった。

編集S ケムリにほめられたとこですよね。

新越谷 そうそう。令和ロマンが、吉村、澤部、若林をホメるところで、ケムリが澤部のすごさを説明して、澤部にとってはもっとも言われたいやつが出たわけじゃないですか。

編集S そこでの返しだ。

新越谷 そこで吉村にかぶせる形で満面の笑みで受けてもよかったけど「くるまに言われたい」というのを持ってきたところ、ああこれができるから澤部はずっと売れてるんだと思わされました。やっぱ、ただ売れてないなと。

編集S 来週も楽しみですね。

新越谷 うん。

■ダウ園田『座王』

編集S ダウ90000の園田が『座王』獲りました。

新越谷 そうそう。これダウにとっては歴史の転換点だと思いますよ。

編集S そこまで?

新越谷 お笑い担当としては蓮見と吉原だったわけじゃないですか。その次点で園田だったけど、『座王』というタイトルは相当デカいと思う。

編集S そこまでですかね。なんかラッキーっぽい勝ち方でもあったけど。

新越谷 ダウって結局「お笑いなの?」っていうところで引っかかる人が敵なわけじゃないですか。そういう人たちにとって『座王』というタイトルはめちゃくちゃ効くと思うんですよね。きょんちぃと信子も、やっぱ『座王』獲ってポジション変わったと思うし。

編集S 園田がお笑いファンからリスペクトされる世界線に入ったと。

新越谷 そう思いますよ。「『座王』なんて別に」って、ちょっと言いにくいじゃないですか。そのフォーマットを作ってブランド化したジュニアの手柄でもあるんだけど。

編集S 吉原もよかったですよね。

新越谷 「キス」のお題で「来年のABCお願いします、兵頭さん」っていうの、何年か前にサーヤがまったく同じ「キス」で「前田政二さん、優勝させてください」っていうのやってて、系譜だなって思いましたね。おもしろかった。

編集S ダウでいうと、道上がドラマでいい役もらってましたね。『ギークス』で犯人役。

新越谷 で、このタイミングで事務所独立だって。なんだか眩しいですね。

編集S ほんとにね。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/09/01 22:04
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