アジア最終予選目前! 欧州で活躍するADO、好調の佐野海舟ら日本人サッカー選手の動向
#Ado #佐野海舟
パリオリンピックの熱狂冷めやらぬなか、9月5日からはFIFAワールドカップ26のアジア 最終予選(3次予選)が始まる。
日本はオーストラリア、サウジアラビア、バーレーン、中国、インドネシアと同じグループC。来年6月までにホーム&アウェイの総当たり戦を行い、上位2チームが本戦への切符を獲得する。もしここでグループ3位、4位となってもアジア4次予選、5次予選、さらには大陸間プレーオフがあり、本戦出場のチャンスは残されているが、アジアにおけるFIFAランク最上位である日本としてみれば、この最終予選(3次予選)で決めたいところだ。
サッカー日本代表にとって絶対に負けられない最終予選だが、そのピッチに立つことになるであろう、ヨーロッパのリーグに所属する日本人選手たちの2024-2025シーズンはすでに始まっている。
そんな日本代表候補たちのなかで、注目選手が集まっているのが、目下世界最高峰のリーグであるイングランドのプレミアリーグだ。特に開幕戦から好調ぶりを発揮したのが、ブライトンに所属するMF三笘薫。昨シーズンは前半こそ活躍したものの、後半は怪我で欠場が続き、日本代表の試合からも遠ざかっていた。しかし、8月17日に行われた開幕節のエヴァートン戦では先制点を決めたほか、相手選手の一発退場を誘発するなど大活躍し、チームの勝利に貢献。完全復調をアピールし、日本代表での活躍も期待される。
一方で不安なのが日本代表のキャプテン・リバプールのMF遠藤航。昨シーズンはアンカーとしてレギュラーポジションを確保したが、今シーズンの開幕戦であるイプスウィッチ戦ではベンチ入りしたものの出番なし。ビッグクラブでの激しいポジション争いのなかで、苦戦するシーズンとなりそうだ。
また今シーズンからプレミアリーグに挑戦するクリスタル・パレスのMF鎌田大地、サウサンプトンのDF菅原由勢は、いずれも開幕戦でスタメン出場したものの、まだ大きなインパクトは残せておらず、世界一のリーグに順応するまでは苦労も伴いそうだ。さらにアーセナルのDF冨安健洋は膝の怪我の影響で開幕戦を欠場。日本代表としての活動も難しい状況だ。
スペインのラ・リーガ、レアル・ソシエダに所属するFW久保建英は、開幕戦にスタメン出場するも活躍する場面はなく、後半23分に交代し、チームは敗れた。前半途中から膝に手をつくシーンがあるなど、全体的に疲れも見え、今後に不安が残る形となった。また、今シーズンからマジョルカに移籍したFW浅野拓磨は、開幕戦でレアル・マドリードと対戦。前線からの献身的な守備と持ち前のスピードで存在感を発揮し、強豪相手に引き分けに持ち込んだ。
そして、日本代表選手の主力が名を連ねているのがフランスのリーグアン。ASモナコのFW南野拓実は開幕戦で見事なループシュートを決め、勝利に貢献し、現地メディアでも高評価を得た。FW伊東純也とFW中村敬斗が所属するスタッド・ランスはホームで開幕節を戦い、ともにスタメン出場したが、チームは敗れている。
「伊東純也も中村敬斗も、調子は悪くなさそうでした。中村の代表入りは確定的として、気になるのは伊東純也の動向です。性加害問題については不起訴になっていますし、そろそろ問題解決となりそうな空気も漂っている。日本代表にとっては大きな戦力であるのは間違いなく、日本サッカー協会がどう判断するのか注目されます」(サッカーライター)
リーグアンではもう1人、注目の日本人選手がいる。昨シーズンの2部で優勝し、今シーズンからリーグアンに昇格したオセールの元日本代表FWオナイウ阿道だ。昨シーズンは、チーム最多の15得点をあげ、1部昇格に大きく貢献。今シーズンの開幕戦ではスタメンフル出場し、チームも勝利した。
「オナイウ阿道は長らく代表に呼ばれていませんが、昨シーズンの活躍は目を見張るものがあり、代表復帰もささやかれ始めています。現在28歳でキャリア的にも脂が乗っている時期ですし、日本代表においては決定力のあるFWは何人いても足りない。重要な戦力になるはずです」(同)
また、オナイウ阿道については“メディア受け”も期待されているという。
「オセールのユニフォームでの名前の表記は『ADO』。人気歌手・Adoと同じ名前というのは、日本のメディアにかなり受けそうです。ワイドショーはサッカーのプレー以外の部分をピックアップすることも多いですし、“サッカー界のAdo”みたいな感じで取り上げられる可能性はかなり高い。協会としても、知名度アップにつながるメディア露出は大歓迎でしょう。今後の活躍次第ではありますが、オナイウ阿道が日本代表に食い込んでくる可能性は高いと思いますよ」(同)
最後にもう1人、忘れてはならないのがドイツのブンデスリーガ、マインツに移籍したMF佐野海舟だ。佐野は移籍が正式決定した直後の7月14日、不同意性交の容疑で逮捕された。本人が容疑を認めていると報じられたこともあり、移籍は実現しないかと思われたが、8月からマインツに合流し、不起訴処分となった。8月16日に行われたカップ戦・DFBポカール1回戦にもフル出場している。
「佐野のチーム内での評価は高く、監督もスタメン起用を考えていると言われています。しかし、サポーターからは、事件の解明に積極的ではないクラブに対する批判の声も多い。現状おとがめなしで試合に出ている形ですが、サポーターの世論の流れによっては、立場が危うくなる可能性もあります。
とはいえ、伊東純也が代表から外されたことを考えると、仮に佐野がマインツで大活躍しても、すぐに日本代表に呼ばれるということはないでしょう。順番としても、佐野が代表に選出されるのは、伊東の代表復帰を待ってからとなるはず。裏を返せば、伊東が復帰しできないなら、佐野が代表に呼ばれることもないということです。
このあたりは、選手がリーグ戦で活躍するかどうかではなく、協会がどう判断するかなので、なかなか難しいところではあります。特に日本サッカー協会は慎重ですし、スポンサーの意向を尊重する傾向もある。佐野にとっては複雑なシーズンになりそうです」(同)
三笘の復調という好材料はあるものの、リバプールにおける遠藤の序列ダウンや久保の不調など、不安要素も多い日本代表。アジア最終予選突破のためには、オナイウ阿道のような新勢力の台頭に期待したい。
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