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『ブラックペアン2』天城と渡海は裏でつながっているのか? “匂わせエンディング”の意味とは……

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二宮和也

 日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)の第6話が8月18日に放送された。“悪魔”に例えられる2人の天才医師の間には、浅からぬ縁があることを予感させる放送回だった。

 医療ミスを帳消しにする代わりに大金を要求する天才医師・渡海(二宮和也)の生き様を描いた2018年4月期放送の日曜劇場『ブラックペアン』の続編にあたる本作。渡海が去った東城大学医学部付属病院に、新たな天才医師としてやってきたのは天城(二宮和也)。天城は渡海と瓜二つの風貌で院内に混乱をもたらし、世界でただ一人天城だけが行える心臓冠動脈バイパス術「ダイレクト・アナストモーシス」はライバル・維新大学の脅威となっている。次期全日本医学会会長を目指す維新大の菅井(段田安則)は、会長の座を争う佐伯(内野聖陽)擁する東城大を陥れるための罠を仕掛けるも、天城を中心とした東城大医師たちは次々とクリアしていく。天城は新病院センター長にふさわしい活躍を見せる陰で、過去の医療事故について調べている模様。果たして天城が東城大にやってきた真の目的とは……。

 初回放送から東城大と維新大の権力争いが繰り広げられてきたが、第6話では東城大が一歩リードしたといえる。維新大が天城の対抗馬として投入した最新医療ロボット「エルカノ・ダーウィン」は、元開発者の謀反により安全に手術ができない代物であることが発覚した。このアクシデントにより維新大は、東城大にオペ技術で追いつくのはほぼ不可能となった。東城大としては日本一の自動車メーカー会長・上杉(堺正章)の手術を天城が成功させれば、東城大は医療水準の高さを医療界にアピールできるのはもちろん、天城が執刀することで上杉の総資産の半分にあたる約3000億円の報酬を手にするだけに、新病院センターの建設資金をまかなえるだろう。しかし、次回第7話では菅井が東城大の足元をすくう新たな罠を仕掛けてくるようだ。予告動画では「天城先生がミスだと⁉」というセリフが流れており、東城大と維新大の戦いに一波乱起きるかもしれない。

 本作品最大の謎である“瓜二つの天城と渡海の関係性”についても進展があった。これまで天城は、渡海の話題が出ると「ああ、渡海先生ですね」といった“存在を知っている程度”のリアクションをとっていた。ただ、第6話の放送を見た筆者は、天城と渡海が他人とは思えなくなった。

 天城と渡海を結びつける手がかりは、東城大の主任看護師・猫田(趣里)だ。猫田といえばかつて渡海の高難度手術をサポートしていた“渡海の右腕”だが、第6話では猫田が医師国家試験に合格していることが明らかに。現役看護師の猫田が医師国家試験に合格したことに驚いたのもつかの間、猫田は“海外の病院”からのスカウトを受けて日本から飛び立ってしまった。この“海外の病院”というのは、渡海が現在勤務する病院ではないだろうか。渡海は8年前に維新大をクビになった猫田を東城大に招き入れて以来、猫田が抱いた医師になる夢もサポートしていた。渡海にとって猫田は能力を認める、愛弟子であり、猫田が晴れて医師になったと聞けばスカウトしても不思議ではない。何より実務経験がないに等しい新米医師に、海外からオファーが来ること辞退がかなり“特別”だ。しかし、気になることがある。天城はどのようにして猫田が海外の病院からスカウトを受けていることを知ったのか。佐伯から猫田が医師になったことを聞かされた際に、スカウト話を伝えられたと考えるのが自然だが、シーンとして描かれていない以上、他の可能性もなくはない。佐伯と猫田だけが知りうる情報を天城が手にしているとなれば、その情報源が渡海であると考える余地はある。天城と渡海は“旧知の仲”なのかもしれない。

 第6話のエンディングでは、天城は箱の中の医療器具・ブラックペアンを取り出し電話で誰かと話していた。通話の内容は定かではないが、天城の表情はいつになく真剣だった。佐伯、菅井ら権力側の人間にもヘラヘラと対応する天城なだけに、電話の向こうの “誰か”とは特別な間柄なのだろう。天城は本作品の既出登場人物にフランクに対応していることから、その“誰か”が渡海であればストーリーはさらに面白くなりそうだが果たして……。第7話で天城と渡海をつなぎ合わせる新事実が飛び出すことを期待したい。

■番組情報

日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』
TBS系毎週日曜21時~

出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな、キム・ムジュン、田中みな実、石坂浩二、趣里、段田安則、小泉孝太郎、内野聖陽 ほか

原作:海堂尊「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」(講談社文庫)
脚本:槌谷健、守口悠介 ほか
音楽:木村秀彬
主題歌:小田和正「その先にあるもの」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監修:山岸俊介(イムス東京葛飾総合病院)
プロデュース:伊與田英徳、武藤淳、佐久間晃嗣
演出:西浦正記、加藤亜季子、伊東祥宏
製作著作:TBS

公式サイト:https://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2024/08/25 09:00
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