朝倉未来、引退表明で総合格闘技・RIZINの“終わりの始まり”とパリ五輪アスリートからの総合転向
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7月28日にさいたまスーパーアリーナで行われた真夏のビッグ格闘技イベント『超RIZIN.3』は、朝倉未来と平本蓮のカードをメインに、ボクシング界のレジェンド、マニー・パッキャオの参戦などで話題を集め、4万8117人を集客、RIZIN最多観客動員記録を更新した。
さらに、RIZINが手掛けた東京ドームで開催のメガイベント『THE MATCH 2022』のPPVで記録した日本記録の50万件超えに肉薄する配信数を売り上げ、RIZIN歴代PPV売上数の最高記録を再び更新した。
一方で、メインで平本に敗れた朝倉は、予告通り引退する意向であることを表明。一夜にして“看板選手”を失うことになった。
「このところ、未来は連敗続きだったが、カリスマ的な人気を誇っていたので、カードを組めばチケットは確実にさばけていた。仮に引退しなかったら、今年の大みそかのメイン級のカードが組まれるはずだったが……、今回ばかりは集客に苦戦するかもしれない」(格闘技ライター)
もうひとりの看板選手だった未来の弟・朝倉海は、すでに米国の格闘技団体・UFCへの参戦が決定。今後のRIZINは、未来に勝利した平本、エキシビジョンのボクシングマッチながらパッキャオを追い詰めた元K-1王者の安保瑠輝也、RIZIN史上初の2階級制覇王者となった元UFCのトップファイター・堀口恭司らが牽引することになるが、業界関係者の見立てではなかなか厳しい状況だという。
「朝倉兄弟は、ネットでバズった1分間最強を決める格闘技イベント『Breaking Down』に関わっていることもあって、世間的な認知度が高く、格闘技ファン以外にもその名は広く浸透していた。ところが、ほかのファイターはそこまで知名度は高くない。確かに堀口の実力は誰もが認めるところだが、玄人受けしかしない。平本はまだ総合格闘技の戦績は4勝3敗、安保は総合の実力はまだまだといったところ。ボクシングのエキシビションかキックボクシングルールでないと試合を組むのが難しいだろう。朝倉兄弟の引退・離脱によるダメージは少なからずありそうで、来年10周年を迎えるRIZINだが、業界内では『ついに終わりの始まりか』との声があがっている」(格闘技業界関係者)
そんな中、『超RIZIN.3』を終えた榊原信行CEOは会見で、平本に新エースとしての期待を寄せ、タイトルを新設する構想を明かした。
また、新たな逸材を発掘すべく、今月8日に都内で『RIZIN甲子園』の「第1回トライアウト」を開催。榊原氏は格闘技専門のメディアの取材に対し、アマチュア選手のスカウティングについて、パリ五輪後のオリンピックアスリート獲得に向け、水面下で動いていることを明かした。
「RIZINのファイトマネーは破格なだけに、少しでも興味がある選手はクビをたてに振るだろうが、参戦してスターになれるかは別の話。2020年に総合格闘技に転向したリオ五輪・レスリング銀メダリストの太田忍は徐々に実力を発揮して連勝中だが、そこまで人気は高くない。一方、柔道に目を向けるとパリ五輪・柔道女子48キロ級金メダリストの角田夏実は、自身のYouTubeにアップした大学の後輩でRIZIN女子スーパーアトム級王者の伊澤星花との対談動画で、MMA(総合格闘技)に興味があることを明かした。だが、まだ柔道界には未練があるようで総合に転向するとは思えない。角田よりも、混合団体の銀メダリストの男子100キロ級ウルフ・アロンは、リップサービスもさることながら、実力も十分。総合に転向すれば確実に人気が出るだろう。今後、スター不在のRIZINが発展を遂げるためには、新たなスターの存在は不可欠」(同前)
いずれにせよ、榊原氏が動いているとあって、今後、驚くべきアスリートの総合格闘技転向発表があるかもしれない。
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