『降り積もれ孤独な死よ』第7話 原作にない「完全オリジナル」パートをどう転がすか
#降り積もれ孤独な死よ
日曜の夜に陰惨な物語で月曜からのやる気を根こそぎ削いでいくドラマ『降り積もれ孤独な死よ』(日本テレビ系)も第7話。
第1話で13人の子どもの死体が見つかったと思ったら、第2話では容疑者として逮捕されていたおっさん・灰川十三(小日向文世)が留置所で死亡。第3話では人は死んでいませんが、主人公の刑事・冴木(成田凌)が連続暴行事件の犯人であることがわかり、第4話では灰川の過去パートで気のいいお兄ちゃんと灰川の父親が死亡。第5話では若かりし灰川の彼女、あれたぶん旦那に殺されてるだろうし、第6話ではなんとか誰も死ななかったものの、今回、3人が死にました。
降り積もれ、孤独な死よ。順調に降り積もっています。振り返りましょう。
■いよいよお話は現代へ
灰川邸事件は後に「最悪の結末を迎えた」ことだけは提示されていましたが、今回はその「最悪の結末」が具体的に描かれました。
13人を灰川邸の地下室に閉じ込めて餓死させていたのは、灰川の実の息子である刑事・鈴木(佐藤大樹)でした。鈴木は13人を殺しただけでは飽き足らず、灰川の家で暮らしていた19人全員を殺すつもりでした。
手始めに、冴木と交流のあった蓮水さん(吉川愛)と冴木の弟・蒼佑(萩原利久)を拉致。別荘地の空き家の地下に閉じ込めて“兄妹たち”と同様に餓死させることにしましたが、自分に捜査の手が及んでいることに気づいて方針を変更。手っ取り早く練炭を焚くことにしました。
間一髪、鈴木を追っていた冴木が空き家のドアに目張りがあるのを発見。鈴木を拘束し、2人を救い出すことに成功しました。
ここまではよかったんですが、鈴木の口車に乗った冴木の暴力衝動が爆発。鈴木に馬乗りになってボコボコにしてしまいます。このときの成田凌のトンじゃった目ね、すごいお芝居でした。
すごいお芝居ですなーと思っていたら、鈴木が冴木の腰から拳銃を抜き取ってズドン。割って入った弟の蒼佑が冴木の盾になって死んでしまいました。1人目。
冴木の上司である五味さん(黒木メイサ)らが現場に駆け付けると、鈴木は持っていた拳銃を自分のこめかみに当ててズドン。2人目。
いやあ、実に「最悪の結末」です。看板に偽りなし。
そしてお話は現代へ。
灰川邸事件の生き残りのうちの1人、タトゥーガールのマヤ(仲万美)が何者かにビルから突き落とされて死んでしまいます。3人目。
これをきっかけに、再び灰川邸事件にかかわることになった五味さんは、警備員として働いている冴木のもとを訪れ、捜査への協力を依頼します。マル横(トー横的な若者スポット)から姿を消した美来ちゃん(水野響心)の行方を追ってほしい。美来ちゃんの手首には、あの「リッカのマーク」が彫られています。そしてどうやら、蓮水さんと一緒にいるらしい。
謎が謎を呼んだところで、また新たな展開が訪れました。灰川邸の近くで、白骨死体が発見されたのでした。あ、これで4人目だ。という感じで、次回へ。
■オリジナルをどう転がすか
このドラマは同名のコミックを原作としていますが、コミックのほうは未完であるうえ、ここから始まる現代パートは原作には一切存在しません。
ここまで、さまざまな改変が行われていますが、妙な失敗をしていると感じさせる部分はひとつもありませんでした。ドラマにはドラマとして語りたいことがあって、その語りたいことを補強する形で、誠実に改変が行われていると思われます。そのへんは終わってみないとわからないけど、そうなんだろうなと感じさせるだけのクオリティがあるんだよな。
こういうドラマは、ホントは毎話レビューとかやるんじゃなく、息をひそめて最終回まで一気に見切っちゃいたいところなんですが、そうもいかないので次回もなんか書きます。よろしくお願いいたします。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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