『笑うマトリョーシカ』清家と浩子の狙いは“総裁降ろし”か…浩子が持つ“不祥事ネタ”の内容
#笑うマトリョーシカ
8月9日、金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』(TBS系)の第7話が放送された。これまで敵対関係にあった新聞社から独立したジャーナリストと政界から干された元政務秘書官。今回は“水と油”だった2人がまさかのタッグを結成した。果たして現総理大臣らが関わる不正事件の真相にたどり着けるのか……。
本作品は、人を惹きつける天性の人間力で若くして官房長官に就任した清家(櫻井翔)の活躍の背後にある、数多くの不審死の真実を巡るヒューマン政治サスペンスだ。主人公のジャーナリスト・道上香苗(水川あさみ、以下、道上)は、清家を陰で操る清家の母・浩子(高岡早紀)が多くの人たちの不審死や失踪に絡んでいるとにらみ調査をするなかで、清家の元政務秘書官・鈴木(玉山鉄二)の父・宇野(河野達郎)が28年前に起こした不正事件『BG株事件』に着目する。『BG株事件』には現内閣総理大臣で民和党総裁の羽生(大鷹明良)と民和党ナンバー2の外務大臣・諸橋(矢島健一)が関与しているとされ、その真相にたどり着きつつあった道上の父で新聞記者の兼髙(渡辺いっけい)は不慮の事故死を遂げる。父の死の真相を突きとめたい一心で『BG株事件』を調べる道上だったが、過去の不祥事を闇に葬り去りたい“黒幕”の魔の手が道上に迫りつつあった……。
第7話の主題となった『BG株事件』だが、相当きな臭い事件だとわかった。事件への関与がささやかれていた諸橋だが、事件の証拠を持っていた諸橋の第一秘書・中島(龍輝)が自殺していたことが判明。中島も兼髙と同じく“黒幕”に処理されたと考えるのが妥当だろう。ただ、中島が自殺前に『BG株事件』の証拠を、28年前に宇野の息子である鈴木に郵送していたことがわかり、物語の焦点は証拠の行方となった。しかし、『BG株事件』の証拠となる“カセットテープ”は鈴木の手に渡ることはなかった。そう、カセットテープを手にしたのは浩子だった。浩子は持ち前の美貌を活かし、高校時代の鈴木の担任・一色(東根作寿英)を完全に懐柔していたのだ。
ただ、筆者は浩子が『BG株事件』の証拠を手にしたことをネガティブにとらえていない。清家と浩子の“悲願”とは、『BG株事件』の証拠を切り札とした政治改革、その先にある“弱者に寄り添う政治”の実現ではないだろうか。『BG株事件』は現総理・羽生と外務大臣・諸橋が関与した大疑獄である。『BG株事件』の真実が白日の下にさらされれば、羽生と諸橋の失脚は避けられない。仮に総裁の座が空くとなれば、その跡を継ぐ候補は副総裁、もしくは官房長官・清家である。本作品では副総裁のキャラクターは描かれていない点が気になるが、国民の人気度でいえば清家が総理・総裁にまで上り詰める可能性は十分にある。事実、諸橋が清家に『BG株事件』について嗅ぎまわっている道上の狙いを聞いたところ、清家は心当たりがないという態度で切り抜ける。清家は生まれてからいままで浩子の指示のもと政治家になるべく動いてきた。官房長官にまで成り上がった清家が、浩子から『BG株事件』の真相を聞いていないわけがない。人気がうなぎのぼりの清家と浩子による、『BG株事件』の証拠を使った“総理・外務大臣降ろし”が今後のストーリーで決行されるかもしれない。
第8話の予告動画では、道上と浩子の直接対話があるようだ。そこで『BG株事件』の真相、清家と浩子の“悲願”は明らかになるか……。そして、長年の相棒だった鈴木を断腸の思いで切り捨てた清家と、傷心の鈴木との間に復縁はあるのか。物語もいよいよ佳境へと突入する第8話でどのような驚きの展開があるのか楽しみだ。
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金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
TBS系毎週金曜22時~
出演:水川あさみ、玉山鉄二、櫻井翔、丸山智己、和田正人、渡辺大、曽田陵介、渡辺いっけい、高岡早紀、ほか
プロデューサー:橋本芙美
演出:岩田和行、城宝秀則、小林義則
原作:早見和真「笑うマトリョーシカ」(文春文庫)
脚本:いずみ吉紘、神田優
音楽:大間々昂
主題歌:由薫「Sunshade」(Polydor Records)
政治監修:須山義正、武田一顕
法律監修:岡本直也
児童福祉監修:永野咲
警察監修:石坂隆昌
医療監修:中澤暁雄
編成:杉田彩佳
製作:共同テレビ、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/waraumatryoshka_tbs/
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