【パリ五輪】柔道、バスケ、ケイリン、スポクラ……「不可解判定」に泣いたメダル候補たち
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11日に全日程が終了したパリ五輪。日本は海外大会では過去最多となる金20、銀12、銅13のメダルを獲得したが、その裏には数々の不可解な判定に泣かされた“メダル候補”の選手たちがいた。
日本のお家芸である柔道では、7月27日に行われた男子60キロ級で永山竜樹が登場。準々決勝で昨年の世界王者・ガルリゴス(スペイン)と対戦。片手絞めで一本負けを喫した。だが、永山が相手に絞められている状態で一旦、審判から「待て」がかかっており、本来ならガルリゴスが絞めを解いて仕切り直さなければならない場面。永山はそのまま6秒間にわたって、意識を失うまで絞め続けられ、一本負け。試合後に日本側から抗議の声が上がったが、判定が覆ることはなかった。
また、同31日の男子90キロ級決勝では村尾三四郎が世界ランク1位のベカウリ(ジョージア)と対戦。技ありを1本ずつ取り合った後半、村尾の内股でベカウリが尻もちをつく。これも技ありに見える場面だったが、審判の手は上がらず。試合終了間際に得意の谷落としを小内刈りで返され、合わせ技で一本負けとなった。試合後、鈴木桂治監督は「今大会ではこれがポイントにならないようだ」と判定に理解を示したが、永山の件もあってネット上では審判団への批判の声が止まなかった。
さらに8月3日に行われた男女混合団体では決勝で日本と地元・フランスが対戦。第1試合からフランス有利と思える判定がたびたび見られ、日本の応援団にはフラストレーションのたまる展開が続いたが、3-3で迎えた代表戦を決めるルーレットでその不満が爆発。フランスの絶対王者・リネールが出場する90キロ超級での代表戦となったが、デジタル式のルーレットだったことから地元フランスに有利な階級を意図的に表示させたのではないかという疑惑が噴出した。
柔道だけではない。
30日に行われたバスケットボール男子の1次リーグでフランスと対戦した日本だったが、第4クオーターにフランスに2点リードを許した場面でエース・八村塁が不可解なアンスポーツマンライクファウルで退場処分に。その後、84-80と逆転して迎えた残り10秒、スリーポイントシュートをブロックにいった河村勇輝がディフェンスファウルを獲られてプラスワン。このファウルでは、河村は相手に触れていないように見えたが結果的に4点プレイとなって試合は延長戦に。そのままフランスに逃げ切られることになった。
今大会、若きエース・ウェンバンヤマを擁して銀メダルを獲得したフランス相手に大金星を挙げるチャンスだったが、審判に泣かされる形となった。
10日に行われたスポーツクライミング女子複合の決勝では、森秋彩が「勝負すらさせてもらえない」という一幕があった。
第1課題の最初のホールドが高い位置に設定され、小柄な森が何度飛びついても手が届かなかったのだ。森は結局、制限時間内に最初のホールドに触ることさえできず、この課題の特典が0点に。必死に飛びつこうとする森の姿に、世界中から「ルートセッターの森に対するイジメだ」という批判が殺到することになった。
体格による有利不利が大きいクライミング競技の国際大会ではしばしばルートセットの問題が浮上するが、決勝に残った選手が最初のホールドをつかめずに敗退するケースは異例中の異例。今後、ルールの改善が望まれるところだ。
11日に行われた男子ケイリン準決勝では、太田海也が不可解な失格となっている。
準決勝第2組で決勝ラインである3着に入った太田だったが、内側に寄せた際に2選手の落車を誘発したとして今大会2度目の警告を受け、失格処分に。太田は他車と接触しておらず、落車は太田の後方で起こったものだったが、日本チームの抗議もむなしく処分が覆ることはなかった。
メダルラッシュに沸いた裏で、後味の悪い結果も決して少なくなかったパリ五輪。今は、選手たち全員に拍手を送りたい。
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