『ビリオン×スクール』第6話 山田涼介の顔面が「美しすぎる」というSF的解釈
#ビリオン×スクール
世界的な天才AI開発者である加賀美(山田涼介)が「AI教師」開発のために教師として働きながら、落ちこぼれ生徒たちの心を解きほぐしていくドラマ『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)も第6話。
まったく熱血ではない教師が、学園ドラマにおけるさまざまなテンプレート的シチュエーションを解決していく爽快感と、時おり挟み込まれるSF的な解釈が楽しくて、今期のお気に入り作品のひとつだったりするわけですが、今回は、ああっ、と思っちゃった。ああっ、やばい方向に行こうとしてる。振り返りましょう。
■確かにテンプレートがすぎた
今回は、3年0組において初登場のマドンナと初登場の色男の恋愛のお話。例によって加賀美センセはロジカル人間なので、「恋愛など錯覚だ」と言い切りつつ、マドンナのためにいろいろがんばります。
一方、例によって加賀美センセと秘書の一花さん(木南晴夏)はワチャワチャと口ゲンカをしていますが、一花さんが亡くなったばかりの加賀美父を引き合いに出しちゃったから、さあ大変。加賀美はマジ切れするしかありませんし、一花さんも素直に謝罪するしかありません。けっこう決定的にヤバい空気が、2人の間に流れます。
ここでAI教師「TEACH」がAIなりの最適解を提示。秘書なんてAIができるし、もうAIパワードスーツがあるからボディガードも要らないし、一花さんは必要ないのに雇われている。その立場をわきまえろと厳しく言い放つのでした。
恋愛が錯覚なら、信頼だって錯覚かもしれない。錯覚かもしれないけれど、確かにそこにある。
だけど、AIには、それはわからない。今回はそんなお話。
ここまで、イジメだスクールカーストだパパ活だとテンプレートな設定の学園ドラマを丁寧に作ってきた『ビリオン×スクール』でしたが、今回は楽し気なテイストを残しつつも、「AI」をテーマにしたSFに大きく舵を切ってきました。
その序章として、加賀美センセの過去の一端を明かしています。
■ロボトミーカガミン
加賀美センセは過去に何かの原因で頭部にダメージを負ったことがあり、脳に損傷を受けて、それは治療できるものではなかった。何らかの電子デバイスが頭に入っている。
いろいろな伏線がつながってきます。世界的大企業のCEOなのに、前社長である父の命令で顔と名前を隠して活動していること。学歴がないこと。11歳前後の記憶が抜け落ちていること。
それだけではありません。天才的な頭脳を持っていること。美しい顔面を持っていること。ドラマなら「そういう人がいてもいい」という部分でさえ、SFである可能性が示唆されたわけです。
加賀美センセの頭脳が人工物であるとするなら、AIがAIを作っているということにもなってくるわけだ。
そうすると、SFにおけるAIの「完成」とはどういうことか、という話になっていく。
ちょっとそういうところに踏み込んでいくとは思ってなかった。ヤバい方向に行ってると思う。私はこのドラマのSF的な解釈に、第2話のAIグラスの件で完全に信頼を置いてしまっている。つまり、めちゃくちゃおもしろいものが見られるんじゃないかという期待が、最大限に膨らんでしまっているのだ。これはヤバい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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