【パリ五輪】優勝候補でメダル獲得なのに地上波放送なし……“マイナー競技”の憂鬱
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9日、パリ五輪のレスリング女子53キロ級で藤波朱理が金メダルを獲得した。
藤波は昨年の世界選手権でも優勝しており、今回が初の五輪代表となったが、決勝でもエクアドルのルシアヤミレト・ジェペスグスマンに対し、10-0のテクニカルスペリオリティーで勝利。評判通りの強さを見せた。
これで中学時代から続く公式戦での連勝記録は137となった藤波、五輪前からメダル獲得の有力候補だったが、決勝の地上波中継がなかったことからSNS上ではテレビ各局に批判の声が集まっているようだ。
女子レスリングは、五輪3連覇の吉田沙保里や4連覇の伊調馨など多くのスター選手を生み出してきた五輪での人気競技。それだけに、藤波の決勝が地上波で放送されなかったことは多くのファンを困惑させている。
また8日にはヨット競技のセーリング混合470級で決勝にあたる「メダルレース」が行われ、岡田奎樹・吉岡美帆組が銀メダルを獲得。メダルレースを前に3位につけていた岡田・吉岡組だったが、上位10艇による最終レースで順位を一つ上げ、日本セーリング界にとって2004年のアテネ大会における関一人、轟賢二郎組以来、20年ぶりの快挙となった。
しかし、このメダルレースも地上波中継はナシ。岡田・吉岡組は昨年の世界選手権で優勝しており、こちらも有力候補だったが、地上波プログラムからはこぼれ落ちた形だ。
フェンシングでも快挙が地上波中継されず、ファンを悲しませる事態があった。
3日に行われた男子エペ団体で日本代表が銀メダル。同競技では21年の東京五輪でも金メダルを獲得しており、日本フェンシング史上初の2大会連続メダル獲得という快挙だった。
日本フェンシング界の革命児といわれる北京五輪男子フルーレ銀メダリストである太田雄貴氏もX(旧Twitter)に「決勝戦は地上波で放送して欲しいです」とポストするなどアピールしていたが、願いは届かなかった。
そのほか、柔道男子100キロ級のウルフ・アロンやレスリング女子50キロ級の須崎優衣といった有力候補が地上波放送が始まる前に敗退してしまうなど、生中継プログラムのちぐはぐな構成が目立つ今回のパリ五輪。
特に、フェンシングやセーリングといったマイナー競技の関係者にとって、五輪は4年に一度となる一般層へのアピールチャンス。スポンサー獲得という面では、地上波放送の有無が死活問題ともなるのが現実である。
せめて大会前に実績を残している競技については、積極的に地上波放送を行ってもらいたいものだが……。
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