『笑うマトリョーシカ』ついに清家と鈴木が決別、清家を操る浩子の思惑と在留外国人支援に固執する理由
#笑うマトリョーシカ
主従関係が逆転する衝撃のクライマックスだった。金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』(TBS系)の第6話が8月2日に放送された。これまでのストーリーでは、異常なまでの支配欲を持つ人々による“人気若手政治家の争奪戦”が繰り広げられてきたが、今回のクライマックスでは支配する者と支配される者の構図がひっくり返ってしまった。
本作品は、日に日に国民からの支持が高まる厚生労働大臣・清家(櫻井翔)と、優秀なブレーンとして高校時代から清家を支える政務秘書官・鈴木(玉山鉄二)の“隠された過去”が交錯するヒューマン政治サスペンス。ジャーナリストの道上香苗(水川あさみ、以下、道上)は、鈴木の父が引き起こした不正事件・BG株事件の真実を調べていた実父・兼髙(渡辺いっけい)の意志を受け継ぎ、清家と鈴木の近辺を調査する。その中で、本心が見えない清家の人格形成には、清家の母・浩子(高岡早紀)が大きく関与しており、現在も清家と浩子は裏で繋がっている可能性が示唆されている。兼髙をはじめとした一連の不審死は、浩子による“邪魔者の排除”なのか……。道上がたどり着く真実とは。
第6話で判明したのは、浩子が“黒幕でほぼ確定”ということだろう。清家においては、学生時代の振る舞い方から政治家としての心得まで、“浩子の金言”があったからこそ人生がうまくいっていた。クライマックスの清家と鈴木の決別シーンでは、清家は見事なまでに“浩子のマリオネット”だった。鈴木が話そうとしてもおかまいなし、清家は淡々と学生時代の思い出やこれまでの鈴木への感謝の気持ちを伝え続ける。にこやかに話し続ける清家から漂うのは、異様な不気味さ、まさに役者・櫻井翔の“怪演”といえる。
鈴木にとって政務秘書官解任以上にショックだったのは、清家が“鈴木に操られたフリ”をしていたことだ。20年以上にわたり「清家を立派な政治家にする」と息巻いていた鈴木だったが、結局清家と浩子に都合よく利用されていただけだった。生徒会長選の涙ながらの演説や、在留外国人支援に関する声明などは清家が独断で行ったことかと思いきや、すべては浩子の指示。鈴木はおそらく、浩子に利用されている自覚はあっただろう。しかし、まさか清家まで鈴木を利用していたとは……。BG株事件の主犯の息子と週刊誌に暴露され、突如として無職になった“無敵の人”鈴木が道上と共闘して、清家と浩子の“野望”を阻止する展開もありそうだ。
清家と浩子の“野望”については、在留外国人がキーワードになるだろう。浩子は在留外国人支援機構に多額の寄付を行い、浩子が口にしていた「ヘイトスピーチの厳罰化」の重要性は、清家が浩子の言葉そのままに定例会見で発信していた。また、これまでの展開でも清家は少数弱者に寄り添うスタンスをとっている。なぜ清家と浩子がそこまでして少数弱者である在留外国人を支援したいのか……。清家はついに官房長官に就任したが、これから政治家としてより強い影響力を手にしたとき、在留外国人支援の真意が明らかになるはずだ。
第6話で気になるシーンはもうひとつあった。元官房長官・和田島(加藤雅也)の権妻である浩子は、清家の父でもある和田島の墓前で、「あの子(清家)の『純粋』なところは、あなた(和田島)にそっくりです」と話し、意味深な笑顔を浮かべていた。支配者気質の浩子にとって、「純粋」とは「単純」「利用しやすい」という意味ではないだろうか。そうなると、和田島と結ばれる前から浩子は野望を持ち、和田島にも打算的に近づいた可能性が出てくる。浩子が人生をかけて実現したいものとは、そして息子・清家すらも浩子にとっては道具にすぎないのか。第7話は、政界と世間を驚かせるであろう“不気味な母子”の動向に注目だ。
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金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
TBS系毎週金曜22時~
出演:水川あさみ、玉山鉄二、櫻井翔、丸山智己、和田正人、渡辺大、曽田陵介、渡辺いっけい、高岡早紀、ほか
プロデューサー:橋本芙美
演出:岩田和行、城宝秀則、小林義則
原作:早見和真「笑うマトリョーシカ」(文春文庫)
脚本:いずみ吉紘、神田優
音楽:大間々昂
主題歌:由薫「Sunshade」(Polydor Records)
政治監修:須山義正、武田一顕
法律監修:岡本直也
児童福祉監修:永野咲
警察監修:石坂隆昌
医療監修:中澤暁雄
編成:杉田彩佳
製作:共同テレビ、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/waraumatryoshka_tbs/
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