ひろゆき氏、性別騒動ボクサーに「男性」発言で波紋…人気YouTuberが痛烈批判
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「性別問題」で議論になっているパリ五輪のボクシング女子66キロ級のイマネ・ヘリフ(アルジェリア)をめぐり、2ちゃんねる開設者で実業家の「ひろゆき」こと西村博之氏が「トランスジェンダー」と事実誤認し、その後の訂正でも「性染色体XYで女性器と睾丸を持つ男性」などと発言したことが物議を醸している。
ヘリフはこれまで女子ボクシング選手として活動し、2021年の東京五輪にも出場。しかし、昨年インドで開催された世界選手権で、主催の国際ボクシング協会(IBA)がヘリフと台湾のリン・ユーティンについて、性別適格性検査で失格になったと発表した。一部報道によると、IBA会長のウマル・クレムレフ氏が「XY染色体を持っていることが証明されたため、除外された」と説明したという。
通常ならこの判定がパリ五輪にも影響する可能性があるが、IBAは審判の不正疑惑や不透明な財政管理などの組織運営が問題視され、国際オリンピック委員会(IOC)から国際競技団体としての承認を取り消されている。五輪では競技運営を各競技の運営団体が担うのが通例だが、IBAの承認取り消しによってパリ五輪のボクシング競技はIOCの特別作業部会が運営しており、IOCの基準でヘリフ、リンの両選手は出場が認められた。
IOCによると、世界選手権での突然の失格は「テストステロンの上昇によるものだった」とし、ヘリフについて「女性として生まれ、女性として登録され、女性として人生を送り、女性としてボクシングをし、女性のパスポートを持っている」としている。
晴れてパリ五輪出場となった彼女たちだが、ヘリフが対戦相手を一方的に攻め立てている試合動画が拡散すると「元男性のトランスジェンダーが女子選手をボコボコにしている」などといったデマが拡散される事態に。ヘリフのパリ五輪の初戦で対戦相手が圧倒的な力の差にひるんで開始46秒で棄権すると、騒動がさらに拡大した。
ひろゆき氏は、1日付の自身のSNSでヘリフの映像を引用しながら「元男性が、女子オリンピックボクシングに参加。元男性の余裕勝ち。金玉取った男性は、金玉取った男性です。女性ではないです。トランスジェンダーは、トランスジェンダーであって、女性ではない。女性の大会に元男性を参加させるのは、女性の機会を奪う」と発言した。
しかし、ヘリフやリンはれっきとした女性として生まれており、性分化疾患などでXY染色体を持つ可能性はあるものの、トランスジェンダーではない。
これを受けて、先天性の染色体異常を公表している元男の子YouTuberの青木歌音は「ひろゆきさんにドン引きした、、平気でデマ流してるヤバい」「女子ボクシングでオリンピックに出てる性分化疾患の女性の事をトランスジェンダーだ!ってデマ流すの死ぬほどヤバい。私も性分化疾患なんだけどデマに恐ろしく感じてる」と、自身のSNSでひろゆき氏の言動を批判した。
ひろゆき氏は事実誤認に気づいたようで、2日付のSNSに「『女性の大会に”染色体XYで女性器と金玉がある男性”が参加するのは女性の機会を奪う』に訂正します」などと投稿した。しかし、ヘリフが睾丸を持つことを示す確かな根拠は現在のところなく、どんな理由でひろゆき氏が断定しているのかは不明だ。また、ヘリフらがXY染色体を持つということについても、根拠はIBA会長のメディア上の主張だけで公式の発表ではない。
さらに、ひろゆき氏は「性染色体がXYは男性、XXが女性とすると、XYで生まれた人は男性です。アンドロゲン不応症であれば精巣=金玉を持ち子宮はありません。『XYの男性として生まれたが性分化疾患で男性器でなく女性器が付いてた。本人も周囲も女性だと思ってた』のであって、『普通に女性として生まれた』ではありません」などとも論じた。
これに対して、青木は「ひろゆきさん絶対分かってない。アンドロゲン不応症には完全型と不完全型があるって事を。確かにアンドロゲン不応症の方は男性染色体なんだけど完全型の人は男性ホルモンが一切効かないから外見や外性器も女性型。不完全型の人は男性ホルモンが一部効く。そこ知らずに発信してるよアノ人」と、ひろゆき氏を再び批判している。
また、一般のネットユーザーからも「訂正と言いつつ、ヘリフ選手を『金玉がある男性』と書くとか侮辱的すぎる」「最近のひろゆき氏は言い方が雑」「まず元男性と間違えたことをヘリフさんに謝罪すべきでは」といった声が上がった。
ヘリフは3日の女子66キロ級準々決勝で勝利し、銅メダル以上を確定させた直後に感情を抑えきれず「私は女性です!」と叫んだと報じられている。その一方で「どこからが男性でどこからが女性なのかの明確な線引きが必要」との意見が噴出するなど、スポーツにおける性別ルール論争も巻き起こっている。
今回の騒動については「IOCとIBAの対立に選手たちが巻き込まれている」との見方もあり、さまざまな意味で今後も大きな注目を集めそうだ。
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