『ビリオン×スクール』第5話 初アクションとは思えない木南晴夏と、山田涼介のヒーロー感
#ビリオン×スクール
へえー木南晴夏ってアクションできるんだ、すごいなぁと思って見ていたら、アクションシーンは初めてだったそうですね。運動神経いいんやね。パン食ってるからかな。
というわけで、学園モノのフォーマットに毎回、令和なりの社会問題を組み込んで自分の言葉で解決していく爽快ドラマ『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)も第5話。山田涼介大爆死だなんだいわれてますけど、おもしろいよ。
振り返りましょう。
■今回は承認欲求とパパ活詐欺のお話
今回は、3年0組の1軍メンバー4人の中から紺野くん(松田元太)が加賀美センセ(山田)側に寝返ってしまったため“1軍の中の最下位”となってしまったリナちゃん(倉沢杏菜)のお話。
おめかししておっさんと会っているところを副担任の一花さん(木南)に見られてしまったリナちゃん。パパ活疑惑が浮上しますが、どうやらバイト先のお兄さんたちに頼まれて美人局に加担している様子。パパ活よりよっぽどヤバい感じです。
そんなリナちゃんの悩みは、自分のSNSの投稿に「いいね」が入らないこと。家族ともなんだかそりが合わないし、1軍の残り2人もつれないし、せっかくの夏休みなのにおもしろくない。
そんな承認欲求モンスターであるリナちゃんを学校に呼び出した加賀美。バズる動画を撮ってやると言いながら水鉄砲でリナを撃つよう、以前リナにいじめを受けていたクラスメート・ひめ香(上坂樹里)に命令。しかしひめ香はリナだけでなく加賀美のことも撃ち始め、わちゃわちゃと水鉄砲合戦が始まります。みんなニコニコの風景に、いつしかリナも参加するのでした。
しかし、この動画で加賀美たちと仲良くしていたことがきっかけで1軍の中での孤立を深めてしまったリナは、断っていたパパ活風の美人局にふたたび手を染めることに。そこらへんのおっさんを呼び出しますが、このおっさんが完全なヤクザで万事休す。
そこに一花さんが現れてヤクザ5人くらいをブチのめしてリナをラブホから救い出しますが、追ってきたヤクザに捕まり、またまた万事休す。
空から加賀美がスパイダーマンみたいにシュタッと降ってきて、AIパワードスーツの威力でヤクザを追っ払いました。
今回、特にオリジナリティを感じられるようなエピソードではありません。展開もテンプレートだし、AIスーツで悪い奴をぶっ飛ばすという解決法も第1話で見たものです。
でも、楽しいんですよね『ビリオン×スクール』。木南のアクションもそうだし、美しい山田涼介がシュタって降ってきたときのヒーロー感、華やかさ。それに生徒役の子たちの気合の入ったお芝居も毎回楽しい。みんなが、競うように役に感情を入れているのがよくわかる。
そして、今回も「承認欲求」というモチーフに対して、ちゃんとメッセージを作って伝えている。そこに本気が見えるから、作品がチープにならない。いいドラマだと思うし、その本気が伝わらない人に対しては、もうしょうがないと思う。
■木南晴夏のアクションのところ
見ていて、ちょっと迷ってしまった部分がありました。その木南のアクションのところなんですが、ヤクザ5人くらいを相手に、木南が格闘で勝つんですね。超強いんです。
で、これまで一花さんが格闘技をたしなんでいたという描写がなかったので、これが実力で強いのか、あるいは加賀美から女性用AIパワードスーツを与えられて着ているのか、どっちだろうと思ったんです。
一花さんというキャラクター上、有能なスーパー秘書ですから、素でケンカが強くてもいいし、AIスーツでも不自然じゃない。
ここからは妄想ですが、作り手も迷ったんじゃないかなと思うんですよね。一花さん1人でリナを救い出さなきゃいけないから、一花さんは強くなきゃいけない。でもAIスーツを着ていることにすると圧勝してしまうので、ヒーロー加賀美の出番がなくなってしまう。じゃあ、途中でAIスーツを無力化する、たとえばはぎ取られるとか破れるとかも考えられるけど、そうすると加賀美が作ったものの万能感・高級感が損なわれてしまう。
で、もういいやとあきらめた感じがするんです。一花さんが、ラブホではヤクザに勝てたのに路上では負けたというところに理由がないんだけど、もういいやと。これだけちゃんとした脚本書く人が、そこの理由のなさが気にならないわけないんだけど。
そんな妄想もまた、楽しいドラマです。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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