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混戦のセ・リーグ、後半戦に抜け出すのは…日程は巨人が圧倒的に有利、DeNAは8月が超過酷

混戦のセ・リーグ、後半戦に抜け出すのは…日程は巨人が圧倒的に有利、DeNAは8月が超過酷の画像1
東京ドーム(写真/Getty Imagesより)

 プロ野球はオールスター戦が終わり、後半戦に突入。パ・リーグはソフトバンクが独走しているが、セ・リーグは巨人、広島、DeNA、阪神の4チームが僅差でひしめき、日々順位が入れ替わる激戦となっている。「猛暑」をキーワードに、これから抜け出しそうなチームを探してみよう。まず、オールスターの移動がネックになりそうなのは阪神だ。

「オールスターに選ばれた5人は、5日間で甲子園→エスコン→神宮→甲子園を移動する超ハードスケジュール。しかも後半戦開始から4カード連続で屋外球場の試合が続き、一気に疲労が溜まりそうです。しかし、かつてチームを苦しめた“死のロード”は大阪ドームを使用することで回避できるようになり、高校野球期間中の試合はすべてドーム球場。7月後半から続く屋外12連戦をどう乗り切るかがポイントでしょう」(週刊誌野球担当記者。以下同)

 DeNAはとにかく暑さとの戦いだ。

「DeNAは8月に27試合が予定されていますが、そのうちドーム球場はわずか4試合。本拠地が屋外なので仕方ないとはいえ、阪神や広島と比べても、その数は圧倒的に少なく、“対猛暑”という点ではダントツで不利です。特に8月9日からは6カード連続で屋外球場の試合が続くので、それまでに暑さが一段落することを願うばかりでしょう」

 逆に、猛烈に有利なのは巨人だ。

「ドーム球場を本拠地とする巨人は、8月の27試合中18試合がドーム球場。しかも関東の試合が21試合もあり、移動も非常に少なくなっています。ちなみに広島の8月の日程は、広島→東京→関西→広島→東京→広島→名古屋→広島といった具合。もう少し何とかならなかったのかという印象は拭えません」

 そんな広島に関しては、こんな指摘もある。ベテランの野球ライターは言う。

「広島の前半戦のチーム防御率は2.16。大瀬良大地が0.82、森下暢仁が1.49、床田寛樹が1.71と、先発ローテーションに1点台以下が3人もいて、抑えの栗林良吏も防御率は0点台です。これは見事な成績ですが、今季は打高投低が顕著だとはいえ、いくらなんでもこれは出来過ぎ。後半戦のどこかで、こういった“異常値”はある程度修正されてしまうでしょう。大瀬良、床田、栗林はオールスターにも呼ばれ、ここでも疲労は溜まったはず。前半戦は投手陣に頼り切りだった攻撃陣が頑張らないと、一気に後退する可能性もあります」

 暑さでバテるようではプロ野球選手失格だが、客観的な条件だけなら巨人が圧倒的に有利。温度計や天気予報とにらめっこしながら8月の展開を眺めるのも、今シーズンの楽しみ方かもしれない。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2024/08/01 09:00
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