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『徹子の部屋』友近と因縁のリマッチ……「共演NG」レベルの険悪ムードから8年ぶり

黒柳徹子

 30日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にピン芸人・友近が出演。2016年以来、8年ぶりの『部屋』での再会となり、放送前から話題を呼んでいた。

 というのも前回、友近は番組後半から自らのキャラクターである演歌歌手・水谷千重子として登場。そのまま水谷として徹子に対応したことで不穏な空気が漂ったのだ。

 友近の“なりきり芸”をいまいち理解しない徹子は「芸歴50年」と言い張る水谷に対して「どうしてそういうことをおっしゃるの?」と詰め寄り、何度も水谷の発言を「ん、もういいです」などと遮る展開に。また、水谷状態の友近に別の定番ネタ「キャサリン」を振り、水谷が水谷のままキャサリンを演じると、カメラに向き直り「おもしろくないものをお目にかけて、みなさまに申し訳ない」と謝罪するなど、終始かみ合わないやり取りとなった。

 その異様な雰囲気は当時、ネットニュースでも大きく報じられ、一部メディアでは友近に徹子が「共演NG」を出したとも伝えられた。

 のちに友近自身が、当日の収録後には徹子から謝罪を受けて一緒に記念撮影し、わだかまりがないことを明かしているが、恒例の『アメトーーク!』(同)の「徹子の部屋芸人」でも取り上げられるなど、『部屋』の芸人回の中でも屈指の名試合として語り継がれているのだ。

 そんな友近と徹子の再戦となった今回、徹子は冒頭の呼び込みから「いつもとってもおもしろいこの方、友近さんです」と紹介。前回「おもしろくないもの」と言い放ったとは思えない歓迎ムードだ。続いて、「さまざまなキャラクターを演じる友近さん、私もときどき誰が誰だかわからなくなりますが」とエクスキューズを挟むと、「今日も笑わせていただきます」のパンチライン。余裕の笑顔で受け流す友近だが「今日も笑わせていただきます」という言葉は、『部屋』の芸人回においては実に重い。

 前半、友近が出演していた『ブギウギ』(NHK総合)の話題を振った徹子だったが、その最中、唐突に「私は好きなのはキャサリンなんですよ」とキャサリンネタを要求。8年前より落ち着いて見える友近は難なくキャサリンでアドリブを繰り出し、徹子から「ぐふふふ」という低音の笑いを引き出すことに成功した。

 その後、2人で8年前の共演時に披露した「2人の黒柳徹子」のVTRを振り返り。友近が徹子のモノマネで徹子にパンダやラクダのモノマネをさせるという和やかなシーンが映し出された。この後、水谷の登場でスタジオは地獄と化したわけだが、当然、その振り返りはない。

「で、今日は何をやってくださるの?」

 徹子のリクエストに、「朝ドラの主人公」「昭和のCM」「ダンスの先生」などのハイクオリティなオリジナルモノマネを披露。ひとしきり笑うと、徹子は再び「キャサリンだっけ?」とキャサリンをリクエストする。よっぽどキャサリンが好きなようだ。

「いいですね、この環境でやるのって斬新で、やっぱりいいですね」と友近。

 芸歴20年を超え、今や友近といえば誰もが認める1人コントの職人である。中川家・礼二やロバート・秋山竜次というその道の達人を向こうに回して、ときにその相手を食ってしまうほどの芸を見せてきた。もう試されることもないし、スベることもない。

 そんな友近が、実にうれしそうに「この環境、いいですね」と言うのである。

 数々の芸人たちを血祭りにあげてきた芸人地獄門『徹子の部屋』。その鬼の棲む地獄で「刺激的です」と笑う友近もまた、芸の鬼ということだろう。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/07/31 17:00
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