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柔道・永山竜樹、ガリゴスと和解で騒動終結も…残る「審判の誤審続発」問題

永山竜樹/Getty Imagesより

 パリ五輪の柔道男子60キロ級準々決勝における〝誤審〟騒動をめぐり、永山竜樹が対戦相手だったフランシスコ・ガリゴス(スペイン)から謝罪を受けたことを報告。一時はガリゴスのSNSに誹謗中傷が殺到し、国際問題に発展しかねない状況だったが、永山が懐の深さを見せたことで騒動は一件落着となりそうだ。

 問題の準々決勝では、主審が「待て」をかけたにもかかわらず、ガリゴスが締め技を解かずに約6秒も締め続けたことで永山が失神。本来なら「待て」の後の締め技は無効だが、審判は永山の一本負けを宣告した。

 永山はその場に約5分間居座って抗議の意思を示し、ガリゴスとの握手も拒否。日本側は猛抗議したが、審判団は「落ちたよね」の一点張りで取り合わず(後に『待て』は誤りだったと認めたと報道)、判定は覆らなかった。永山は敗者復活戦から銅メダルを獲得したものの、夢だった金メダルを逃す結果となった。一方、ガリゴスは準決勝でエルドス・スメトフ(カザフスタン)に敗れ、3位決定戦で銅メダルを獲得している。

 試合後、ガリゴスのInstagramに日本語による批判コメントが殺到。「銅メダルは返上した方がいいですよ」「あんな試合で勝って喜びはしゃいで、人間性を疑います」「反則行為で勝ってそんなに嬉しいか?柔道家として失格だよ」「神聖なる柔道に対する冒涜」といったコメントが飛び交い、中には「あなたがやったことは柔道ではなく殺人未遂ですよ」という物騒な意見もあった。この他、完全に誹謗中傷レベルの暴言なども含め、批判コメントの数は数千件にのぼった。

 試合後にガリゴスが「審判の待てが歓声で聞こえなかった」と主張し、コーチを務めるキノ・ルイス氏が「規則では、戦っていて首を絞められている場合、意識を失ったら自動的に負けになると定められている。そして彼(永山)は意識を失ったんだ」と発言したことなども火に油を注いだ。

 収集のつかない状況で遺恨が残るとみられていたが、永山は30日付のSNSで「ガリゴス選手が会いに来てくれました!彼から謝罪の言葉がありましたが、彼にとっても不本意な結果だったと思います」と直接の謝罪を受けたことを報告。ガリゴスとのツーショットと共に「オリンピックの舞台で彼と全力で戦えた事を幸せに思います!誰がなんと言おうと私たちは柔道ファミリーです!」と和解をアピールした。

 試合後はノーサイドというスポーツマンシップを体現するかのような言葉で、これに対してネット上では「曖昧なジャッジをしたレフェリーが悪いのであってガリゴス選手は悪くない。和解できて良かった」「謝罪を受け入れた永山さん、どんなに懐が深いのだろうと感銘を受けています」「直接謝罪に行ったガリゴス選手、それを受け入れた永山選手、どちらも素晴らしい!」などと感動の声が湧き起こっている。

 ただ、そもそも審判が適切に試合を裁いていれば今回のような騒ぎにはならなかったという根本的な問題は残る。

 29日に行なわれた柔道男子73キロ級の準々決勝では、橋本壮市が地元フランスのジョアンバンジャマン・ガバと対戦。両者ともに決め手を欠いた試合だったが、ガバの指導1に対して、橋本は指導3つで反則負けを喫し、ネット上では「明らかに橋本のほうが攻めていたのに指導を受けるのが橋本ばかりでおかしい」「審判の地元びいきでは」などと〝不可解判定〟が再び話題になった。

 過去にも、オリンピックでは大きな誤審が起きている。2000年のシドニー五輪柔道100キロ超級決勝では、篠原信一が内またを仕掛けてきた対戦相手のダビド・ドゥイエ(フランス)に返し技「内股すかし」を決め、ドゥイエが背中から落ちたことで、篠原は一本勝ちを確信してガッツポーズした。

 ところが、審判が高度な返し技を見抜けず、なぜかドゥイエに「有効」のポイントが入るという大誤審となり、それが響いて篠原は敗れた。これが大きな問題となってビデオ判定の導入が進むきっかけとなったが、その後も審判の質はあまり改善されず、誤審とみられる不可解な判定が続発している。

 オリンピックは選手が人生を懸けて臨んでいるだけに、その試合を裁くにふさわしいレベルの審判を用意してほしいものだが……。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/07/30 14:00
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