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RIZINは差別容認団体? 「Nワード」連発のライアン・ガルシアを歓待する危うさ

ライアン・ガルシアと榊原信行CEO

 28日にさいたまスーパーアリーナで開催される格闘技イベント『超RIZIN.3』を前に、榊原信行CEOが歓待しているのが、元ボクシングWBC世界ライト級暫定王者のライアン・ガルシアだ。

 以前から自身のSNSで「日本が好きだ」などとRIZINへの興味を示していたガルシアだったが、今月20日に行われた会見で榊原CEOが「来る可能性はあると思います」と『超RIZIN.3』への来場を示唆。榊原CEOは昨年の秋からガルシア側とコンタクトを取っていたといい、「RIZINとしてはいろんなものを“ウエルカム”で受け入れる寛容性を持っている」と語っていた。

 27日には『超RIZIN.3』の公開計量に姿を見せたガルシアとそろって写真に納まった榊原CEO。当日出場する皇治がガルシアに中指を立てて挑発する一幕もあり、ガルシアのRIZIN参戦に向けて着々と地盤を固めているように見えた。

 ガルシアは端正なルックスと強打、それに破天荒な言動で人気を集めてきたボクサーだが、暫定タイトル獲得後の2021年ごろから心身に不調をきたし始め、1年以上のブランクを作っている。復帰後の22年には2試合に快勝したものの、23年4月にジャーボンテイ・デービスに痛烈なノックアウト負けしたことでプロモーションとの関係も悪化していた。

 そんな中、今年4月にはデヴィン・ヘイニーとの対戦が組まれたが、規定体重を作ることができずに計量失格。その後の取材陣向けのセレモニー計量では体重計の上でビールをラッパ飲みするなどの暴挙を見せてファンや関係者から批判を集め、試合後にはドーピング違反も発覚した。

 これを受けてガルシアはSNSに「ステロイドが大好き」「俺はステロイドを飲み干す」と投稿するなど不安定な状態に。さらに6月にはのホテルで酒を飲んで酩酊し、部屋や廊下の物品を破壊した器物損壊容疑で逮捕されている。

 これらの事情から、ニューヨーク州のアスレチック・コミッションはガルシアに1年間の試合出場停止処分を下したが、ガルシア自身はプロボクシングの引退を宣言。UFCのダナ・ホワイトCEOにSNS上から呼びかけるなど、総合格闘技への進出を模索する様子が見られていた。

 上記のように大問題児であるガルシアだが、デービス戦では1億ドルを超えるPPVを売り上げており、その人気は折り紙付き。かねてから選手のドーピングや不祥事に“寛容”なRIZINなら、上記のトラブルもキャラクターとして消化できるに違いない。

 だが、問題はガルシアの人種差別発言だ。

 今月5日、ガルシアはSNS上やライブ配信で黒人を差別する「Nワード」を連発。さらに、クー・クラックス・クランを自称し(ガルシア自身はヒスパニック系である)、「黒人を殺そう」と呼び掛けるなど発言を過激化させているのだ。

 榊原CEOがガルシアのこうした発言を把握した上でRIZINに歓待しているなら、RIZINそのものが差別を容認する団体ともとらえられかねない。慎重な判断が待たれるところだ。

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最終更新:2024/07/28 14:00
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