テレビ局の不祥事で「女子アナ謝罪」相次ぐ…「経営陣が謝るべき」「当然のこと」と賛否
#テレビ #女子アナ #謝罪
テレビ局が不祥事を起こした際、アナウンサーが謝罪する場面が増えている。とりわけ女子アナが矢面に立たされるケースが目立っており、ネット上では「女子アナ謝罪」の是非をめぐり議論が巻き起こっている。
最近の「女子アナ謝罪」で最も話題になったのは、日本テレビの水卜麻美アナ。6月20日に出演した同局系『ZIP!』などで、昨年11月に系列局の幹部(当時)が『24時間テレビ』で視聴者から集めた寄付金を長年にわたり着服していたと発覚した問題について「皆様からの信頼を裏切ってしまう行為です。改めて心よりお詫びいたします」と謝罪した。
さらに、水卜アナは「皆様の信頼を裏切るようなことがありました。本当に申し訳ないと思っていますし、心苦しく思っています。でも、だからこそ、皆様が作ってくれた24時間テレビを続けたいです」と、涙ぐみながら『24時間テレビ』を継続する局の意思を代弁した。
もう一つ大きな話題になったのが、TBSの宇内梨沙アナによる謝罪。都知事選投票日の7月7日に放送された同局系『アッコにおまかせ!』で、「漢字表記の候補者は漢字で、かな表記の候補者はかなで書かなければならない」「漢字を間違えたら無効」などと間違った情報が伝えられ、当日の番組内で訂正があった。
正しくは「かなでも漢字でも候補者と特定できれば有効」「漢字を間違えても候補者が特定できれば有効」で、ネット上の視聴者からは「選挙の票の動きに影響が出かねない」「許されない誤報」などと厳しい声が集中した。
翌週の放送で、宇内アナが改めて情報を訂正した上で「東京都知事選挙の投票日当日に誤った内容を放送し、番組スタッフ一同、深くお詫びいたします」「二度と同じことが起こらないよう、制作体制を整えて放送に臨んでまいります」と謝罪し、深々と頭を下げた。
また、フジテレビでは米大リーグ・ドジャースの大谷翔平の新居を「場所特定」が可能な形で報道したとして、7月3日放送の『Live News イット!』でMCを務めるフリーの青井実アナが、翌日の『めざまし8』で同局の西岡孝洋アナが行き過ぎた取材を謝罪した。
こうした風潮について、ネット上では「なぜ女子アナに謝らせて、経営陣は知らん顔なのか」「会社の不祥事をいち社員のアナウンサーに謝罪させるのはおかしい」「女子アナの好感度を盾にしている」などと批判が続出。一般的に企業が不祥事を起こすと、マスコミは社長などの責任者に説明を求めるが、テレビ局が不祥事を起こした場合は「現場のアナウンサーが謝罪」で幕引きとなるため、これに違和感を覚えている人が多いようだ。
とくに先述した寄付金の着服、都知事選当日の誤情報、個人のプライバシーや身の安全にかかわる新居報道は重大な不祥事であるため、ネット上では「本来なら経営陣が記者会見を開いて謝罪・説明するべき」と指摘されている。
その一方、肯定的な意見もある。元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏は、25日付の自身のSNSで「会社のフロントであり『顔』的な役割を担うアナウンサーが何らかの不祥事があった場合に謝罪を責を負うのは当然のこと」と主張。続けて「それに文句あるアナもいないし、分かったうえで入社してるしね」と論じ、アナウンサーに謝罪させる風潮を疑問視する声に反論した。
ただ、これにも「アナウンサーがよくても、大きな不祥事を社員に謝らせて上層部はなにもしないのはおかしい」「そもそも、アナウンサーの謝罪だけで済ませようというのが間違い」といった意見が集まり、賛否両論となっている。
このまま各テレビ局は「とりあえずアナウンサーに謝罪させておけばいい」という方針を続けるのか、疑問の声も多いだけに考え直してみる必要がありそうだ。
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