NewJeansがK-POPグループの中でも存在感を増す理由とこれから立ち込める“暗雲”

2024/07/31 09:00

#NewJeans

　韓国の5人組ガールズグループ・NewJeans（ニュージーンズ）が6月26日と27日、日本では初となるファンミーティングを東京ドームで開催。海外アーティストとしては最速記録となるデビューから1年11カ月での東京ドーム単独公演となった。

　メンバーたちはドーム公演前にはテレビ朝日の音楽番組『ミュージックステーション』、フジテレビの情報番組『めざましテレビ』などに、公演後はフジの『FNS歌謡祭』、TBSの『音楽の日』など各局の音楽特番への出演も果たした。

「最年少メンバーのHYEIN（へいん）は4月に足を微細骨折したためパフォーマンスは控えていたが、ドーム公演ではオープニングから元気な姿でパフォーマンスを見せ、公式ファンクラブ名と同じ『Bunnies』と呼ばれるファンたちを喜ばせた。公演も盛り上がりを見ても、来日した他の女性K-POPグループを“ごぼう抜き”し、日本での人気ナンバーワンに躍り出たと見ていいでしょう」（音楽業界関係者）

　日本でK‐POP女性アーティストグループが本格的にブレイクしたのは、2010年にKARAと少女時代が日本デビューを果たして以降とされている。

　近年では毎年大みそかに放映される『NHK紅白歌合戦』でも重宝されており、初出場のNewJeansのほか、LE SSERAFIM、TWICEの派生ユニット・MISAMOがいわゆる“K‐POP枠”で出場を果たした。

　また、紅白出場組のほかにも、IVE、ITZY、BLACKPINKなどが日本でも人気を集めているが、ここに来て存在感を増しているNewJeansに関しては他の日本進出グループとは異なる独特の“色”があるという。

「日本で活躍する他のグループは、洋楽の女性アーティストを意識してか、女性の美や強さを全面に押し出し、体のラインを強調するようなセクシーな衣装を好む傾向があります。そんな中、BTSの所属するHYBEの傘下・ADORの代表のミン・ヒジン氏がプロデュースを手掛けるNewJeansに関しては、1990年代から2000年代のポップスとR＆Bの要素を組み合わせた音楽とスタイルで露出の多くない衣装をファッショナブに着こなし、レトロさ、青春のノスタルジーをコンセプトにしているのが大きな特徴です。そもそも、グループ名であるNewJeansはジーンズに由来しているくらいですし」(前出の音楽業界関係者）

　先のドーム公演でメンバーのHANNI（ハニ）が松田聖子のヒット曲「青い珊瑚礁」を歌ったことが最近話題となったが、他のグループとは一線を画すNewJeansのグループとしての色と昭和の日本のポップスとの相性の良さが際立った格好だ。

　しかし、好事魔多し。4月にはHYBEがミン氏に対し、背任行為などを理由にADORの代表を解任しようとする動きも。

　5月末に裁判所がそれを認めない決定を下したものの、まだまだ安息の日は訪れないようだ。

「まず、5月にILLITが所属するHYBE傘下のBELIFT LABが、業務上の妨害と名誉毀損の疑いでミン氏に告訴状を提出。さらに、同じくHYBE傘下で、LE SSERAFIMが所属するSOURCE MUSICがミン氏に対し、名誉毀損、業務妨害および侮辱によって受けた被害に対して、5億ウォン（約5000万円）相当の損害賠償を求める訴訟を起こしました。BELIFT LABはミン氏の『ILLITはNewJeansのパクリ』という趣旨の発言にかみついた。また、SOURCE MUSIC の方はミン氏がHYBEと揉めた際に『SOURCE MUSICが、当時同社の練習生だったNewJeansの一部メンバーを放置していた』と発言したことを問題視しています。NewJeansを短期間でトップスターに育て上げたミン氏ですが、身内からすら妬まれ、いつ足をすくわれるか分からない状況のようです」（韓国の芸能界に詳しい芸能記者）

　こうした状況の中、内輪揉めにあきれたミン氏が、NewJeansを引き連れて独立するのではないかといった噂もあるが、芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう語る。

「韓国の芸能界の国内市場は狭く、自社のアーティストやタレントを、日本をはじめとした海外でブレークさせることが大きなビジネスを成功させるうえで重要になってきます。ミン氏はNewJeansのみならず、アートディレクターとして海外でも人気の少女時代やEXOなどの人気グループにも携わり、その敏腕ぶりは広く知られています。NewJeansの成功により業界内でますます存在感を増す中、類いまれな才能を評価する一方で脅威に感じる向きも少なくないのかもしれません」

　ミン氏とNewJeansの今後の動向が何とも気になるところである。