トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > スポーツ  > 那須川天心、完全覚醒

那須川天心、完全覚醒 井上尚弥との「スーパースター対決」への道のりは?

那須川天心(GettyImagesより)

 那須川天心が、デビュー4戦目にして早くもトップ戦線に躍り出た。

 20日に東京・両国国技館で行われたプロボクシングに、WBA世界バンタム級7位の那須川天心が出場し、WBO同級4位のジョナサン・ロドリゲスに3ラウンドTKOで快勝。戦績を4戦4勝(2KO)に伸ばしている。

 那須川にとって、厳しい試合になるはずだった。相手のロドリゲスは那須川と同じ22歳。昨年11月には元世界王者のカリド・ヤファイに1ラウンドでKO勝ちを収めており、右のオーバーハンドに一発を秘める正真正銘のトップ選手。試合前には、関係者の間で那須川が負ける可能性もささやかれていたほどだ。

 だが、フタを開けてみれば相手に指一本触れさせない完勝劇。しかも、これまで見られなかった圧巻のノックアウトシーンで会場を盛り上げて見せた。

 前回の試合は3ラウンド終了TKOとはいえ、相手の足の負傷もあって消化不良が残っていた。デビューから2戦を判定にまで持ち込まれており、ファンや関係者の間でも那須川の攻撃力はプロとして通用しないのではないかという疑念がついて回っていたが、そんな疑念を今回、完全に払拭したと言っていいだろう。

 キックボクシング時代の場数や経験、天性の格闘センスはあるだろうが、今回の那須川は相当、練習をしてきたに違いない。苦戦も予想された試合で、那須川の何が変わったのだろうか。

「前戦あたりから重心を落として強いパンチを打ち込もうという意図は感じられていましたが、今回は距離が大きく違いました。相手のパンチも当たる距離で細かく頭を動かしながら踏み込んでいくスタイルはリスクもありますし、キックと比べれば数10cmも近い距離になります。ボクサーとしての着実な進化を感じましたね」(ジム関係者)

 現在、世界バンタム級のタイトルは4団体すべてが日本国内にあるという状況。この日のメインイベントで圧倒的な1ラウンドKO劇を見せ、初防衛に成功したWBC王者の中谷潤人に加え、WBA王者の井上拓真は5月6日の東京ドーム興行で強豪であるジェルウィン・アンカハスをノックアウトして覚醒中。キャリア9戦目で階級最強と目されていたエマニュエル・ロドリゲスを下してIBF王座を獲得した西田凌佑もいるし、WBOの王座には那須川と同じくキックボクシング出身の武居由樹が君臨している。そのほかにも、国内にバンタム級の世界ランカーがゴロゴロいる状況だ。

 那須川自身も試合後の会見で「チャンピオンたちも僕は眼中にない感じだったと思うんですけど、もう無視できなくなってくるぞという(状況になった)」と語っていたが、現在、実力としてはどのあたりの位置にいるのだろうか。

「もちろん、ボクシングはやってみなければわからない部分はありますが、世界王者4人もうかうかしていられないと思いますよ。次のターゲットはおそらく、4戦目で対戦のうわさもあったOPBF東洋太平洋王者の栗原敬太になるでしょうが、今日の那須川の出来なら栗原不利と言わざるを得ないですね」(同)

 当面は、同じキック出身の武居との因縁の対決が望まれるところだが、このまま進化していけば絶対王者の中谷、そして1階級上の井上尚弥とのスーパースター対決まで見えてくる。そう思わせるほどの、この日の那須川だった。

日刊サイゾー

芸能・政治・社会・カルチャーなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト。

Twitter:@cyzo

サイト:日刊サイゾー

にっかんさいぞー

最終更新:2024/07/21 16:00
ページ上部へ戻る

配給映画