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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『GO HOME』に見る善意の押し付け

『GO HOME』第2話 善意の押し付けと思い上がりに満ちた不遜なドラマ

大島優子(GettyImagesより)

 小芝風花と大島優子が身元不明の遺体を調査し、家族の元へ帰そうとするドラマ『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系)も第2話。基本的には毎回ゲスト死人を迎えて1話完結型で進むようです。

 振り返りましょう。

■説得するようなことなのか

 今回はボロアパートで謎の4,000万円を残して孤独死したご老人・雪雄さん(片岡鶴太郎)が身元を探られることになりました。

 40年前に家族を捨てて上京し、日雇い暮らしをしていた雪雄さん。アパートの賃貸契約書もなければご近所付き合いもなく、無縁仏としてサクラ(小芝)とマコト(大島)が働く警視庁身元不明人相談室に回ってきました。

 サクラとマコトは周辺を聞き込みしたり、震災後に住み込みで雪雄さんが働いていたという原発作業の会社を訪ねて福島に行ったり、いろいろ調査を進めます。

 一時は雪雄さんが強盗事件の一味だった疑いが浮上しますが、結果、4,000万円は雪雄さんがコツコツ貯めていた“キレイなカネ”だったことが判明し、サクラとマコトは雪雄さんが捨てた息子の元へ。息子を説得して、遺体と遺産を引き取らせることに成功しました。

 この2話で共通している展開は、「大して調べもせず、とりあえず引き取れと迫る」→「遺族が拒否」→「よく調べて、もう一度説得」→「わかりました、ありがとう(涙)」というものです。

 この2人、前回も今回も、すごく遺族を説得するんです。行方不明になっていたあなたの家族が死んで見つかりました、というお知らせをするまでは警察の仕事の範疇だと思うんですが、一回遺族が拒否したら別にもうよくない? と思うんですよ。私たちがよく調べたら、この死んだ人はあなたのことを深く愛していました、だからよかったでしょ、なんてのはあくまで結果論であって、必ずその結論に至るのはご都合主義でしかない。

■やっぱり不遜です、すごく不遜

 今回のラスト、解決への手がかりとなった雪雄さんの友達のホームレスに、サクラが高級な弁当を持っていくシーンがあります。

 お礼のつもりなんでしょう。食うや食わずのホームレスだから、高級弁当を恵んでやれば喜ぶに違いないと思ってる。何様のつもりなんでしょう。ホームレスの人間を、犬か何かだと思ってるのかな。

 弁当を3つ持って、ホームレスが暮らす河原に行って、満足気な顔で弁当を食って、にっこり。そこには、すべてを解き明かしてくれたサクラに感謝の表情を浮かべる雪雄さんの亡霊が現れたりします。

 サクラは、私だけはこの死人の本心を知っているという顔をしています。なぜなら、がんばって調査したから。しんどいこともあるけど、キックボクシングでストレス解消してがんばってるから。

 死んだ人の身元を割り出すことをミステリーとしているわけですし、ミステリーには謎解きが必要ですから仕方ないんですが、死んだ人に対して「この人はこう考えていた」って一面的に決めつける展開が、なんだかすごく苦手な感じなんです。

 4,000万円の受け取りを拒否する遺族に対して「おまえには病気の子どもがいるだろう」と迫るシーンなど、ちょっと反吐がでちゃったね。どうやら『GO HOME』は善意の押し付けと思い上がりに満ちた不遜なドラマになりそうです。きっつー。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

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最終更新:2024/07/21 14:00
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