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『内村プロデュース』が一夜限りの復活へ 有田哲平、有吉弘行に継承される「育成マインド」

内村光良

 19日、テレビ朝日のバラエティー番組『内村プロデュース』がこの秋、一夜限りの復活を果たすことが発表された。

 テレビ朝日開局65周年記念として放送されるという『祝!内村光良還暦祭り 内村プロデュース復活SP!!』は、『内P』にとって2008年3月の単発スペシャル以来、16年ぶりの復活となる。

『内P』が放送されたのは、00年4月から05年9月までの5年半。内村と同局アナウンサー・徳永有美との不倫騒動が発覚したことで不本意な形で打ち切りとなったが、業界内外からは今回の復活を喜ぶ声が上がっている。

 最後の放送から16年がたった今でも『内P』という番組がファンの記憶に残り続けているのには、理由がある。『内P』は、現在バラエティでトップを張る芸人の多くを育成・再生してきた番組なのだ。

 その代表格といえるのが、有吉弘行だろう。『進め!電波少年』(日本テレビ系)でのヒッチハイク旅に猿岩石として出演し、一躍国民的なブレークを果たした有吉だったが、その後は低迷。一時はレギュラー番組が地元・広島での1本のみになった時期もあった。

 そんな有吉を『内P』はさまざまな形で起用し、それまで歌手やタレントとしての活動ばかりが注目されていた有吉のお笑いの才能を開花させたのだ。

 有吉は後に内村について「命の恩人」と語り、18年にはインスタグラムに『内P』で披露した「猫男爵」のメイク写真を投稿するなど、各メディアでたびたび『内P』への愛着を明かしている。

 また、くりぃむしちゅーの有田哲平もまた『内P』によって大きく羽ばたいた芸人のひとりだ。『内P』は有田にとって初めてとなるピンでの参加番組だったが、さまざまな企画の中でキャラクターを確立させ、多くのモノマネを開発した現場となった。

 現在の有吉と有田に共通するのは、ともに若手を育成する番組に携わっていることだ。有吉は『有吉の壁』(日本テレビ系)で数多くの後輩のネタをジャッジする役回りを演じているが、「〇×」の札でジャッジするなど『内P』との共通点も多く、過去には『内P』のパロディ企画を行ったこともある。

 有田は『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)で毎週若手のツッコミ芸人をキャスティングし、ムチャ振りして追い込むことで芸人たちのポテンシャルを引き出しているし、NHKでは『有田P おもてなす』という『内P』テイストを踏襲したレギュラーを持っていたこともあった。

 有吉と有田が後輩と対峙するとき、いつも感じることがある。有吉も有田も、とにかくよく笑うのだ。破顔し、文字通り腹を抱えて笑う。

 これこそが、内村光良が『内P』で実践していた育成マインドに違いない。内村も『内P』内で後輩たちにとんでもないムチャ振りをしたり、追い込んだり、ときには一緒に汗をかいたりしながら、とにかくよく笑っていた。

 尊敬する先輩を笑わせた経験ほど、自信になることはないだろう。

 秋の『内P』スペシャルには、「内P出てた芸人」「内P見てた芸人」が参戦するという。願わくば、往時のように全力で内村を笑わせようとする有田や有吉の姿、そして、それに爆笑する内村の姿を見たいものだ。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/07/19 17:00
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