『ブラックペアン2』天城・二宮和也が持ち出した“ファイル”の中身と佐伯・内野聖陽との対立
#ブラックペアン2
日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)の第2話が7月14日に放送された。“悪魔”と呼ばれる天才心臓外科医・天城(二宮和也)が所属することになった東城大学医学部付属病院。医師や看護師たちが困惑を見せるなか、病院長・佐伯(内野聖陽)は高みの見物を決め込む。第2話は天城の天才的手技とともに、医師としてのプライドと利権に支配された登場人物たちの動向に見入る放送回となった。
本作品は、金と命を天秤にかける天才外科医・渡海が活躍した『ブラックペアン』の続編。主演は前作に引き続き二宮和也だが、主人公となるキャラクターは渡海ではない。新たな天才外科医として登場した天城は、手術依頼を受けるか否かをルーレットで決めるという変わり者だ。命をもてあそぶかのような天城の方針に、東城大学医学部付属病院の医師・世良(竹内涼真)や依頼人も困惑するが、心臓外科手術の技術は唯一無二。手術不可能と思われた心臓病も鮮やかな手さばきで処置してしまう。天城の腕を見込んだ佐伯は、計画中の新病院センター長として天城をスカウトする。佐伯が天城をスカウトした理由とは、そして佐伯の真の目的とは……。
天城は東城大学医学部付属病院に着任早々、新病院のセンター長候補である外科医・高階(小泉孝太郎)や黒崎(橋本さとし)を「(高階自慢の手術用医療機器である)スナイプはガラクタ」「黒崎先生はチカラ不足」とあおりまくる。天城は医療界において日本の存在感が薄れている危機感を伝える“テイ”で、自身が新病院センター長にふさわしいと誇示したのだろう。金は有り余るほど手にしている天城だ。そんな天城が新病院のセンター長に執着するのには理由があるはずだ。
唯我独尊に見える天城だが、第2話では周囲の人物に意識を張り巡らせたリサーチ力が光った。心臓に大病を患う洋菓子店店主・繁野(誠直也)と孫・結衣(堀越麗禾)との“アップルパイのレシピ”を巡る関係性、主任看護師・猫田(趣里)が洋菓子店の常連客であること、天城の公開手術を妨げる“ガヤ”安島(新納慎也)が隠す医療ミス……。繁野の手術完遂までにはいくつか騒動が起きそうな気配だったが、すべては情報戦を制した天城のシナリオどおりとなった。特に、天城にとっては“元・渡海の右腕”猫田をチームに取り込めたことは大きい。今後訪れるであろう高難易度手術に立ち向かう“チーム天城”の基礎ができたと言っていいだろう。
この先の展望としては、日本医学会の会長の座を巡る佐伯と維新大学教授・菅井(段田安則)との争いが軸になるはずだ。佐伯は天城を利用して新病院こそ日本最高峰の心臓外科であることを示し、会長選挙を有利に進めようとするだろう。しかし、菅井は第2話と同様に引き続き妨害してくるに違いない。第2話で菅井は高階の“寝返り”を画策したが、今後は天城の手術スキルの高さにプライドをズタズタにされた黒崎や、公開手術であわや医療事故となるミスを犯した垣谷(内村遥)が寝返りのターゲットになりそうだ。
佐伯と天城の関係は良好のように見えるが、天城が誰かの部下としておとなしくしているとは思えない。第2話のエンディングには、東城大学医学部付属病院の資料室でファイルを物色する天城の姿が映し出された。そして、資料室から出る天城の手には『医療事故調査報告書』と書かれたファイルが……。世界的名医である天城が日本のいち病院に着任してまで知りたかった情報が、きっとこのファイルに記されているのだろう。ただ、そのファイルには日本医学会会長の座を目指す佐伯にとって隠したい過去が封印されている可能性もある。そうなれば天城と佐伯の対立は避けられないだけに、今後も天城と佐伯2人の動向・関係性に注目だ。
■番組情報
日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』
TBS系毎週日曜21時~
出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな、キム・ムジュン、田中みな実、石坂浩二、趣里、段田安則、小泉孝太郎、内野聖陽 ほか
原作:海堂尊「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」(講談社文庫)
脚本:槌谷健、守口悠介 ほか
音楽:木村秀彬
主題歌:小田和正「その先にあるもの」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監修:山岸俊介(イムス東京葛飾総合病院)
プロデュース:伊與田英徳、武藤淳、佐久間晃嗣
演出:西浦正記、加藤亜季子、伊東祥宏
製作著作:TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/
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