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パリ五輪スケートボード小野寺吟雲「大谷翔平並みのスター性」で日本のスケートボード文化を変える逸材に

パリ五輪スケートボード小野寺吟雲「大谷翔平並みのスター性」で日本のスケートボード文化を変える逸材にの画像1
小野寺吟雲(写真/Getty Imagesより)

 開催間近のパリオリンピックにおいて、日本代表選手の活躍が大きく期待されているのがスケートボードだ。2021年に開催された東京五輪でのメダリストに加え、フレッシュな若き新星も登場し、2大会連続のメダルラッシュとなる可能性も高いと見られている。

 東京五輪のスケートボード競技では、男子ストリートでの堀米雄斗(金メダル)、女子ストリートでの西矢椛(金メダル)と中山楓奈(銅メダル)、女子パークでの四十住さくら(金メダル)と開心那(銀メダル)と5人の日本選手がメダルを獲得。

今回のパリ五輪では、西矢椛は出場権を獲得できなかったが、残りの4人が2大会連続でのメダルを狙う。そのほか、東京五輪では9位とふるわなかったもの、昨年12月の世界選手権で金メダルを獲得するなど、世界のトップスケーターとして活躍する男子ストリートの白井空良もまた、メダル有力候補と言われている。

 さらに、注目度を高めているのが、男子ストリートで堀米や白井と戦うこととなる小野寺吟雲だ。現在14歳の中学3年生である小野寺は、男子ストリートにおける五輪予選ランキング1位で代表権を獲得。つまり、現時点で世界一、金メダル候補No.1なのだ。

 若くして数々の実績をあげている小野寺。2022年には日本選手権に初出場初優勝、当時12歳で最年少優勝記録となった。また、2023年のXゲームズ千葉大会でも史上最年少での優勝を果たしている。

「難しいトリックでもさらっと成功させてしまう高いスキルが持ち味。そのうえで自身がスケートボードを楽しんでいる様子が伝わってくるのも素晴らしい。長い髪を束ねた個性的なスタイルも魅力的で、すでに世界では“GINWOO”の愛称で大人気です。パリ五輪で金メダルを獲得するようなことがあれば、さらに世界的な知名度を高めていくはずです」(スポーツライター)

 東京五輪でのメダルラッシュの影響もあり、日本全国ではスケートパークが次々と建設されている。しかし、日本国内でのスケートボード人気は、世界に比べるとまだまだ小規模なものだ。

 世界ではたくさんのスケートボードの大会が開かれていて、出場するトップレベルの選手は大スターであり、収入も莫大。しかし、そういった選手であっても日本での知名度はゼロに等しく、日本国内で活動するプロスケーターが大きな収入を得るのは現実的ではない。日本でのスケートボードの裾野は広がってはいるものの、世界に比べればまだまだなのが現状だ。

「スケートボードの文化は、まさに“ストリート”で生まれたもので、元はと言えば街なかで自由に楽しむものです。しかし、日本のストリートでスケートボードを楽しむというのは、交通事故を引き起こしかねないし、歩行者や近隣住民への迷惑になるから難しい。スケートボードは路上で気軽に始められることも魅力のひとつであるはずなのに、それができないのが日本という国ならではの事情があります。東京五輪後に専用パークが増えている一方で、路上でのスケートボードは以前よりも厳しく禁止されるようになっているというジレンマもある。専用パークに通うのはハードルが高い初心者の子供たちには、気軽にスケートボードを楽しむ機会がないんですよね。日本と海外との“文化のギャップ”だと言ってしまえばそれまでですが、日本選手が世界で活躍していることを考えると、日本でスケートボード文化が根付かないのはもったいない」(同)

 だからこそ、否が応でも小野寺吟雲のような若きスターへの期待が高まってしまう。

「小野寺は、野球でいうところの大谷翔平に匹敵するくらいの大スターになるポテンシャルを秘めた選手です。もし小野寺がパリ五輪で活躍して、多くの子供たちが憧れる存在になれば、日本でもスケートボード文化がもっと身近になるかもしれないという期待があります」(同)

 小野寺や東京五輪のメダリストたちだけでなく、有力選手が揃っているパリ五輪スケートボード日本代表。その活躍が、日本のスケートボードの歴史を大きく塗り替えるかもしれない。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2024/07/23 09:00
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