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『笑うマトリョーシカ』人気政治家を操るのは一体…“第3の支配者候補”、その正体

『笑うマトリョーシカ』人気政治家を操るのは一体…第3の支配者候補、その正体の画像1
清家一郎演じる櫻井翔

 7月12日、金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』(TBS系)の第3話が放送された。『政界期待の星』とされる若手政治家を操るのは誰か……。政務秘書官、大学時代の元恋人など怪しい人物が次々に現れるなか、“黒幕”にふさわしい魔性のオーラを放つ女性が登場したことで先が読めない展開になってきた。

 本作品は、43歳で厚生労働大臣に抜擢された人気政治家・清家(櫻井翔)と、優秀なブレーンとして清家を支える政務秘書官・鈴木(玉山鉄二)の快進撃の裏に隠された秘密をめぐるヒューマン政治サスペンスだ。主人公の東都新聞記者・道上香苗(水川あさみ、以下、道上)は、不慮の事故死を遂げた父・兼髙(渡辺いっけい)が亡くなる直前に鈴木と会う約束をしていたことを知る。兼髙が鈴木と直接会ってまで確かめたかったのは、過去に鈴木の父が関与した贈収賄事件、通称BG株事件についてだった。道上は「父はBG株事件の真相に迫ったため、鈴木によって殺されたのではないか……」という疑惑を抱く。記者魂に火のついた道上は鈴木と清家について調査するなかで、鈴木と清家は高校時代から“ただならぬ絆”で結ばれていたこと、そして清家の人格形成に大学時代の元恋人・美恵子(田辺桃子)が関与していたことを知るのだった。

 第2話で突如として“黒幕候補”として登場した美恵子。美恵子はまるでマトリョーシカのようにいくつもの顔をもち、清家や鈴木に対しては三好美和子、シナリオコンクールに脚本を応募する際は真中亜里沙と名乗る。今後、道上はシナリオコンクールの応募情報をもとに、美恵子の正体を探っていく展開になるだろう。

 現時点でいえるのは、間違いなく美恵子が清家の政治家人生の“序章”に関わっているということだ。清家が大学時代から師事していた代議士・武智(小木茂光)は、政治家を勇退する前に交通事故死を遂げている。武智は政治を引退するつもりで自身の地盤を清家に譲る準備をしており、清家はおとなしく待っていても29歳で政治家になれるはずだった。それが武智の事故死により、清家は武智の地盤を引き継ぎ27歳で選挙に当選した。これは「清家君を27歳までに一人前の政治家にする」と宣言していた美恵子の“有言実行”にほかならない。ただ、美恵子が『“いまもなお”清家を操る支配者』とは断定できない。美恵子は27歳で人生を全うすることを信条にしており、すでにこの世を去っている可能性があるのだ。

 現在の清家を操る“黒幕候補”は、作中で稀に登場する謎の女(高岡早紀)だ。彼女は清家と鈴木の同級生で、料理店「春吉」を営む佐々木(渡辺大)と秘密裏に会う関係で、鯛めしを見て「武智先生も好きだったな」とつぶやいた。武智の元政策担当秘書・藤田(国広富之)は「武智先生はある女性と不倫していた」と証言しており、鯛めしを前に意味深な笑みを浮かべる謎の女は不倫相手の大本命と見るべきか。謎の女は武智を失った後、その地盤を引き継いだ清家に“鞍替え”したとすれば……。鯛めしをキーワードにすれば美恵子と同一人物である線も残るが、ともあれ第4話の予告動画では、謎の女と誰かが会話しているシーンがあり、そこで謎の女と清家との関係性が語られるのかもしれない。

 これまでは、鈴木や美恵子など、清家を取り巻く人間たちの争いを中心とした展開となっている。だが、“実は自我が強い人間”である清家の言動を見過ごしてはならない。清家は周囲の目を盗んで道上と連絡を取り続けている。さらに、清家は政治家として成し遂げたい“悲願”があると鈴木に語った。相棒である鈴木にも明かしていない清家の“悲願”とは? 会社の持ち場を放棄してまでも取材に没頭する道上には、なんとしても清家の鉄壁ガードを打ち破って“悲願”を明らかにしてほしいところだ。

■番組情報
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
TBS系毎週金曜22時~

出演:水川あさみ、玉山鉄二、櫻井翔、丸山智己、和田正人、渡辺大、曽田陵介、渡辺いっけい、高岡早紀、ほか

プロデューサー:橋本芙美
演出:岩田和行、城宝秀則、小林義則
原作:早見和真「笑うマトリョーシカ」(文春文庫)
脚本:いずみ吉紘、神田優
音楽:大間々昂
主題歌:由薫「Sunshade」(Polydor Records)
政治監修:須山義正、武田一顕
法律監修:岡本直也
児童福祉監修:永野咲
警察監修:石坂隆昌
医療監修:中澤暁雄
編成:杉田彩佳
製作:共同テレビ、TBS

公式サイト:https://www.tbs.co.jp/waraumatryoshka_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2024/07/19 09:00
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