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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > くるまと永野が「キャプチャ拡散」に苦言

令和ロマン・くるまと永野が「SNSでTVキャプチャ拡散」に苦言 『水ダウ』藤井氏は……

写真AC

 8日深夜に放送された『永野&くるま クレバーなクレーマー』(テレビ朝日系)がSNS上で大きな反響を呼んでいる。

 同番組は、令和ロマンの高比良くるまとピン芸人の永野が、実際にテレビ局や番組に寄せられた投書の内容を紹介し、「クレバーなクレーム」か「ただの言いがかり」かをジャッジするというもの。この日は逆に、テレビマンから視聴者へのクレームが紹介された。

「SNSで番組をキャプチャしてバズっているのをよく見かけます。『番組が拡散されるからいいでしょ』という意見も目にしますが、元ネタとなる番組のTVerへのリンクすら貼ってないことが多いですし、みなさんが怒っているネットニュースのコタツ記事と同じ行為です。というか、そもそも著作権的に違法行為なのでダメです」

 確かに昨今、X(旧Twitter)などでテレビ番組のキャプチャ画面を貼り付けているユーザーを見かけることが多いが、このクレームに対し、永野が「それやってる人って、関係者ぽい意識ない?」と指摘。

「しかも、サンプリングのセンスに命かけてない? あいつら」(永野)

 これには、くるまも大いに賛同。

「俺は『自己肯定感の最下層』って呼んでるんですけど」としながら、そうしたユーザーを「テレビを監視する超越した存在なのだ、みたいな意識」と分析してみせた。

 番組では「違法動画や画像の削除作業を行っています。TVerへのリンクを貼ればOKではないです」と強調されたが、この放送終了後から、SNS上にはさまざまな意見が投稿されている。

 キャプチャ画像を投稿しているアカウントの声の多くは、違法性を認識した上で「番組の宣伝になれば」という善意に基づいた行為だったというものだ。それをテレビ側から、半ば揶揄される形で否定されたのだから、少なからずショックもあるだろう。

 しかも、くるまと永野は現在のテレビバラエティの中でもっとも先進的な価値観を披露している芸人ととらえられており、『クレバーなクレーマー』のキャスティング意図も、そうした視聴者側の認識の上で成り立っていたはずだ。

 違法アカウントを運営している視聴者のほとんどは、おそらく、くるまと永野が好きである。好きな人から、ガツンと言われてしまったのだから、悲嘆に暮れるのもよくわかる。

『水曜日のダウンタウン』(TBS系)のプロデューサーである藤井健太郎氏は、「テレビ等の映像を無断でネットにアップすることの良し悪しって、動画か静止画かってとこもあるんだけど、何より別の目線がついているかどうかだと思います。」と自らの6年前の投稿をリポストし、こうした問題について、テレビ関係者は長く頭を悩ませてきたというアピールしている。

 また昨年7月には、『クレバーなクレーマー』のディレクターであるテレビ朝日の秋山直氏が「NEWSポストセブン」の取材に応じた際、番組中のテロップの入れ方について「SNSを意識してやってます。ホントはいけないんですけど、Twitterで切り抜いている人いるじゃないですか。Twitterって画像4枚なので、4コマ漫画のように4つで落ちるように特徴的なテロップをつけてます」と語っていたこともある。

 作る側と見る側、それぞれに事情があり、思いがある。SNSの発達はテレビの力で止めることはできないし、視聴者がいなければテレビは存在しえないものだ。

 同じ取材記事で秋山氏は、「演者さんに対しても、視聴者の方に対しても、あの番組ダセぇなって思われることだけは絶対にしないでおこうっていうのを一番大事にしています」とも語っている。一視聴者として、作り手に「ダセぇ」と思われない楽しみ方をしたいものだ。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/07/12 16:00
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