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『孤独のグルメ』映画化で松重豊「ラブストーリー入れたい」井之頭五郎にロマンスあった?

松重豊(GettyImagesより)

「おっさんがただ、飯を食うだけ」の内容で人気を博しているドラマシリーズ『孤独のグルメ』(テレビ東京系)が来春、映画化されることが発表された。

 テレビ東京の開局60周年特別企画として制作されているのは『劇映画 孤独のグルメ』。主人公の井之頭五郎を演じている松重豊が主演に加え、監督と脚本も担当することになるという。公開は2025年1月10日になる、。

『孤独のグルメ』は、久住昌之原作、谷口ジロー作画によるコミックを原作としたグルメドラマ。輸入雑貨を扱う井之頭が仕事先でさまざまな飲食店に立ち寄り、ひとりで食事をする様子の描写のみに特化した1話完結型のドラマだ。

 12年新春にシーズン1がスタート。当初は話題にも乏しかったが、その特異な内容が徐々に注目を集め、同年秋には早くもシーズン2が放送される人気シリーズに。

 その後も毎年のようにシリーズを更新、17年からは毎年大みそかスペシャルも放送されるなど、テレビ東京にとっては局の看板番組といえるほどに成長している。

 そんな『孤独のグルメ』の映画化に際し、松重は「日本の映画システムにおいて、のみ込まれる危惧があった」という考えから、監督に立候補。「一番、僕が頭に立って全体がやりやすくなれば、それでいいと思った」とコメントしている。

 また、脚本については「物語として一番大事なのはラブストーリーは絶対に入れたい」「大冒険ものにしたい。冒険とラブストーリーがある。僕らの仕事は今の社会を移す鏡。今の日本からなにかを照らし出す内容を劇映画として反映させたい」と、『孤独のグルメ』らしからぬ宣言を行っている。

 フランス・パリでエッフェル塔をバックにクランクインしたという同作品だが、松重の「ラブストーリーは絶対に入れたい」というコメントは、どこまで本気なのだろうか。

 実際、ドラマシリーズ『孤独のグルメ』も、ロマンスとまったく無縁だったわけではない。井之頭五郎には小雪(さゆき)という女性との交際歴があり、その小雪の職業は、なんと女優である。

 ドラマ版で小雪を演じたのは、目黒真希。その登場シーンは、わずか2回だ。

 一度目はシーズン1の第4話。千葉・新浦安の結婚式場を訪れた五郎は、新しく企画しているというブライダルフェアの手伝いをすることに。そこで式の打ち合わせをしている新婚カップルを目の当たりにした五郎は、しばし小雪を思い出すことになる。

 五郎の頭に浮かんだのは、ウェディングドレス姿の小雪。

「五郎さん、どう?」とほほえみかける小雪の姿を思い出した五郎は打ち合わせを終え、「あのときのことを思い出してしまうとは」とひとりごちる。

「あれは、俺がパリに住んでいたころのことだ……」

 パリ在住の小雪は「日本に帰りたくない」という。

「五郎さんのお嫁さんになっちゃおうかな」

 思わず目線をそらし、「そんなことできるわけないだろう」という五郎に、小雪は迫る。

「私はできるよ。五郎さんはどうなの?」

「それは……その……それよりなんか、甘いもんでも食べに行かないか」

 ごかました五郎に、小雪は「五郎さん、勇敢じゃないもんね」と告げるのだった。

 そんな小雪とのひとときを思い出した五郎は、腹が減るのだった。

 次に小雪が『孤独のグルメ』に登場したのは、5年後の17年、シーズン6の第9話だった。東京・旗の台で銭湯のリノベーションを依頼された五郎は、その銭湯で撮影した写真を見直しながら、カメラの中にパリ時代のデータが残っていたことに気づく。そして再び、「小雪、元気かなぁ……」とつぶやくのだった。

 思い出したのは、シーズン1と同じシーンだった。「甘いもの食べに行こうよ」。

 小雪の顔を思い浮かべながら「甘いもの……腹が、減った」と、いつものように五郎は店を探すのだった。

『孤独のグルメ』で描かれたラブシーンといえる場面は、わずかにこの2つだけである。しかも、その2つともが結局のところ「腹が減る」きっかけでしかない。

 そんな『孤独のグルメ』で、松重はどんなラブストーリーを繰り広げるつもりなのだろうか。今から期待しすぎて、腹が減ってしまいそうだ。

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最終更新:2024/07/10 20:00
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