『笑うマトリョーシカ』鈴木への暗殺疑惑で浮上した“黒幕” その正体は清家の元恋人か…
#笑うマトリョーシカ
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』(TBS系)の第2話が7月5日に放送された。国民の期待を背負う若手政治家と、それを支える優秀な政務秘書官の“黒い噂”に踏み込んでいく展開となった第2話。しかし、“噂”の深部は相当に混沌としているようだ。
早見和真氏の同名小説(文春文庫)をドラマ化した、ヒューマン政治サスペンスである本作品。櫻井翔演じる笑顔が印象的な厚生労働大臣・清家は、発売した自伝が話題になるほど人気を集めている。
現実でもドラマでも「政治には悪事がつきもの」という認識が定着した昨今、クリーンかつ好感度の高い清家は稀な存在といえるが、彼には表舞台での言動を事細かに演出する優秀なブレーンがいる。それが政務秘書官の鈴木(玉山鉄二)だ。同じ43歳同士、高校時代から続く間柄というコンビだ。しかし、鈴木の父が絡んだ贈収賄事件・通称BG株事件を調べていた新聞記者・道上兼髙(渡辺いっけい)が不審な交通事故死する。彼は鈴木によって調査内容もろとも抹消されたのだろうか……。
兼髙の娘である東都新聞記者・道上香苗(水川あさみ、以下道上)もまた、何者かが自宅に侵入し、BG株事件の調査ノートのみ持ち去られてしまう。清家を総理大臣にするという目標を掲げる鈴木は、陣営の汚れのないイメージを保持するために、兼髙と道上の調査内容を破棄したかったのだろうか。そうなると「その実行役は誰か?」という話になるだろう。不慮の交通事故死に見せかけた殺人、住居侵入、窃盗となんでもありの人物のようだが……。裏稼業のプロであることは間違いないが、実行役もまた清家・鈴木の同級生の可能性があるのかもしれない。かつてのナチスドイツをけん引したヒトラーとそのブレーン・ハヌッセンの関係性を清家と鈴木になぞらえて物語が進行する同作品だけに、その裏で手を汚していた人物がいても不思議ではない。
そんな清家の政治家人生といえば27歳で初当選、43歳で初入閣と順風満帆すぎるほどの人生だ。総理大臣の座へと続くサクセスロードを築くため、鈴木が16年前に自動車事故で急逝したと見られている政治の師である地元代議士・武智(小木茂光)や兼髙を始末していたと思われたが、美恵子(田辺桃子)という“真のハヌッセン”候補が登場した。清家の元恋人である美恵子。第2話では美恵子に心底ほれこむ大学時代の清家の姿が映し出された。
気になるのは、美恵子に支配されハヌッセンを否定するようになったと思われる清家が、現在は鈴木と再びタッグを組んでいることだ。美恵子が支配者、清家と鈴木が“操り人形”となって政界をのし上がるという構図なら合点がいく。となると、美恵子と清家・鈴木はいまも関係があるということになり、現在の美恵子こそ謎の女(高岡早紀)ではないかとよぎる。謎の女は料理店・春吉の店主・佐々木(渡辺大)に詮索の電話を入れていたからだ。ただ、美恵子=謎の女と断定するのは時期尚早だ。がめつさが前面に出る美恵子と、上流階級の気品がただよう謎の女は似ても似つかない。謎の女こそが清家を操る“真のハヌッセン”であり、欲にかられた美恵子は当の昔に始末されている線もある。
鈴木が誰もいない病室でハヌッセンが43歳で亡くなったことを知り絶句していたことから、鈴木の交通事故は自作自演ではないだろう。何者かの手引きによる“暗殺未遂”だとすれば、指示役は清家、はたまた謎の女か。ただ、清家の政治家人生を考えれば、国民の心をつかむ人心掌握力・プロデュース力に長けた鈴木を失う影響は大きい。清家自ら優秀な参謀を手放すようなマネはしないはずだが、第2話エンディングの清家の冷酷な表情を見ると……。鈴木暗殺をやりかねないと正直思ってしまった。
そのほかにも、清家は突如として道上を遠ざけるなど不可解な行動が目に付く。佐々木を通じて道上の存在を知った謎の女の“お達し”だとすれば、謎の女=真のハヌッセンで確定だが果たして……。第3話ではその謎が少しでも明かされることを楽しみにしたい。
■番組情報
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
TBS系毎週金曜22時~
出演:水川あさみ、玉山鉄二、櫻井翔、丸山智己、和田正人、渡辺大、曽田陵介、渡辺いっけい、高岡早紀、ほか
プロデューサー:橋本芙美
演出:岩田和行、城宝秀則、小林義則
原作:早見和真「笑うマトリョーシカ」(文春文庫)
脚本:いずみ吉紘、神田優
音楽:大間々昂
主題歌:由薫「Sunshade」(Polydor Records)
政治監修:須山義正、武田一顕
法律監修:岡本直也
児童福祉監修:永野咲
警察監修:石坂隆昌
医療監修:中澤暁雄
編成:杉田彩佳
製作:共同テレビ、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/waraumatryoshka_tbs/
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