二宮和也の日曜劇場『ブラックペアン2』、前作より「期待できる理由」とは?
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※5月12日掲載記事を再編集したものです。
2018年に放送され、全話平均14.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、最終話は18.6%という高視聴率を記録したドラマ『ブラックペアン』(TBS系)の続編となる『ブラックペアン2』が、7月7日午後9時より「日曜劇場」枠で放送される。
主演は、前作と同じ二宮和也。そのほか、竹内涼真や葵わかな、小泉孝太郎、内野聖陽らが引き続き出演するという。
今回、二宮が演じる人物は前作の主役である天才外科医・渡海征司郎ではなく、天城雪彦という別の外科医となる。
続編でありながら、主人公が別の人物。しかも、その別の人物を同じ俳優が演じるケースは極めて異例。このキャスティングには、何としても『ブラックペアン』の続編を作りたいという制作側の意向が強く働いていると思われる。
今回の『ブラックペアン2』の原作となるのは、医師でもある小説家・海堂尊の『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』(ともに講談社文庫)。この2冊は、前作ドラマ『ブラックペアン』の原作となった『ブラックペアン1988』(同)と合わせて“バブル3部作”と呼ばれており、累計160万部を売り上げた大ヒットシリーズだ。
つまり原作の『ブラックペアン1988』には続編が存在するにもかかわらず、主役が交代することになるのである。
実は小説版の『ブラックペアン1988』の主人公は、前作で二宮が演じた渡海という人物ではない。竹内涼真が演じた若手医師・世良を主人公とした物語を、TBSがドラマ化するにあたって改変を行い、渡海を主人公とした物語としてリメイクしているのだ。
原作でも渡海は1作目で「その後、杳として行方がしれない」と処理され、カーボン製の黒いペアンを巡るサスペンスも完結している。
続編となった『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』でも主人公は世良であり、世良が渡海の次に出会う人物として新たに登場したのが、今回二宮が演じる天城ということになる。
たびたび続編のウワサが立ちあがった『ブラックペアン』だったが、ジャニーズ事務所の問題などもあって何度も立ち消えになったという。だが、そうした裏事情以前に『ブラックペアン』には続編に語るべき物語が何もなかったのだ。
そんな状況で、なんとしても二宮主演で『ブラックペアン』の続編を作りたい局側が繰り出した“ウルトラC”が、二宮に別人として主人公を演じさせるという異例の措置だったことになる。
前作の『ブラックペアン』は原作が小説1冊分しかなかったこともあってエピソードの抽出に苦労し、特に前半は同じ展開を繰り返すなど制作に苦労の跡が見える出来だったが、今作は2冊分の原作がある。また、ブラックペアンという謎の医療器具を巡るサスペンス要素が中心だった前作に比べ、今作は人物同士の関係性に比重が置かれた群像劇的な要素の強い作品でもあることから、前作以上の盛り上がりを見せる可能性が高そうだ。
新たな二宮の天才外科医像に期待したい。
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