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MVPは断トツでTBS『くるり』 どらまっ子AKIちゃん2024年春ドラマ総ざらい

写真ACより

 26日に『ブルーモーメント』(フジテレビ系)が最終回を迎え、今年の春ドラマも幕を閉じました。

 今期、筆者がレビューを担当したのは、以下の7本。

日曜『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)

月曜『366日』(フジテレビ系)

火曜『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系)

水曜『ブルーモーメント』(フジテレビ系)

木曜『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)

金曜『イップス』(フジテレビ系)

土曜『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)

 今回は、この7本に絞って独断と偏見に満ちた「アカデミー賞」風の表彰をしてみたいと思います。

 それでは、いきましょう。

■作品賞/『くるり~誰が私と恋をした?~』

 シンプルに、いちばんおもしろかった『くるり』を作品賞にしたいと思います。

 事故で記憶を失ったOL・緒方まことが、記憶を失ったまま生き方を模索していく様を主体的に描くスタイルは新鮮でしたし、特にクール前半は1話ごとにメッセージ性に富んだ物語を作っていました。

 ヒロイン1人にイケメン3人というラブコメのルックを取りつつ、自己の再生・再発見というテーマと真面目に向き合いながら、さらにミステリーとしても最終回まで謎を残すという構成もお見事。

 瀬戸康史や神尾楓珠のファンに向けたサービス精神も旺盛でしたし、総じて高いレベルでまとめてきたという印象でした。

■主演男優賞/間宮祥太朗

 男優が主演のドラマは間宮祥太朗の『アクマゲーム』、山Pの『ブルーモーメント』、赤楚衛二の『Re:リベンジ』、バカリズム『イップス』の4本となりますが、消去法的に間宮祥太朗にしたいと思います。

『アクマゲーム』、作品としてはかなり微妙な出来で、レビューも批判的なことをたくさん書いたような気がしますが、間宮の顔面だけはずっとテンション高く、主人公であるという主張を強烈に放ち続けたように見えました。

 1本のドラマを“顔で背負う”という仕事をやってのけたという評価です。赤楚くんもがんばってたけど、やっぱり笹野高史と余貴美子に食われていた。どうしようもないけれども。

■主演女優賞/生見愛瑠

 文句なく『くるり』のめるるです。記憶を失ったポジティブOLという役でしたが、実に生き生きと演じていました。この役は「何を考えているか」に加えて「何を思い出したか」という2つのベクトルで役を変化させていくという難しい仕事でしたが、本当にこの人は評判通り達者だと思う。

『花咲』の今田美桜も鮮やかな好演でしたが、求められた表現の幅がめるるのほうが大きかったので、今回はめるるにします。

■助演男優賞/錦戸亮

『Re:リベンジ』で作品そのもののキーであり続けた錦戸亮に助演男優賞。全話にわたって謎を抱え続ける医師を、印象的なお芝居で演じ切りました。

 主役として好青年から闇落ちしていく赤楚くんと、魑魅魍魎のベテラン軍団の間で、そのどちらにも属さない一匹狼としての存在感が際立ちましたし、40歳を前に色気もムンムンに出てきましたね。

 この作品は、錦戸の役どころがドクズと化した海斗(赤楚くん)の頭を押さえ続けたからこそ、成立したと思います。

■脚本賞/『くるり』

 脚本賞も『くるり』です。とにかく、思想的な面とキュンなラブコメとストーカーを巡るミステリーと、その3軸を同時並行で動かしながら、それぞれの要素できっちり最終回までまとめてきた手腕に感服です。

 特に、第9話でベタベタのラブコメだけをやっているのに、それまでに語ってきた思想や仕掛けがあるおかげで重層的な展開に見えてくる構図はすごかった。驚きました。

 レビューに「作り手側に、感情をコントロールされているように感じるんです。これまで与えられてきた情報によって、見る側がどれくらいのテンションで画面を追いかけているか、完全に把握されているという感触がある。」と書きましたが、これはドラマを見ていて得られる快感のひとつだと思うんですよ。

■撮影賞/『366日』

『366日』に関しては、逆に撮影くらいしかホメるところがないというのが正直なところです。第1話は「日曜劇場のチームが月9を撮ったら」みたいな印象でしたし、その後も目の覚めるようなカットは何度も訪れました。目の覚めるようなカットがあるということは、基本的に眠かったということですのでね。広瀬アリスと眞栄田郷敦のお芝居には全然文句ないですし。

 撮影でいえば、いちばん凝ったことをやってたのは『Re:リベンジ』だと思うんですが、あそこまで劇的だとちょっとあざといね。

 * * *

 上記以外にも、キムタク主演の『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)や、各所で評判を呼んだ『アンメット ある脳外科医の日記』(フジテレビ系)など話題作も多数ありました。

 夏ドラマも1日1本、週7本を担当する予定です。楽しみ~。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

最終更新:2024/06/27 17:00
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