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パッキャオ戦の“選択肢がKO一択”…勢いに乗る現RIZIN王者・鈴木千裕の実力

パッキャオ戦の選択肢がKO一択に――勢いに乗る現RIZIN王者・鈴木千裕の実力の画像1
マニー・パッキャオ(写真/Getty Imagesより)

 格闘技イベント『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT “BLAZE”』が23日に都内で開催された。メインイベントでは、元PRIDEライト級王者・五味隆典とKNOCKOUT-BLACKスーパーライト級王者でRIZINフェザー級王者の鈴木千裕が、ボクシングに準じた特別ルール73キロ契約3分3回戦で対戦、ドローに終わった。

 鈴木といえば、もともとはキックボクシングと総合格闘技の“二刀流”で活躍。21年9月にRIZINのリングに初参戦し秒殺KO負けを喫したものの、以後、8勝1無効試合で昨年11月には同フェザー級のタイトルを獲得。

 7月28日にさいたまスーパーアリーナで開催されるビッグイベント『超RIZIN.3』では、ボクシング6階級王者のレジェント、マニー・パッキャオとRIZINスタンディングバウト特別ルールで対戦することが決定している。

 23日に行われたのはその前哨戦とも言える、PRIDEのレジェンド・五味とのボクシングルールに準じたルールでの対戦。本来ならば、鈴木が圧倒してのKO勝利でパッキャオ戦に勢いを付けたいはずだったが、五味に師事していることもあってか鈴木は積極的に攻められず、さらに最終3ラウンドは五味に圧力負けしているようなひと幕もあった。

 最後はノーガードで「打って来い!」と叫ぶ五味に鈴木が拳を振るっていったものの、前述の通り、0-0の判定でドローとなった。試合後、五味はリング上で鈴木に「判定ダメだよ! KOじゃなきゃ!」、「パッキャオはこんなもんじゃないからな!」と猛ゲキを飛ばす一幕もあった。

 一方、鈴木は「倒したかったけど、なかなかヤマ場が作れなくて、課題がすごく残る」「勝負できるところで行けなかったのが自分の甘さなんで、それが今回の課題ですね」と反省しきりだった。

「もともと五味はボクシングに造詣が深く、研究した成果をしっかり自分の“武器”として取り入れていたこともあり、弟子である鈴木との試合には余裕があった。それに対して、鈴木はキックボクシングがベースで、ボクシングの基礎はなく、一撃必殺を体現するファイトで成り上がってきた。とはいえ、師匠の五味にはこれまでの勢いをすっかり殺されてしまったため、残念な凡戦に終わってしまった」(格闘技ライター)

 鈴木といえば、一時期、格闘技以外でその名前がメディアで取りざたされたことがあった。

「新型コロナの公的融資制度をめぐる詐欺事件で起訴された、大阪・寝屋川の元市議である吉羽美華被告との“ママ活”疑惑が22年の夏ごろに浮上。鈴木は自身のSNSなどで否定したが、吉羽被告は“詐欺マネー”で一時期はRIZINの大口スポンサーとなり、その影響で鈴木がRIZINのリングに上がれたとささやかれていたが、フタを開ければ実力で連勝し雑音を吹き飛ばしていた」(格闘技業界関係者)

 師匠・五味戦でボクシング技術のなさを露呈してしまったが、6月9日に行われた『RIZIN.47』の際に、対戦が発表された鈴木とパッキャオが会見。パッキャオは、「改めて言いたいのは、これはエキシビションではありません。しっかりしたファイトです。お互いがノックアウトを目指して戦う試合になります」と“ガチンコ”の試合を宣言。さらに、「ボクシングというものはそんなに簡単に習得できるものではない。チヒロは7月28日、ボクシングを学ぶことになるでしょう。私が彼に学ばせます」と余裕のコメントだったのだが……。

「五味戦を見る限り、まったくパッキャオの相手にはならないと見る関係者は少なくはない。パッキャオが早いラウンドで倒しに来てくれれば観客は興奮するだろうが、鈴木のパンチをかわしてダラダラやっていたらブーイングが巻き起こりそう。そもそも、ミスマッチだったので、興行の中でのワーストマッチになってしまう可能性もある」(先のライター)

 もはや、鈴木には〝捨て身〟の一撃でKOを狙うしか選択肢はなさそうだ。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2024/06/28 12:00
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