令和ロマンが決勝進出を決めた『ABCお笑いグランプリ』史上最高の激戦に
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芸歴10年以内のお笑いコンテスト番組『第45回ABCお笑いグランプリ』(ABCテレビ)の準決勝が21日に行われ、45組が参加。決勝戦に進む12組が決まった。
今年は、昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で優勝を飾った芸歴7年目の令和ロマンが出場することでも話題を集めていた同大会だが、その令和ロマンを含む12組が決勝に進出している。
『ABCお笑いグランプリ』の決勝は、ブロック制で行われる。A、B、C各ブロック4組ずつが対戦し、審査員による審査で1位の組が最終決戦に進出。3組によって優勝が争われることになる。
ここでは、各ブロックごとに決勝進出者を紹介したい。
■Aブロック
金魚番長
ぐろう
ダウ90000
天才ピアニスト
昨年始まった「UNDER5 AWARD 2023」で優勝、第9回目となる「マイナビLaughter Night」も制した金魚番長が初の決勝進出。今年の「ytv漫才新人賞」で準優勝を果たしたぐろうも初ファイナル。金魚番長は神保町よしもと漫才劇場、ぐろうは難波のよしもと漫才劇場で今もっとも勢いに乗る若手漫才師といわれている。東西の新鋭がAブロックにそろった。
ダウ90000と天才ピアニストはともに3年連続3回目の『ABC』決勝。もはや恒例となった「ダウは演劇かコントか」論争に終止符を打ちたいダウだが、3年前の初出場時とは周囲の環境も大きく変わっている。一般の認知を獲得した8人コントはブロックを勝ち抜けるか。
ダウ以上に環境が変わっているのが天才ピアニスト。22年にはBブロックで令和ロマンに敗れたが、同年『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)で優勝。今年は「上方漫才大賞」の新人賞も受けており、充実のキャリアを送っている。関西の賞レースで特に強さを見せているコンビだけに、優勝候補の一角と言えそうだ。
■Bブロック
青色1号
エバース
フランスピアノ
やました
太田プロの青色1号とグレープカンパニーのフランスピアノ。東京の非吉本コント師2組がこのブロックに入った。2組は2年前の第43回大会でも決勝で顔を合わせており、2年ぶり2回目の出場となる。ともに『キングオブコント』(TBS系)で準決勝経験がある実力派だけに、最終決戦進出の可能性は十分だ。
迎え撃つ吉本勢は、エバースとやました。昨年『M-1』敗者復活でインパクトを残したエバースは、今年に入ってから注目度が急上昇。しゃべくり1本にこだわる硬派なスタイルで、年末の『M-1』に向けて勢いをつけたい。
今回、最大のダークホースとなったのが、大阪吉本所属の女性ピン芸人・やました。『ABC』が現体制になって以来、初のピン芸人、初の女性芸人としての優勝を目指す。
■Cブロック
かが屋
ぎょねこ
フースーヤ
令和ロマン
『キングオブコント』決勝を2度経験しているかが屋が2年ぶり2回目の決勝進出。すでに今回の出場者の中でも一番の知名度を得ている2人だが、ここまで賞レースの優勝には縁がない。「無冠の帝王」の称号を払しょくしたいところだ。
優秀な若手トリオがそろうワタナベからは、ぎょねこが決勝進出。後輩であるゼンモンキー、えびしゃの陰に隠れてきたが、実は令和ロマンと同期に当たるだけに、捲土重来を期す。
かつてのアイドル人気から、賞レースにも頻繁に顔を出すようになってきたフースーヤにも今回の『ABC』はチャンスといえるだろう。昨年の『M-1』では初の準決勝進出。今年の『NHK上方漫才コンテスト』では優勝を飾っており、勢いは本物だ。
そして、令和ロマンである。3年連続3回目の出場となり、昨年はダブルヒガシに、一昨年はカベポスターに敗れて2位となっており、『M-1』王者といえど『ABC』は雪辱の場となる。『M-1』2連覇という偉業に向けて、まずは負けられない戦いだろう。
* * *
『M-1』の芸歴制限が15年となり、若手にとっての枠が激減したことから、現在では『ABC』が本来の『M-1』の役割を担っているとの声もある。そして、その通り戦いは年々ハイレベルになっていく。
今年も準決勝で、ゼンモンキー、金の国、ナイチンゲールダンス、ヨネダ2000、エルフ、はるかぜに告ぐといった有力どころが姿を消している。
果たして令和ロマンの雪辱なるか、波乱が起こるのか。決勝は7月7日だ。
(文=新越谷ノリヲ)
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