トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー > 本・マンガ  > 『インフォーマ』ついに「セブ」に並ぶ

『インフォーマ』ついに「セブ」に並ぶ!その道のりにあった「作品を生かし続ける挑戦」

『インフォーマ -INFORMA-』

小説家は、作品を世に送り出したあと、何をしているのだろうか? 多くの小説家が、なにもせず、作品が読者や社会にどう受け入れられるのかを黙ってみているだけではないか。だが、それでは作品は生き続けられない。自分の想いは遂げられない。作家自らの動きが、作品に新たな命を吹き込むのだ。

現状を打破からドラマが生まれる

 セブンイレブン。私の地元、尼崎市の塚口という街では、セブン-イレブンのことを「セブ」とみんなが呼んでいた。

「アッハハハハ、セブン-イレブンのことをセブって。沖田さんそれはないですって。沖田さんだけですって、アッハハハハ」

 そう笑われたものである。ドラマ『インフォーマ』のプロデューサーである通称・ジョニーに…。

 コンビニの本棚にも、いつか自分の本が並んでたら良いなと思っていた。その願いを叶えてくれたのが、マンガ『インフォーマ』(小学館)である。しかも「セブ」でだ。

 マンガ『インフォーマ』の原作を書くという仕事は、銭金ではやっていない。私のもとには印税がほぼ入って来ないような契約で行っている。生きていると損得勘定なしでやるべき仕事というのがあって、それが私にとってマンガ『インフォーマ』であった。

 では、なぜやるのか。それは小説、ドラマと展開してきた『インフォーマ』という作品に、あらたな表現形態で命を吹き込み、世の中に残すためである。カネのためではないと言いながらも、それによってカネでは買うことのできない経験を得られるし、そうした新しい挑戦を一生懸命にやっていれば、力になってやろうと考える人々も必ず集まってきてくれる。それが自分自身の財産となるのだ。

 もちろんビジネスであり、結果を出さなければ意味がない世界で戦っているのだ。そのために、寝る間を惜しむことは当然である。

 だけど、それが苦痛かといえば、まったくそうでなく、3年前に生み出した『インフォーマ』という作品の仕事を、いまだにできていることを、私は誇りに思っている。

 私は『ムショぼけ』(2021年)という作品で、ようやく作家人生を歩むうえでの「名刺」を作ることができたと思っている。20冊近く出して、ようやく体感として私はその感覚を得ることができたのだ。その『ムショぼけ』が私の名刺代わりであるならば、『インフォーマ』は私の代表作である。

 出版すれば、読者に受け入れられるよう祈るだけの立場でもなく、黙って見ていても大丈夫という過信もない。自分の作品を生かし続け、さらに成長させるために常に戦い続けるだけだ。その結果の一端が『インフォーマ』のマンガ化であった。

 私は物書きとしてデビューしてから、さまざまなジャンルで原稿を書いてきた。今もそれは変わらない。客観的に見ても、執筆スピードで負けるという相手はいなかった。そこに活路を見出してきたのだ。

 それでも筆を握った24年前から、ずっとこだわり続けているのは文芸の世界。いわゆる小説である。小説を書くことによって、作品づくりに携わる上で、他には負けない自分への需要を認識し、理解していったのだ。そこが私のポジションである。それを私の中で開花させた作品が『インフォーマ』と言えるだろう。

 私は書くだけでなく、作品のセットアップからメディアミックスまで自分の手でやってきた。人よりも努力する、人よりも行動するのは、私の中では当たり前で何も特別なことではない。人がやって来なかったからといってそれを無理だと諦めていては、願いが実現することはないと私は知っているからだ。

 それは『インフォーマ』に出てくる木原慶次郎も、ポンコツこと三島寛治も同じで、2人はさまざまな出来事に巻き込まれても、ただ黙って奇跡を待っているわけではなく、自ら現状を打破させてきている。そこにこそドラマが生まれるのだ。

 先のことはわからない。ただ、小説もドラマも『インフォーマ』という作品を私は世の中に残すことができたと思っている。

 今度はマンガ『インフォーマ』の番である。マンガ界には数多くの作品が存在するが、その中で「おもしろい」と言ってくれる人がいれば、産みの親として、これほどの報いはないだろう

(文=沖田臥竜/作家)

マンガ『インフォーマ -INFORMA- 1』
小学館/770円(税込)

誰もが簡単に情報を発信できる時代に週刊誌の記者として働く・三島寛治。「正義を伝えたい」 信念を掲げ入社したはずが…今じゃクビ目前。そんな三島に訪れた、記者として一発逆転する最後のチャンス…それは、政治、芸能、裏社会、全ての情報に精通するという都市伝説の情報屋「インフォーマ」と繋がる最強のカード。
人生を賭けろ!伝説の情報屋「インフォーマ」と繋がり、人間の欲望と因果が渦巻く世界へ足を踏み入れろ。ドラマ化もした、大ヒット原作を新機軸でコミカライズ!

『インフォーマ2  ヒット・アンド・アウェイ』 
サイゾー文芸/1540円(税込)

『インフォーマ2  ヒット・アンド・アウェイ』


政治経済、芸能界はもちん、裏社会の情報にまで精通する「インフォーマ」を名乗る木原慶次郎と週刊タイムズ記者の三島寛治が再び巨悪に挑む。
今回の相手は、SNSを駆使して日本中で犯罪を繰り返す新手のマフィア組織。その拠点があるタイ・バンコクへと2人は向かうが、真の敵として浮上したのは意外な人物だった――。
元ヤクザにして豪放磊落な木原と取材能力よりも厄介を招く才能に長けた三島が下りなす「クライムアクション小説第二弾」

作家・小説家・クリエイター・ドラマ『インフォーマ』シリーズの原作・監修者。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)がドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)、『ブラザーズ』(角川春樹事務所)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

最終更新:2024/06/15 16:58
ページ上部へ戻る

配給映画