『アクマゲーム』最終回 言葉の意味は分からんが、とにかくすごい自信だ
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間宮祥太朗が鬼気迫る顔面で全然おもしろくないゲームに命を懸けてきた『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)も最終回。今回も間宮演じる照朝くんの顔面は鬼気迫っていましたし、謎組織グングニルの「ガイド様」こと照朝パパ(吉川晃司)も鬼気迫っていました。ガイド様にかしずく崩心さん(小澤征悦)なんて、人一倍鬼気迫ってたね。
まったく、顔面だけはみなさん鬼気迫っているのです。映画化決定だってさ。振り返りましょう。
■ゲームに勝っても爽快感がまるでない
照朝くんとパパとの対決となった最後のゲーム、なんか先に石板に書いておいた3つの一般名詞をヒントを頼りに当てっこするというものでしたが、結果としては照朝くんが勝ちました。
まずゲームの描写として、どういう状況かわからないので登場人物に共感しながら手に汗をにぎるということができないんですね。決定的なヒントが提示されないものだから、彼らがどれくらいの推理力を持っているのかを、見る側が推理しなければならないという状況が生まれている。
例えばパパは「一辺が1mの立方体に収まる」「人間」「照朝が触れたことがある」「故人」というヒントから、第1話に登場した「丸子」という人と答えて間違えるわけですが、なぜ「丸子」にたどり着いたのか全然わからない。わからないのに、照朝は「丸子にたどり着くことはわかっていた」とか言うもんですから、もうチンプンカンプンなわけです。おもしろくないんだ。
終始、チンプンカンプンなゲームが進行しながら、今回は2人ともよくしゃべりました。パパがグングニルの「ガイド様」に収まるまでの経緯や、実はこのトーナメント自体が、照朝くんの成長を促すために開催されたものだとか、これまで9話9時間かけて説明してきた事実関係を次々に覆していく。
おそらく「真相はそうだったのか!」と思わせたいのでしょうけど、なんの伏線もないので「言ってたことと違うじゃん」にしかなってない。2人の会話も、全然おもしろくない。
99本を集めたらなんでも願いが叶うという「悪魔の鍵」も、照朝くんは「破壊する」と言うし、悪魔は「破壊できない」と言うし、照朝くんの友達は「悪魔の言ってることなんてウソだろ」みたいなことを言うしで、全然よくわからない。よくわからないから、おもしろくない。
ゲームもおもしろくないし、言ってることもおもしろくないし、設定もおもしろくない。逆に、役者という仕事はすごいなーと思いながら見ていました。脚本を読んだ段階で、自分たちが何を言ってるか、なぜこの場面でこれを言うのかわからないでしょうに、あんなに鬼気迫る顔面でしゃべれるんだから、ホントにすごいです。言葉の意味は分からんが、とにかくすごい自信だ。
■「終わらない」にたどり着くために
このタイミングで映画化決定、しかもトレーラーもできてるわけですから、放送前から劇場版が作られることは決まっていたわけです。『アクマゲーム』はAmazon Prime Videoで世界配信され、潤沢な予算も用意されていたのでしょう。
劇場版が決まっているということは、ドラマとしての『アクマゲーム』は終わってはいけないのです。最終回で「劇場版に続く」をやらなければならない。
戦いが終わり、60本以上の「悪魔の鍵」を手に入れた照朝くんはさらなる鍵を求めてカンボジアを訪れていました。そこに、世界中で行われていたアクマゲームトーナメントの優勝者リストを手にしたお友だちの潜夜さん(竜星涼)が現れ、2人で鍵の所有者を探しながらアクマゲームを続けていくようです。
ドラマとして父と子の物語を終わらせるために、「トーナメントは照朝の成長を促すために開いた」と言ってしまったので、ほかの地域のトーナメントがなんのために行われていたのか全然わからなくなっちゃってる。
ゲームも、物語も、先に視聴者に提示した条件や設定を勝手にひっくり返して、勝手に迷走しているようにしか見えませんでした。ひと言でいうと、迂闊なんだよな。『アクマゲーム』って、すごく迂闊な作品だったと思います。
最後に、トーナメントに参加していた将棋の竜王とAIが将棋対決をするシーンがあるんですが、ここで「普段は滅多にメディアに姿を現さない竜王」と紹介される場面がありました。
将棋の竜王戦って、読売新聞社の主催ですからね。竜王がメディアに姿を現さないなんてことはあり得ないんだ。迂闊なんだよなぁ、こういうとこ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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